現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 日本の角田裕毅らは例外だけど……F1ドライバーが”地中海の宝石”モナコ公国に住む6つの理由

ここから本文です

日本の角田裕毅らは例外だけど……F1ドライバーが”地中海の宝石”モナコ公国に住む6つの理由

掲載 16
日本の角田裕毅らは例外だけど……F1ドライバーが”地中海の宝石”モナコ公国に住む6つの理由

 モナコ公国には現在F1グリッドに名を連ねる20名のドライバーの多く、そしてメルセデスF1のトト・ウルフCEO兼代表などが居を構えているが、彼らを引き付ける理由は免税というメリット以外にもある。

 バチカン市国に次いで世界で2番目に小さな国家であるモナコの総面積は2平方km強で、かろうじてイギリス・ロンドンのハイドパークより広い程度だ。そこに建物がひしめくように立ち、人口は約4万人。そのうち4分の1がモナコ生まれで、シャルル・ルクレール(フェラーリ)もそのひとり。そして人口の3分の1が億万長者だ。

■【F1長者番付】億万長者があちこちに! 世界有数の”大富豪”が集う世界一のモータースポーツ

 またモナコはその小ささにもかかわらず、いくつかの地区に別れ、それぞれが独自のスタイルを持っている。モンテカルロが最も広く知られているが、その他にもラ・モネゲッティ、コンダミーヌ、フォンヴィエイユ、ラルボット、モナコ-ヴィルなどがあり、これらの地区の平均的な不動産価格は、ロンドンの高級住宅街メイフェアの2倍にもなる。

 もちろん、フランス出身のピエール・ガスリー(アルピーヌ)や日本出身の角田裕毅(レッドブル)がイタリア・ミラノに自宅を構えているなど、モナコ以外の地域を拠点とするF1ドライバーもいる。

 しかし現役F1ドライバー20名のうち8名がモナコ在住者。ルクレール、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、カルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)だ。

 モナコ在住F1ドライバーの自宅の住所はもちろん極秘だが、モナコでは時折、フィアット500ジョリーに乗るノリスの姿や、子犬のレオと街を散歩するルクレールの姿などが目撃されている。

 かつてF1を走っていたドライバーたちも同様だ。幼少期からモナコに住んできたニコ・ロズベルグや、1995年から2020年までコロンブス・ホテルのオーナーを努めていたデビッド・クルサード、ジェンソン・バトン、ミカ・ハッキネン、リカルド・パトレーゼ、ストフェル・バンドーン、ダニール・クビアト、アントニオ・ジョビナッツィ、ポール・ディ・レスタ、そして最近までF1を走っていたバルテリ・ボッタスやダニエル・リカルドもモナコを拠点とした。

F1ドライバーがモナコに住む理由とは?

1. フィットネス

 多くのドライバーが自宅にホームジムを持っているが、街中には多くのプライベートジムがあり、他のF1ドライバーの隣でトレーニングすることは避けられる。例えば、ルクレールは毎日のように地元のジムへ通っている。

 しかしトレーニングの質を格段に引き上げるのは、素晴らしい天候と雄大な景色だ。丘陵地帯や海岸沿いの曲がりくねった小道や道路を定期的にサイクリングやランニングをするドライバーも多い。

 また、リカバリーのためのスパもたくさんあり、炎症緩和を抑える冷却療法クライオセラピーを実践しているドライバーもいる。ちなみにルクレールはモナコのテルム・マランに定期的に通っている。

2. ライフスタイル

 住居は高額かもしれないが、F1ドライバーの年俸であれば、豪華絢爛かつ素晴らしい港の景色を自宅のバルコニーから眺めることも可能だ。

 かつてはサーキット上でのライバル関係が響き、日常生活でも険悪なケースがあったが、現在のドライバーの多くは仲が良く、サーキットで競い合っていない時は“ご近所さん”として生活している。

 モナコの街に繰り出せば、もちろん財布がお札でパンパンなら、最高峰の料理を楽しむことができる。ル・ルイXV-アラン・デュカス・ア・ロテル・ド・パリ、ラ・ターブル・ダントニオ・サルバトーレ・オ・ランポルディ、パヴィロン・モンテカルロなど、ミシュランの星付きレストランが数多くある。

 多くのドライバーは地中海へ繰り出し、モナコの小さな湾ではジェットスキーが楽しめる。ヨットハーバーはふたつあり、ルクレールは自身のヨットでクルージングを楽しんでいる。

 また、街の背後にある山間部はドライブに最適な道路があり、フェルスタッペンは鬼才エイドリアン・ニューウェイが手掛けたアストンマーティン・ヴァルキリーを含む高級スーパーカーコレクションを楽しむことができる。

3. プライバシーとセキュリティ

 奇妙に聞こえるかもしれないが、モナコはF1ドライバーにちょっとした平穏を与えてくれる。独自のプライバシー法が敷かれ、プロの写真撮影には厳しい制限があり、フォトグラファーたちは政府から書面による明示的な許可を得る必要があるのだ。そのため、ドライバーたちはパパラッチに邪魔されることなく街中を出歩くことができる。

 実際、モナコはしばしば世界で最も安全な国のひとつに挙げられる。警察の数はイギリスの7倍と言われ、CCTVカメラが至る所に設置され、人々の一挙手一投足を監視している。

それでも免税は素晴らしい?

4. ロジスティクス

 モナコの立地は世界中を飛び回るF1ドライバーのライフスタイルに理想的で、プライベートジェット機のネットワークが充実しているフランス・ニース空港から約24km。7分で行けるヘリポートもある。

 そして毎年F1がモナコにやってくることも、もちろん街に住むドライバーたちにとっては、レース週末の間も自宅に戻り、くつろぐというユニークな体験を楽しむことができる。

 ヒュルケンベルグは以前、モナコに自宅を構える利点について「いつもの日常が変わるのは良いことだ。毎晩、そしてセッション間に家へ帰るのはちょっと不思議な感じだけど、心強いよ」

5. 気候

 モナコの天気は1年を通して最高だ。冬は穏やかで日差しが強く、夏は暖かく快適で、空調の効いたアパートやプライベートプール、透き通った地中海など、涼む場所が沢山ある。

 この地域には独自の微気候があり、年間日照日数は300日を超え、冬の気温が10度を下回ることはなく、夏の気温は30度前後と快適だ。

6. タックスヘイブン

 モナコに住む本当の利点を最後に紹介しよう。これまでに挙げてきた5つの要素は素晴らしいライフスタイルを約束してくれるが、他の場所でも同様に実現可能ではある。モナコでの生活でユニークなのが経済的なメリットだ。

 モナコに移り住む場合、物件に申し込むだけで50万ポンド(約9500万円)の資金が必要で、税制上の優遇措置を受けるためには、毎年6ヵ月と1日は実際にモナコに住む必要がある。また、隣国フランス出身者は税制優遇措置の恩恵を受けることができない。

 ただ、これらの条件を満たした場合、モナコ政府は所得税、富裕税、地方税、固定資産税、キャピタルゲイン税を課さない。

 ノリスは「恐らくみんなが予想しているような理由」でモナコに住んでいるとして、「多くのドライバーがそうしようとしているし、特にレースというのは……多くのドライバーを見てきて分かると思うけど、事態の悪化も早いんだ」と説明した。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「V10エンジン大好き」と公言するフォーミュラE代表。それでも電動化を推し進める理由……次世代ファンのためなら角田裕毅や大谷翔平も呼び込む?
「V10エンジン大好き」と公言するフォーミュラE代表。それでも電動化を推し進める理由……次世代ファンのためなら角田裕毅や大谷翔平も呼び込む?
motorsport.com 日本版
キャデラックF1、来季新規参戦に向けて準備も加速。体制強化やPU開発、ドライバー選考も進む
キャデラックF1、来季新規参戦に向けて準備も加速。体制強化やPU開発、ドライバー選考も進む
motorsport.com 日本版
イモラ、今年でF1開催契約終了も“サンマリノGP復活”でカレンダー生き残りを賭ける。母国スター誕生が追い風に?
イモラ、今年でF1開催契約終了も“サンマリノGP復活”でカレンダー生き残りを賭ける。母国スター誕生が追い風に?
motorsport.com 日本版
MotoGPフランスGPの開催サーキットはル・マン24時間でお馴染み……でもフルコースじゃないのはなぜ?
MotoGPフランスGPの開催サーキットはル・マン24時間でお馴染み……でもフルコースじゃないのはなぜ?
motorsport.com 日本版
フォーミュラE東京E-Prixの未来はどうなる? シリーズCEO「ナイトレース開催の可能性についても東京都と協議」
フォーミュラE東京E-Prixの未来はどうなる? シリーズCEO「ナイトレース開催の可能性についても東京都と協議」
motorsport.com 日本版
F1開催契約まとめ|どのサーキットがどれくらいF1カレンダーに残る? ニューカーマーと伝統グランプリのせめぎあい
F1開催契約まとめ|どのサーキットがどれくらいF1カレンダーに残る? ニューカーマーと伝統グランプリのせめぎあい
motorsport.com 日本版
【独占】フォードに聞く、レッドブルとのPU開発の進捗。社内目標は概ねクリアか……ただ敵陣の動きは未知数
【独占】フォードに聞く、レッドブルとのPU開発の進捗。社内目標は概ねクリアか……ただ敵陣の動きは未知数
motorsport.com 日本版
”悪態”もライダーの個性のひとつ? FIAの取り締まりとは正反対、基本原則を貫くMotoGP
”悪態”もライダーの個性のひとつ? FIAの取り締まりとは正反対、基本原則を貫くMotoGP
motorsport.com 日本版
アメリカで大人気のF1、でも地元ドライバーは不在……かつてサージェント起用したウイリアムズ「必要なのは国籍じゃない。絶対的スターだ」
アメリカで大人気のF1、でも地元ドライバーは不在……かつてサージェント起用したウイリアムズ「必要なのは国籍じゃない。絶対的スターだ」
motorsport.com 日本版
ローカルニュープレイス、いつものその先へ出かけよう。
ローカルニュープレイス、いつものその先へ出かけよう。
グーネット
昔の「アメ車」のイメージが払拭できない日本! トランプ大統領の悲願は「BEV」なら可能性アリ!!
昔の「アメ車」のイメージが払拭できない日本! トランプ大統領の悲願は「BEV」なら可能性アリ!!
WEB CARTOP
生産台数は29台の希少なポルシェ「959シュポルト」の相場は約7億8300万円から!
生産台数は29台の希少なポルシェ「959シュポルト」の相場は約7億8300万円から!
Auto Messe Web
2026年新規則でも、F1チームの悩みの種は重量か。現行マシンから32kg減は“無理ゲー”?……「本当に難しい」とチーム代表口を揃える
2026年新規則でも、F1チームの悩みの種は重量か。現行マシンから32kg減は“無理ゲー”?……「本当に難しい」とチーム代表口を揃える
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、偽名を使ってGT3のテストに潜入!? フェラーリ296をドライブ
フェルスタッペン、偽名を使ってGT3のテストに潜入!? フェラーリ296をドライブ
motorsport.com 日本版
FIA、暴言に対するペナルティ軽減を決定。競技規則を一部改訂……オフィシャルへの暴言は厳罰
FIA、暴言に対するペナルティ軽減を決定。競技規則を一部改訂……オフィシャルへの暴言は厳罰
motorsport.com 日本版
ハースF1オコン、トヨタGRヤリスの”セバスチャン・オジェ”仕様車の納車を報告「ずっと欲しいクルマだったんだ」
ハースF1オコン、トヨタGRヤリスの”セバスチャン・オジェ”仕様車の納車を報告「ずっと欲しいクルマだったんだ」
motorsport.com 日本版
WEC第2戦イモラはフェラーリが凱旋優勝! 地元のロッシも大人気でした!【池ノ内ミドリのジャーマン日記】
WEC第2戦イモラはフェラーリが凱旋優勝! 地元のロッシも大人気でした!【池ノ内ミドリのジャーマン日記】
LEVOLANT
マリンスタジアム移転 幕張メッセの「巨大駐車場」なくしていいの? どう考えても「渋滞」する、これだけの理由
マリンスタジアム移転 幕張メッセの「巨大駐車場」なくしていいの? どう考えても「渋滞」する、これだけの理由
乗りものニュース

みんなのコメント

16件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村