ここ最近、ショッピングモール駐車場の一角で連日賑わっている複数メーカーを比較試乗できるサービスのカージャニー。その位置付けはレンタカーでもカーシェアでもなく、クルマを選ぶための新しい判断材料だった。
文:ベストカー編集部 鈴村朋己/写真:中島仁菜/Special Thanks:船戸夫妻
【画像ギャラリー】最新BEVに大人気ミニバンを試せちゃう革新的サービス!! Carjanyで味わえる新しいクルマ選びの世界(20枚)
自分らしい1台に出会うために冒険
ディーラーのショールームに入ると、どうしても身構えてしまいがち。今日決めなければいけないのか。断るのが申し訳ない。このような緊張感から解放されて、もっと自由に自分の日常に引き寄せて、クルマを選びたい。
そんな想いから生まれたのが、他ブランド乗り比べできる「カージャニー(Carjany)」というサービスだった。
カージャニーの誕生は、ある「違和感」からだった。自動車業界の現場を長年見てきた、創業者であり代表取締役社長を務める渡邊裕太さん。彼が感じていたのは、日本の自動車市場における「売り手優位」の構造である。
特定のメーカーのみを販売するディーラーでは、他社との中立な比較が難しく、ユーザーが本当の意味で納得して選ぶ機会を損なっていたのだ。
そこで、どのメーカーにも属さない「中立・第三者的な場所」を構築すべく、2024年2月にカージャニーは立ち上がった。ブランドの垣根を越えて、複数のクルマを同じ場所で体験できるプラットフォームが完成したのである。
プロによる説得力のあるレクチャー
カージャニーの使い方は至ってシンプル。ネットで簡単に試乗予約を済ませて、後は選択した試乗会場へ向かうだけ。
だが、カージャニーの体験は、単に鍵を受け取って終わりではない。試乗前には、専門スタッフによる丁寧な車両説明が15分ほど行われるのがポイントだ。
最近のクルマはメーカーごとにシフトやパーキングブレーキ、スイッチの設置位置が異なっていて複雑。また、先進安全装備は非常に便利ではあるものの、初めて使う人にとっては戸惑ってしまいがちな一面もある。せっかくの試乗機会なのに、使い方がわからないのは実に勿体ない次第だ。
そこで、スタッフが具体的な使用方法やメーカーごとの操作の違いを試乗前にレクチャーする。ユーザーは安心して試乗体験ができるようになるのだ。
さらに、シートのアレンジ方法や、チャイルドシートの着脱、ラゲッジの使い勝手をはじめ、生活に直結するポイントもプロの視点から解説を行う。
試乗前の的確なインプットがあるからこそ、サービス利用者は「なんとなく乗る」のではなく、目的意識を持ってクルマを評価できるのだ。
また、レンタカーが単なる「移動の足」を貸し出すのに対し、カージャニーは「クルマを購入するための判断材料」という位置付け。
そのため、ターゲットは主に買い換えを検討している層に特化しており、店舗はクルマがないとアクセスが難しい場所に位置している。
そのほか、原則として利用者自身の自動車保険(他車運転特約など)や1日保険の利用を義務化。万が一事故が起きた際に、自らの保険負担が生じるというルールは、利用者に「自分のクルマと同じように大切に扱う」という意識を醸成させることが狙いだ。
選べるカージャニーのプランはバリエーションがとても豊かだ。
・平日1日/1車種利用:2750円~
・休日2日間/2車種乗り比べ:7700円~
・平日2日&休日2日/3車種乗り比べ:1万3200円~
リアル新婚夫婦がカージャニーを体験
そんなわけで、昨年12月に結婚式を挙げたばかりの船戸仁さんと若奈さん夫婦に、カージャニーを体験してもらった。現在の相棒は1台の軽自動車だが、週末のロングドライブでは、積載量や空間のゆとりに限界を感じ始めていた。
「扱いやすく、旅路もゆったりと楽しみたい」。そんな理想を抱くふたりがカージャニーで選んだのは、コンパクトSUV「ホンダWR-V」と「スズキ・フロンクス」だった。
出発前に、ふたりは真っ先に「旅の要」となるラゲッジルームを確認する。キャンプ道具や旅行カバンを積み込むシーンを思い描きながら、WR-Vの圧倒的な広さに 「これなら遠出の買い物も楽しみになるね」と若奈さんの声が弾んだ。
拠点となるイオンモール川口を背に、それぞれ約20kmの道のりへ。カタログのスペックをなぞる時間ではなく、日常をシミュレーションする時間だ。
「しなやかな乗り味のWR-Vに対して、フロンクスは装備類の新鮮さが際立ちますね」。ステアリングを握った仁さんは、それぞれの個性を噛み締めた。
「ニースペースの広さやシートの包容力は、WR-Vが一段上に感じます」と、助手席で細かな揺れや静粛性を確かめた若奈さんも、プロさながらの視点でその差を肌で感じ取っていた。
専門媒体でしか見ることのできなかった比較を、自らの手で生活に重ねて行う。迷いさえも楽しみながら答えを探すふたりの姿は、カージャニーが提示する、新しいカーライフのカタチを具現化したものだった。
親切なアフターフォローで広がるクルマ選びの拠点
試乗後も、カージャニーのサポートは継続する。試乗後に「どのクルマが自分たちに合っていたか」をスタッフとともに振り返ることができる。特定のメーカーに偏らないアドバイスを受けながら、家族会議を深められるのだ。
購入の意思が固まれば、信頼できる提携ディーラーの紹介も可能。体験後にクルマを購入した場合、最大3万円を上限に利用料をキャッシュバックする制度もあり、好みのクルマに出会うまで試した上で最終決定を下せる仕組みだ。
2024年のスタートからわずか2年。関東エリアから始まったこの潮流は、2026年4月にはいよいよ関西へと拡大する。イオンモールのような家族で訪れやすい場所に拠点を構えることで、クルマ選びをより身近で高揚感のあるサービスへと変えていく。
カージャニーが提供するのは、あなたの人生に寄り添う「最高のパートナー」を探し出す旅、そのものだった。
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みんなのコメント
試乗が必要/不要の人の割合が重要だとは思いますが、もっと気軽に多くの車種を試乗できるようになれば「車高が高いクルマの見晴らしって新鮮!」とか「アクセルを踏むクルマとの一体感は初めて!」のような新しい発見ができて、需要の掘り起こしに有効ではないか思います。