F1は今シーズン、3レースにスプリント予選レースを実施する週末のフォーマットを導入することを決めた。しかしメルセデスのトト・ウルフ代表は、決勝レースに向けてリスクを冒すことを誰もが躊躇しているため、多くのプレイヤーが混乱していると考えている。
スプリント予選レースは、土曜日の午後に100kmの短いレースを行ない、日曜日の決勝レースのスターティンググリッドを決めるというもの。すでに今季ここまで、イギリスGPとイタリアGPで導入された。
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これは、週末に意外性を持たせるために採用されたものであったが、誰もがリスクを避けて走るためオーバーテイクが起きる可能性は少なく、1周目が終わった段階で隊列が出来上がり、そのままフィニッシュを迎えるということが多かった。リスクを冒してオーバーテイクを試みても、それが失敗してしまい、ポジションを落とすことになってしまえば、決勝のスターティンググリッド、ひいては決勝結果に大きな影響を及ぼすからだ。
メルセデスのウルフ代表は、トップ3にしかポイントが与えられないというスプリント予選レースでリスクを冒すことは、日曜日の決勝レースを考えれば妥当なモノではないと考えており、それがドライバーたちを慎重にさせていると考えている。
「まず第一に、誰もが混乱している」
そうウルフ代表は語った。
「みなさんにとってどうなのかはわからないけどね」
「現時点でのスプリント予選レースの形式は、誰もがあまりリスクを冒さないため、あまりメリットがないと思う」
「日曜日の決勝レースに影響を及ぼすというリスクに対して、得られるポイントが少なすぎる。そのリスクに見合うだけの価値はないんだ」
「そして、ストレートスピードはどれも似通っているため、オーバーテイクが難しいということをもそれに輪をかけている。ターン1とターン2でさえ、誰もリスクを冒さないんだ」
しかしウルフ代表は、F1がこのフォーマットを試すのは正しいことであり、ブラジルGPに導入されると言われている3回目のスプリント予選レースで、より良い結果が出ることを望んでいると語った。しかしその一方で、現在の形のスプリント予選レースを、来年もそのまま行なうべきではないとも考えているようだ。
「ブラジルでもう一回試してみようじゃないか。何かが変わるか、それを見てみることにしよう。しかしそれは価値ある実験だと思う。私にとっては、個人的な意見であり、エンジニアとしての私の意見でもある。好みかどうかというモノではないんだ」
「スプリント予選レースは、試してみる価値があったと思う。だが将来もこのまま続けていくべきかどうかは分からない」
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