レッドブル・レーシング昇格の可能性も指摘されるRBの角田裕毅は、トップチーム移籍を実現させ、グランプリ勝利を重ねることができれば、母国日本のF1ファンを増やすことにも繋がるはずだと語った。
レッドブル・レーシング所属のセルジオ・ペレスがパフォーマンスに苦しみ、シート喪失が危ぶまれる中、姉妹チームのRBに所属する角田やダニエル・リカルド、そして陣営のリザーブドライバーであるリアム・ローソンらが後任候補として名前が挙げられている。
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今年でF1参戦4年目を迎えた角田は自身について、ドライバーとしての完成度が高まったと考えており、シニアチームへ昇格してマックス・フェルスタッペンとコンビを組む準備が整ったと公言している。
ただレッドブル上層部からは、メキシコからの絶大なサポートを受けるペレスやレースごとに“オレンジアーミー”がオランダから訪れるフェルスタッペンと比較して、角田へ対する応援の少なさを指摘する声も聞こえてくる。グッズ売り上げという点でペレスが“数字”を持っているというのも特筆すべきことだろう。
母国でのファンの多さは、トップチームにとって魅力的な選択肢となる要素のひとつか? motorsport.comの独占インタビューの中で角田にそう尋ねると、このような答えが返ってきた。
「そうですね……日本は(島国で)どの国とも地続きではないので、簡単なことではないと思います」
「メキシコはアメリカと繋がっていますし、ヨーロッパからもそれほど遠くないです。少なくとも直行便があります」
「日本は飛行機で19時間以上かかります。日本のファンにとっては、チェコ(ペレス)のファンのように、サーキットごとに何度も足を運ぶのは難しいんです」
「もちろん、僕のファンベースはチェコほどではないと思います。でも見ての通り、日本GPは年々盛り上がりを見せています。日本のTVでも、年々ファンが増えていると言われています。それは見ていてワクワクします」
優勝やタイトルを争うチャンスを手にできるレッドブルへの昇格は、もちろん角田個人にとってもまたとないチャンスになる。そして1987年に中嶋悟が日本人として初めてF1フル参戦を果たして以来、日本人のF1ウィナーやF1チャンピオンは誕生していない。それを目撃することは、日本のモータースポーツ界が待ち望んでいることだ。
角田自身も、トップチームのシートを掴み、グランプリ勝利を重ねるようになれば、自ずと日本国内からの注目度も高まり、それがファンベース拡大に繋がるはずと語った。
「確かに、余地はまだまだ残っています。しかし日本人は物事の背景を見るよりも、パフォーマンスや数字に重点を置いていると思います」
「レッドブルに行って、グランプリで優勝し、そこから何勝かできれば……そういうことは自然に変わってくると思います」
「将来的にファンを増やすようなことをやっていきたいですし、ファンベースが今よりもずっと大きくなることを願っています。でもまずは、レッドブルなど(のトップチーム)で、安定してトップ3とかに入ることを達成したいです」
角田裕毅「世界的には大谷選手よりも日本のF1ドライバーの方が有名」
日本のマスメディアで連日報道されているのは、アメリカ・メジャーリーグで大活躍する大谷翔平。今、日本で最も人気のあるアスリートといっても過言ではないだろう。
しかし角田は、現在のF1人気から「世界的には大谷選手よりも日本のF1ドライバーの方が有名だと思う」として、自身もF1のトップレベルで活躍することができれば、日本でも状況は変わってくると語った。
「日本人ドライバーで、例えば大谷選手のように(日本国内で)大きく取り上げられてきた人はいません。見ていてむず痒いことです」
「でも勝ち続けたりすれば、そうなってくると思います。TV番組の多くはゲストやリポーターを使うことが多いですが、リポーターの多くはF1をたくさん観ていた世代なはずです」
「そういう人たちが『F1で勝ち続けている日本人ドライバーがいるんだ』ということを知れば、自然と取り上げられることになると思います。正直にそう考えています」
「日本ではこれまで(F1ドライバーが大きく取り上げられるところを)見たことがありません。だから何とも言えませんが、僕はそうなることを願っています」
「でも今世界的にF1自体がすごく人気が高まっているので、日本でもそうなることが当然考えられます。実際、世界的には大谷選手よりも、日本人F1ドライバーの方が有名です。結局、ヨーロッパで大谷選手はあまり知られていないですし、(人気が非常に高いのは)日本やアメリカでのことだと思います」
そして、世界的にはF1が大きな存在と考えているかと角田に訊くと「そうですね。僕もそれを狙っています」と答えた。
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