この記事をまとめると
■WRCの覇者として誕生した2代目インプレッサは細かな年次改良で常に進化していった
A型・B型って……血液型じゃない! スバリストを購入時に悩ませる「アプライドモデル」って何?
■丸目・涙目・鷹目と呼ばれる各期型はそれぞれに異なる魅力をもつ
■改良の積み重ねが多様な個性を生み、ユーザーの好みもわかれている
モータースポーツでもっとも活躍した2代目インプレッサ
WRC(世界ラリー選手権)で勝利するために誕生したインプレッサWRXは、1995年、1996年、1997年と3年連続でマニュファクチャラーズチャンピオンに輝き、世界の頂点を極めた。2000年には、GD型(セダン)/GG型(ワゴン)と呼ばれる2代目が登場。とくにWRCをはじめ、モータースポーツの世界でも活躍したGDB型WRX STIは、販売開始から25年が経過した現在でも人気が高い。
GDBインプレッサは、初代のウィークポイントとされたボディ剛性の向上、ブリスターフェンダーの採用による3ナンバー化、マニュアルミッションの6速化、ブレンボブレーキの採用(一部グレードを除く)、環境性能の向上など、まさに大幅刷新されたモデルだ。
GDBの面白いところは、スバルならではのアプライドモデルと呼ばれる年次改良にある。登場初年度のA型(一部車種では例外的にB型から始まるモデルも存在する)から始まり、2代目インプレッサでは2007年式のG型まで存在する。
多くのスバル車が毎年改良を重ね、エクステリアの変更がある年もあれば、見た目にはわからない部分の変更まで、毎年さまざまな改良を施している。GD/GG系インプレッサでは、この改良ポイントが毎年大きく、進化のための改良でありながら、現在ではその細かな違いにより「自分好みのアプライド」として選ばれている。
GD/GG系インプレッサは、大まかに分類すると前期(A、B型)、中期(C、D、E型)、後期(F、G型)とされており、前期は愛らしい顔つきの「丸目」、中期は丸みを帯びつつもスポーティさを取り入れた「涙目」、後期は精悍な印象の「鷹目」と呼ばれる。
コアなファンが多い前期型「丸目」
登場時の「丸目」は、初代インプレッサのシャープな印象から大きくイメージを変更したことで、当時はスバルファンからも賛否両論が生まれたが、25年の時を経て、女性を中心に若いユーザーから支持されている。また、GDBのなかでは、不等長エキゾーストマニホールドによるドコドコという特徴的なサウンドを奏でるのも丸目のみ(GDA型と呼ばれるSTIではないWRXはG型まですべて不等長)で、独特なサウンドを好むファンからも人気となっている。
A型とB型は同じ前期丸目という括りだが、B型でフロントグリル形状、ヘッドライトベゼルカラーの変更、フロントエンブレムが「i」マークから六連星へ変更などにより、見た目の印象が異なる。また、フロントのクロスメンバー変更による剛性向上により、操縦性も異なる。
そしてB型のトピックといえば、コンペティションモデルのWRX STi type RA spec Cの追加だ。初代インプレッサと比べ、剛性向上と引き換えに増加した車重を徹底的に軽量化。ノーマルのWRX STiと比較して、16インチ仕様のスペックCでは、なんと140kgも軽量化! 17インチ仕様でも120kgの軽量化を果たしている。
パワーウインドウやオートエアコンといった快適装備はもちろん、サブフレームやトランクオープナー、アンダーコート、助手席のサンバイザーやアシストグリップのボルト穴までもオミットされ、グラム単位まで軽量化を追求。さらにはガラスやルーフ、トランクに至るまで薄板化することで、走りだけを追求した快適性とは無縁のストイックなモデルとして語り継がれている。
また、このスペックCをベースとしたSTiコンプリートカー「インプレッサS202 STiバージョン」が限定販売されたこともトピックだ。
大幅進化を遂げた中期型「涙目」
「涙目」と称される中期型は、C型、D型、E型と3年間にわたって製造されており、GDBのなかではもっとも販売期間の長いアプライドとなる。
涙目では、エクステリアに新デザインのフロントバンパー、フロントフードを採用。フロントフードは傾斜を強めることでボディ先端からフロントウィンドウまで連続感のある滑らかな形状とし、空気抵抗を低減したことで、インタークーラーダクト形状もGD系では最大のサイズとなっている。
ほかにも、フロントバンパーでは開口部の形状を変更し、冷却性能を向上。さらに配光特性に優れる大型ヘッドライトを採用し、暗いといわれた丸目のヘッドライトから照射性能を向上するとともに、リヤコンビネーションランプと一体感のあるデザインを採用した。細かな部分では、雨天走行時の鏡面の汚れ低減にも配慮した新デザインのドアミラーを採用している点も見逃せない。
インテリアはメーターパネルに、常時赤色発光式のレッドルミネセントメーターを採用。WRX STiは、イグニッションキーをオンにすると、メーターの指針が最大値まで上昇し速やかに戻るニードルスイープ機能も採用している。ほかにも専用小径ステアリングの採用など、スポーツ走行時の操作性を向上させた。
メカニズム面では、ツインスクロールターボの採用で、低回転域からの高いトルクと優れたアクセルレスポンスを実現したほか、4-2集合等長エキゾーストの採用で、排気干渉を抑制し、過給効率を向上している。さらに、アルミ合金製の高強度鋳造ピストンの採用をはじめ、シリンダーブロック、コンロッド、クランクシャフトなどの強度を向上させ、トルク向上に対する信頼性を確保。
そして、前期型ではスペックCにのみ装備されていたドライバーズコントロールセンターデフを、WRX STiでもオプションで選択可能とし、アクセル開度や車速、横Gなどの状況を検知し最適な前後トルク配分を行うオートモードも追加された。駆動系では、トルク向上に対応するため、トランスミッションの強度を高め、材質の変更などにより軽量化を実現。また、シフトリンケージなどの改良により操作性も向上している。
このほかにもさまざまな改良が実施され、C型ではフルモデルチェンジ並みの進化となった。
D型では大きな改良こそなかったが、ストイック一辺倒であったスペックCでWRブルーが選択可能となったほか、16インチ仕様車でもマニュアルエアコン、パワーウインドウ、集中ドアロックのオプション装備が可能となった。また、シートのスライドレバーがタオルバー式になるなど細かな改良は実施されている。
そして、中期型の集大成であるE型では、PCDを100-5Hから114.3-5Hへサイズアップ。同時にホイールリム幅が7.5Jから8Jへサイズアップしたことで、タイヤサイズも225mmから235mmへ拡大。このサイズに対応するため、リヤフェンダーの形状が拡幅されている。ほかにもDCCDへヨーレートセンサーを追加し、回頭性も向上している。
そして、このE型をベースとしたSTiコンプリートカー「S203」は、S202 STiバージョンのスペックCベースから、標準のWRX STiベースへ変更し、スパルタンな印象からスポーツプレミアムモデルへと路線変更したことも特徴的だ。
ちなみに、インテリアもデザインをリファイン。質感が向上しただけでなく、ドリンクホルダー位置の最適化など実用面も大幅に向上した。また、D型まではオートエアコンの吹き出し口はマニュアル選択式となっていたが、E型からは吹き出し口も自動選択が可能なフルオートエアコンへ進化している。
「鷹目」の後期型で円熟の域へ
「鷹目」で親しまれる後期型はF型からスタートし、再びエクステリアを変更。当時のスバル車の特徴でもあるスプレッドウイングスグリルを採用し、ヘッドライトは切れ長で精悍なマスクへイメージチェンジした。フロントに合わせ、リヤコンビランプのデザインも変更され、ひと目で後期型とわかる改良が施されている。
また、E型で進化した空力面をさらに進化させ、ルーフ後端に装着されるルーフベーンにより、リヤウイングの空力効果を最大限に発揮。リヤアンダー部にもディフューザーを追加するなど進化を遂げている。
メカニズムの面ではトルク感応型の機械式LSDを追加するとともに、電磁式LSD制御にステアリング舵角センサーを追加。より素早く緻密なトルク配分制御を行うことで、優れた旋回性能と操縦性を実現した。インテリアは、E型のデザインを踏襲しつつも、スピードメーターがフルスケール化されている。
F型でも、STIコンプリートカーのSシリーズとして「S204」を設定。ベースモデルの性能向上に加え、新たにボディダンパーを搭載するなど、しなやかさに磨きをかけている。インプレッサS203同様に、リヤスポイラーを専用としていることもあり、ベースモデルに装備されているルーフベーンが装備されていない点が外見での特徴だ。
最終型となるG型では、F型で完成の領域に達していたこともあり、ヘッドランプのベゼルをブラックからメッキに変更する程度にとどまる。ただ、WRX STIの新たなグレードとして「WRX STI A-Line」を追加。これは3代目のGR/GV型に設定されている同名のモデルとは異なり、トランスミッションは6速MTのみ、エンジンもWRX STIと同一のものとなる。
ただし、エクステリアでは大型ウイングやルーフベーンといったアイテムの代わりに、リヤリップスポイラーという小型のスポイラーを装備。フロントフォグランプを標準装備とし、シンプルな佇まいとなっている。インテリアもそれに合わせるよう、トリムカラーやシートカラーも専用の落ち着いたものとなっており、パワートレインこそ異なるものの、「大人のWRX STI」というコンセプトは3代目A-Lineへの布石として確立されていた。
このように、A型からG型まで、さまざまな改良ポイントにより仕様の異なるGDB型インプレッサだが、中古車を検討するユーザーには、その違いが進化だけにとどまらず、好みとして幅広く選択できる点も人気のポイントだ。
たとえば、性能面では等長等爆エキゾーストマニフォールドを採用するC型以降のモデルが有利ながら、「排気音は不等長が好み!」というユーザーには丸目が支持されている。ほかにもずっとスバル車に乗りつづけてきたユーザーは、愛用のホイールがPCD100であるがゆえに、あえてD型までのモデルを選ぶといった具合だ。
ちなみに筆者は、涙目のエクステリアが好きなことと、ホイールの選択肢が豊富なことから、E型が好みのアプライドだ。読者の皆さんの好みはどのGDBだろうか?
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ペターがWRCでワールドチャンピオンに輝いたのが懐かしい