レース用の「スリックタイヤ」ってどんなタイヤ?
タイヤにはさまざまな種類があり、ほとんどのものには「溝」があるものです。しかし、「スリックタイヤ」という競技用のタイヤには溝がありません。
バイクのタイヤと自転車のタイヤ、仕事は同じでもいろいろ違う!
では、なぜ溝がないのでしょうか?それは、溝がないことで路面との接地面積が増えて高いグリップ力が発揮できるためです。
グリップ力とはタイヤと路面との摩擦力のことで、滑らない力を表します。溝がないほうが滑りにくくなるのは、タイヤと路面の摩擦熱でタイヤの表面が溶けて、路面とタイヤの粘着力が上がるためです。路面とタイヤがくっつくことで、より地面と密着し滑りにくくなるというわけです。
またグリップ力が上がることで、速いスピードでカーブを曲がれる、急な進路変更にも対応できる、ブレーキをかけてから止まるまでの距離が短くなるなどのメリットがあります。
レースでは、直線はもちろん、コーナーも高速で走り抜けていかなければいけません。スリックタイヤはそれを可能にするため、競技用のタイヤとして採用されているようです。
そしてライダーの中には、「レースで使用するタイヤを公道でも使ったら速く走れるのではないか」と思う人もいるかもしれません。では、スリックタイヤで公道を走行してもいいのでしょうか?
より早いスピードで走行したい!スリットタイヤで公道を走るのは違反になる?
結論から言うと、公道でスリックタイヤを使用するのは違反です。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(国土交通省告示第 619 号)では、「接地部は滑り止めを施したものであり、滑り止めの溝(中略)は、タイヤの接地部の全幅(ラグ型タイヤにあっては、タイヤの接地部の中心線にそれぞれ全幅の4分の1)にわたり滑り止めのために施されている凹部のいずれの部分においても1.6mm(二輪自動車及び側車付二輪自動車に備えるものにあっては、0.8mm)以上の深さを有すること」と定められています。
また「この場合において、滑り止めの溝の深さについての判定は、ウエア・インジケータにより判定しても差し支えない」とも明記されています。
つまり、公道を走るバイクのタイヤには、路面に接地する4分の1以上の部分に、0.8mm以上の溝がなければいけないというわけです。
公道では溝のあるタイヤを使用しなければいけないと法律で決まっているのは、溝のないスリックタイヤで公道を走ると危険だからです。
危険になる理由は主にふたつ。
まずひとつ目は、公道ではスリックタイヤの性能が発揮されず、滑りやすくなってしまうためです。基本的にスリックタイヤは、タイヤの温度が高くなることでグリップ力が上がるため、レース前はタイヤを温めます。
しかし、公道では信号があり発進・停止を繰り返すのでタイヤが温まりにくいです。温めるために準備をするのは、公道で走るときには手間と時間がかかるので現実的ではありません。
スリックタイヤは公道では温まりにくく、滑りやすくなってしまうため危険性が増すのです。
そしてふたつ目の理由は、雨の日に使用ができないためです。スリックタイヤには溝がないため、雨の日はタイヤと路面の間に水が溜まってしまい「ハイドロプレーニング現象」が起きてしまいます。
ハイドロプレーニング現象が起きると、タイヤが浮いてしまいブレーキが効かなくなり、操縦が難しくなります。一般的なタイヤに溝があるのは、天候や路面状況に関わらず安定して走行できるようにするためです。
溝があれば雨の日でも、路面とタイヤの間に溜まる水が排出できます。公道を走っていると、通り雨や路面が濡れている場面に遭遇する可能性があります。その際、スリックタイヤを使用していると非常に危険です。
このように、天候や路面状況に左右されずに走るためにも、公道では溝のあるタイヤを使用する必要があるようです。
なお、もしスリックタイヤで公道を走行した場合は、「整備不良」とみなされる可能性があります。整備不良違反となった場合、違反点数2点に加え、2輪車は7000円、原付には6000円の反則金が科せられます。
※ ※ ※
スリックタイヤは、溝のない競技用のタイヤであり、公道では使用することができません。もしスリックタイヤを装着して公道を走行すると、整備不良と見なされるだけでなく滑りやすくなったりハイドロプレーニング現象が起きやすくなったりと非常に危険です。
またスリックタイヤでなくても、溝が0.8mm以下だと整備不良となります。バイクの溝が減っていると運転時の危険性が増すので、定期的に溝やひびの有無などを確認することが大切と言えるでしょう。
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みんなのコメント
でも路面温度もタイヤ温度も上がらないでグリップも期待できないんじゃ?やった事ないからわからんが。