現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > レクサスの本格オフローダー「GX」は“ランクル250”と何が違う? 心臓部は“ランクル300”と同じ! 乗って分かった人気SUVからの変化とは

ここから本文です

レクサスの本格オフローダー「GX」は“ランクル250”と何が違う? 心臓部は“ランクル300”と同じ! 乗って分かった人気SUVからの変化とは

掲載 更新 22
レクサスの本格オフローダー「GX」は“ランクル250”と何が違う? 心臓部は“ランクル300”と同じ! 乗って分かった人気SUVからの変化とは

“ランクル300”のエンジンを積んだ“ランクル250”?

「予想していたのとは全く違うクルマだったなぁ」……レクサス「GX550」の実車に触れたときの印象を正直に告白すると、そうなります。

【画像】「えっ…!」人気の“ランクル250”とは何が違う? これがレクサスの本格オフローダー「GX」です(30枚以上)

 レクサス「GX」というモデルは、日本ではまだ耳なじみのないモデルですが、それも当然の話。なぜなら日本での販売は、2024年に始まったばかりなのです。

 これまで「GX」は北米市場などで展開されてはいましたが、日本では売られていませんでした。それが現行モデルへとフルモデルチェンジされたのを機に、待望の日本発売がスタートしたのです。

 口の悪い人は「トヨタ『ランドクルーザー250』のレクサス版だろ?」なんていうことでしょう。それは半分正解ですが、半分は不正解。確かに、設計やメカニズムの基本は共通で、ボディも顔つきやシルエットなどは大体同じですが、「GX」は内外装がレクサスならではの仕立てになっているます。さらに“ランクル250”とは、パワートレインからして異なります。

 日本仕様だけでなく海外市場向けも4気筒エンジンのみのラインナップとなる“ランクル250”とは異なり、「GX」は全モデルに6気筒エンジンを搭載。“V35A-FTS”型という“ランクル通”にはピンと来るエンジンを搭載しています。

 実はこの「GX」、トヨタ「ランドクルーザー300」と同じ3.5リッターのV6ツインターボガソリンエンジンを搭載しているのです。

 ちなみに、“GA-Fプラットフォーム”と呼ばれるラダーフレームは、レクサス「GX」も“ランクル250”も“ランクル300”も、さらにはレクサスの最上級SUVである「LX」も共通。つまり、「GX」のハードウェアを乱暴にいってしまえば、「“ランクル300”のガソリンエンジンを搭載した“ランクル250”」なのです。あくまでスペック的な話ですが……。

 そのため試乗前、筆者(工藤貴宏)は「GX」に対して、「コレって『LX』の弟分でしょ? きっと上下関係で成り立っているだけなはず」くらいに軽く考えていたわけですが、実際に触れてみると、それはなんともピントのズレたイメージだったことに自分を恥じたくなりました。

 何が違うのか? それはクルマが目指している方向性。「LX」と「GX」では全く異なっているのです。

「LX」は端的にいって、レクサスの世界観をどストレートに具現したモデルです。

 カタチと走破性こそSUVですが、キャビンはひたすらラグジュアリーな仕立てで、それこそフラッグシップセダンの「LS」から乗り換えても不満のない、贅を尽くしたインテリアが乗員を迎えてくれます。まさにラグジュアリーブランドのSUVらしいのです。

 それに対して「GX」は、誤解を恐れずにいればレクサスらしくない、高級車らしくない。まるで道具のように実用的な雰囲気を醸し出しているのです。

 その一例がダッシュボード。上質感よりもシンプルかつ質素なデザインと仕立てで、どこまでもツール感を貫いています。徹底して質実剛健に見せているのです。そういう意味では、“ランクル250”に近い感覚といっていいでしょう。

 ただし、じっくり見ていくと、仕立てが上等なのは、さすがはレクサスといったところ。

 一見、樹脂感むき出しで質素に見えるダッシュボードも、よく見るとソフトパッドがしっかり張られていて上質な仕立てになるなど、単に質素なだけじゃないというのが“ランクル250”との大きな違いとなっています。

 いってみればそれは、機能はもちろんのこと、質感までも追求された本格ツール。手で握る部分に本革が張ってあるなど、単に道具としての実用性とシンプルさを極めただけでなく、細部が上質に仕立てられた作品とさえ呼べるような雰囲気がある……といった感じでしょうか。

タフギア感に満ちたモデルがレクサスから登場するとは

 そんなレクサス「GX550」の走行性能は、“ランクル250”に比べてひと回り大きいエンジンを搭載していることもあり、動力性能は十分以上。加えて、操縦安定性も強化されています。

 例えばリアスタビライザーは、“ランクル250”が上級グレードでも「通常状態(接続状態)」と「切り離し状態」とを切り替えるだけのタイプなのに対し、「GX」では、効き(剛性)を連続的に切り替えられる、“ランクル300”と同じ電子制御式へとバージョンアップされています。

 これにより、優れたオフロード走破性を持ちつつも、舗装路での走りや乗り心地もなかなかハイレベルに仕上がっています。

 乗り味自体は昨今のプレミアムブランドの本格オフローダーとしてはオフロード寄りの印象。その特徴的なドライブフィールは、実際に乗ってみればすぐに分かることでしょう。

 ちなみに、今回の試乗車はルックスだけでなく走行性能をもオフロード向けにセッティングされたオフロード色の強い「GX550 オーバートレイル+」でしたが、タフギヤ感に満ちたモデルがレクサスから登場する日が来るなんて、5年前では想像もできませんでした。

* * *

 レクサス「GX」はどんなクルマか? ひと言で表現するならば、これまでのレクサスとは異なる世界観を持つ、上質だけど質実剛健さを感じられる無骨なオフローダー、といったところでしょうか。

 多くのメカニズムを共用する「LX」とは向いている方向が全く異なるため、隣に並ばれても引け目など感じなくて済みます。上下関係ではなく全く別の存在に仕上がっている……それがレクサス「GX」というクルマなのです。(工藤貴宏)

文:VAGUE 工藤貴宏
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

カーデザインの巨匠が描いたルックスも魅力的! 乗るだけで「豊かな気分」になれるフィアット初代「パンダ」はなぜ人気?
カーデザインの巨匠が描いたルックスも魅力的! 乗るだけで「豊かな気分」になれるフィアット初代「パンダ」はなぜ人気?
VAGUE
マツダ新型「CX-5」まもなく世界初公開! “逆スラントマスクと新世代リアデザイン”がカッコいい!!「独自開発ハイブリッド」採用も決定的
マツダ新型「CX-5」まもなく世界初公開! “逆スラントマスクと新世代リアデザイン”がカッコいい!!「独自開発ハイブリッド」採用も決定的
VAGUE
マツダ新型「CX-5」待望の世界初公開! 注目は新世代デザインと上質すぎるインテリア!! 話題の「独自開発ハイブリッド」は2027年登場予定
マツダ新型「CX-5」待望の世界初公開! 注目は新世代デザインと上質すぎるインテリア!! 話題の「独自開発ハイブリッド」は2027年登場予定
VAGUE
「やっぱ自然吸気の吹け上がりは気持ちいい!」世界的に貴重な“大排気量NAエンジン”を積んだ注目の「スポーツモデル」3選
「やっぱ自然吸気の吹け上がりは気持ちいい!」世界的に貴重な“大排気量NAエンジン”を積んだ注目の「スポーツモデル」3選
VAGUE
4気筒250cc・スポーツ系の心臓を持った元気印ネイキッドたち[クォーターマルチ烈伝#03]
4気筒250cc・スポーツ系の心臓を持った元気印ネイキッドたち[クォーターマルチ烈伝#03]
WEBヤングマシン
80年代“レーサーレプリカ”ブームをけん引! 中型スーパースポーツの概念を刷新したホンダ「CBR400RR」ってどんなバイク?【昭和の名車】
80年代“レーサーレプリカ”ブームをけん引! 中型スーパースポーツの概念を刷新したホンダ「CBR400RR」ってどんなバイク?【昭和の名車】
VAGUE
シリーズ最安でも最速! スバルの新しいSUV「フォレスター」のターボ車を試す “スポーティな走り”はハイブリッドより格上? コスパの高さも魅力的
シリーズ最安でも最速! スバルの新しいSUV「フォレスター」のターボ車を試す “スポーティな走り”はハイブリッドより格上? コスパの高さも魅力的
VAGUE
見た目も中身もまるで“スポーツカー”!? トヨタ「プリウス」のPHEVモデルに精悍な特別仕様車「G“ナイトシェード”」登場 一部改良で装備も強化
見た目も中身もまるで“スポーツカー”!? トヨタ「プリウス」のPHEVモデルに精悍な特別仕様車「G“ナイトシェード”」登場 一部改良で装備も強化
VAGUE
635馬力の“史上最強”モデル「ディフェンダー・オクタ」舗装路と悪路での実力は? 2.5トン超のヘビー級ながら「走り味はまるでスポーツカー」
635馬力の“史上最強”モデル「ディフェンダー・オクタ」舗装路と悪路での実力は? 2.5トン超のヘビー級ながら「走り味はまるでスポーツカー」
VAGUE
ミドルSUV ボルボ「XC60」は仕様変更でどう変わった? さらなる熟成で“完成形”に近づいたベストセラーSUVの進化とは
ミドルSUV ボルボ「XC60」は仕様変更でどう変わった? さらなる熟成で“完成形”に近づいたベストセラーSUVの進化とは
VAGUE
およそ半世紀前の“空冷カワサキZ系”が米国オークションに登場 クラシックとモダンが融合した改造「KZ1000」の魅力とは
およそ半世紀前の“空冷カワサキZ系”が米国オークションに登場 クラシックとモダンが融合した改造「KZ1000」の魅力とは
VAGUE
「アドベンチャーバイクの王者」がさらに進化! 異次元の快適性を実現したBMW「R1300GSアドベンチャー」の“キングたるゆえん”とは
「アドベンチャーバイクの王者」がさらに進化! 異次元の快適性を実現したBMW「R1300GSアドベンチャー」の“キングたるゆえん”とは
VAGUE
トヨタの大人気ミドルSUV「ハリアー」一部改良 どこがどう変わった? 登場した特別仕様車の内容とは
トヨタの大人気ミドルSUV「ハリアー」一部改良 どこがどう変わった? 登場した特別仕様車の内容とは
VAGUE
全長4.4m! さらに大きくなった新型「ミニ・カントリーマン」に初の限定車「スレート・ブルー」登場 日本で200台限定発売
全長4.4m! さらに大きくなった新型「ミニ・カントリーマン」に初の限定車「スレート・ブルー」登場 日本で200台限定発売
VAGUE
“ツートーン仕上げ”や“ストライプ”がカッコいい! ホンダ「GB350」と「GB350 S」がカラーを一新! 人気ロードスポーツバイクは何が進化した
“ツートーン仕上げ”や“ストライプ”がカッコいい! ホンダ「GB350」と「GB350 S」がカラーを一新! 人気ロードスポーツバイクは何が進化した
VAGUE
「レクサスらしい走り味」がさらなる高みへ! EV専用モデル「RZ」がハードウェアを大幅刷新!! “プレミアムブランドならではの電動SUV”は何が進化した?
「レクサスらしい走り味」がさらなる高みへ! EV専用モデル「RZ」がハードウェアを大幅刷新!! “プレミアムブランドならではの電動SUV”は何が進化した?
VAGUE
【アルフィスタ必読】思い出したのはアルファスッド!アルファ・ロメオ・ジュニアはその気にさせるディテール満載
【アルフィスタ必読】思い出したのはアルファスッド!アルファ・ロメオ・ジュニアはその気にさせるディテール満載
AUTOCAR JAPAN
ホンダの大人気クルーザー「レブル250」シリーズに新設定された“Eクラッチ”仕様の実力とは? 「クラッチ操作が不要」だから快適性が圧倒的
ホンダの大人気クルーザー「レブル250」シリーズに新設定された“Eクラッチ”仕様の実力とは? 「クラッチ操作が不要」だから快適性が圧倒的
VAGUE

みんなのコメント

22件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1195 . 0万円 1270 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1465 . 0万円 1606 . 0万円

中古車を検索
レクサス GXの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1195 . 0万円 1270 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1465 . 0万円 1606 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村