12月5日、スーパーGT GT300クラスに参戦するつちやエンジニアリングの土屋武士代表は、自身のFacebookページのなかで、2020年にチームが使用するマシンについて、ポルシェ911 GT3 Rであることを発表した。
2015年にスーパーGTに復帰したつちやエンジニアリングは、GTアソシエイションが日本のものづくりを育てるために送り出した、GT300マザーシャシーを使って参戦を開始した。“職人”の創意工夫で戦ってきたマシンだが、11月のスーパーGT第8戦もてぎのレース後、土屋からマザーシャシーの使用が2019年限りになることが告げられていた。
スーパーGT:つちやエンジニアリングが2019年限りでの86 MC使用終了を発表。富士がラストラン
では2020年、チームは何で戦うことになるのか……!? すでにチームを支えるサムライサポーターズには車種が報されていたが、『25』に絡めた12月5日、土屋自身のFacebook内で、来季の車種が明らかにされた。2019年に世界的にデリバリーがスタートしたGT3カー、ポルシェ911 GT3 Rだ。
いったいなぜポルシェなのか……!? 土屋によれば、長いモータースポーツの歴史のなかで、スポーツカーレースを支え続けるポルシェがプライベーターの“味方”であったこと、そして土屋自身もポルシェをドライブした経験が多く、「僕自身がポルシェのファン」ということが挙げられる。スーパーGTでも、チームは過去にポルシェを走らせている。
「僕自身がポルシェのファンということもありますが、プライベータ-の味方として長い歴史がポルシェにはあり、正直、うちのような資本のないチームが選べるGT3車両はポルシェかもうひとつくらいしかないのが現状です」と土屋。
「ならば、その歴史を感じられるポルシェを、若いメカたちに経験してもらいたいというのが、選択の決め手になった理由のひとつです」
2019年から世界各国のチームに活用されているポルシェ911 GT3 Rは、WEC用の911 RSRのようにミッドシップではなく、リヤエンジンのレイアウトは変わっていないが、フロントのダウンフォースを大幅に増しており戦闘力は非常に高い。土屋が評するように価格の面でも性能の面でも魅力がある。
当然ながら、チームが目指すものは『マザーシャシー2』の開発にある。しかしその間、つちやエンジニアリングが“あり続ける”ためのニューウェポンこそが911 GT3 Rだ。ライバルたちと“対等”の条件で、いったいどんなレースが展開されるだろうか。
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