タクシーに「急いで行って！」の要求はアリ？ 元タクシードライバーが語る実情

　この記事をまとめると

■無謀な運転をしているタクシーを見かけることが多い

■乗客をいち早く目的地に届けるために無謀運転をしてしまうことが日常化している

■「急いで！」と言って急いでくれるタクシーはまれだが実情は速度超過が頻発している

　糾弾されがちなタクシーの運転マナー

　街なかを走るタクシーを見たり、目の前を走行するタクシーの運転を観察したりすると、無謀運転をしていることがあります。なぜこのような運転をしているのでしょうか。今回は、タクシードライバーの乗務経験がある筆者が、タクシーの無謀運転について解説します。

　タクシーによくある無謀運転

　目の前を走るタクシーが急に止まったり、合図も出さずに進路を変更したりするのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。そのほかにも、無理な割り込みや急発進、速度超過など、「本当に二種免許保有者なの？」と疑いたくなるような運転をしているタクシーを見かけることもあります。

　このようなタクシーの運転は、道路交通法違反になることが多く、本来であれば取り締まりの対象です。もちろん、タクシードライバーも交通違反であることを知っていながら、無謀運転をしています。

　では、なぜ違反であることを知りながら、無謀運転をするのでしょうか。

　商売だからというのが大半の理由

　タクシードライバーが無謀運転をしているのは、商売だからという理由が大半でしょう。タクシードライバーの給与は、多くの人が知っているとおり歩合制です。つまり、売上が給与に反映される形態となっています。そのため、少しでも給与を上げるためには、乗務している間にひとりでも多くタクシーに乗客を乗せ、時間を無駄にしないことが給与アップのポイントとなります。

　このような理由から、乗客をいち早く目的地に届ける＝自分の給与のために無謀運転をしてしまうことが日常化していると考えられます。

　必ずしもタクシーのほうが早いとは限らない

「急いで！」というと速度超過してまで早く行ってくれるのか？

　よくタクシードライバーに「急いでください！」と声をかける乗客もいますが、「急いで！」といえばタクシーは速度超過をしてまで早くいってくれるのでしょうか。その答えは「No」ですが、実際の現場を見渡すと「Yes」になっているというのが実情です。

　先ほども述べたとおり、速度超過は交通違反です。もちろんタクシーも交通社会の一員であるため、速度超過をしている場合は取り締まられます。そのため、乗客から「急いで！」といわれたからという理由で速度超過をして取り締まられた場合は、一般ドライバーと同じようにキップを切られます。

　筆者が務めていたタクシー会社の乗務員のひとりに乗客から「急いでといわれたらどうしてますか？」と聞いたところ、「急ぎます！」や「急いでます！」と乗客にいいながら法定速度で走るというドライバーがいました。このように、ドライバーに「急いで！」といっても法定速度を遵守するドライバーもいます。

　タクシー＝早い・短時間ではない場合もある

　タクシーは、公共交通機関のなかでも短時間で移動できるというイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。

　確かにタクシーは、乗車した場所から目的地まで直接送り届けてくれるため、他の公共交通機関よりも短時間で移動することができる場合が多いです。ただ、道路状況によっては、渋滞により電車のほうが早かったという場合もあります。そのため、タクシー＝早い・短時間ではないこともあるということも理解したうえで利用するようにしましょう。

Comments

[hel********]

現役ドライバーです。
お客さん側に聞きたい。急いで行ってもらった時にチップ上げてますか？おそらくほとんどのお客さんはそのまま降りていると思います。
チップをもらえるから急ぐと言うわけではありませんが、たかだか数百円のために急ぐなんて事は絶対にないです。急ぐふりはしますけど。
あとアプリ配車などで急げと強要するお客さんはブロックするのでご了承ください。

[nic********]

最近アプリで呼ばれることが増えているが、平気でタクシーを待たせておいて、乗るなり「急ぎで！」って言う自分勝手なお客様が多いです。
5〜10分早く起きることで防げます。