この記事をまとめると
■新型フォレスターの2グレードに公道で試乗
「ドコドコいわなきゃスバルじゃない」派もけっこういるのよ! スバリストを陶酔させる不等長サウンドのSUBARU車厳選5台
■ハイブリッドとターボは走りの特性がハッキリと異なる
■S:HEVでは厳しい悪路も走行したが本物の悪路走破性をもっていた
どちらも素晴らしい上質さ! ハンドリングは個性クッキリ
スバルの主力SUV「フォレスター」が大きく生まれ変わった。今回は新型フォレスターの2モデル、すなわち新たに搭載されたストロングハイブリッド仕様(S:HEV)と、従来型から進化し搭載された1.8リッター直噴ガソリンターボエンジン仕様の比較試乗を行った。一般道、高速道路と、環境を変えながら走り込むことで、それぞれのパワートレインがもつ特性とAWDの熟成度を解説していこう。
まず新型フォレスターの基本構造を見る。プラットフォームは引き続きSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用。高剛性でさらに衝突安全性を高め、高いバランスを実現した骨格である。そのうえで車体重量の増加を最低限に抑えている。S:HEVでは1780kg前後、ガソリンターボモデルは1700kg台となっており、見た目同様、その内容は大幅に刷新されている。特筆すべきは、最低地上高がS:HEV、ガソリンターボとも220mmと大きく設定されていることだ。これは、スバルが「本物のSUV」としての走破性にこだわっている証しである。
今回試乗したS:HEVモデルは、88kW/270Nmを発するハイパワー駆動モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせた本格的な電動化パワートレインとして構成されている。スバルがトヨタとの技術協業により開発したユニットにはトヨタの誇るTHS II(トヨタハイブリッドシステム)同様の動力分割機構が採用されており、シリーズ/パラレル方式のフルハイブリッドとして機能する。組み合わされるエンジンは2.5リッター水平対向4気筒直噴で、従来のトランスミッション部に強力なジュネレーターモーターと駆動モーターが直列に配置されている。
対する1.8リッター直噴水平対向4気筒ターボは、ストイキ領域とリーンバーン燃焼の制御をより緻密化し1600rpmから3600rpmまで最大トルクの300Nmを引き出せるトルク特性に仕上げられた。これにリニアトロニックCVTが連結され、S:HEVと共にプロペラシャフトを介してリアアクスルにもトルクを伝達するAWDとして仕上げられている。
まず一般道におけるインプレッションから始めよう。S:HEVは、EVモードでの発進が可能で驚くほど静粛かつ滑らか。駆動モーターの最大トルク270Nmはアクセルの踏み加減で自在に引き出せるので車重を感じさせない軽快なドライバビリティを示す。エンジン介入のタイミングは車速やアクセル開度で異なるが、クランクシャフトと同軸のジェネレーターモーターがセルモーターに変わりエンジンを始動させるので、振動もなく極めてスムースに移行する。EVモードを備えることで走行ノイズの低減が図られており、ロードノイズやエンジン音の侵入も限定的で、静かで重厚な乗り味となっている。
一方、ガソリンターボはアクセルレスポンスが向上し、低速からトルクピックアップに優れていてS:HEVに対して見劣りしない。0-100km/h発進加速タイムはメーカー公表値だとS:HEVが9.6秒。ガソリンターボは8.6秒と、共に従来モデルの12.2秒を大幅に上まわっているという。ただ一般道においてはアクセル開度が少なく、市街地のドライバビリティという面では電動モーターのトルク制御にメリットが感じられる。とはいえ、ガソリンターボに組み合わされるCVTのリニアトロニックトランスミッションは低速ギヤのホールド制御が強化され、とくに平坦路での差は感じにくいレベルに仕上がっていた。
ステアフィールについては差が明瞭である。S:HEVは電動化ユニットの重量配置が功を奏し、低重心感とコーナリング時の落ち着きが際立つ。SUVとしては非常にバランスがよく、ロールの初期応答もマイルドだ。これに対し、ガソリンターボAWDは明らかに軽量でアジリティに富む。共にデュアルピニオンのパワーステアリングが装着され、これが抜群の操舵フィールを提供してくれる。轍や路面のアンジュレーションからの影響を最小限に抑え、ライントレース性に優れている。
S:HEV車は19インチ(Premium)、ガソリンターボ車は18インチのタイヤ/ホイールが装着されており、ガソリンターボには日立Astemo製の超飽和ダンパーが4輪に装着されており、乗り心地のソフトさにおいてはガソリン・ターボが好印象。S:HEVの18インチ仕様(X-BREAK)も試してみたいところだ。
ガチの悪路を走行してわかったフォレスターの本物っぷり!
次に高速道路での安定性を見てみよう。100km/h前後の巡航では、両モデルとも直進安定性に不安はなく、SGPシャシーの精度とアイサイトの制御が相まって、ドライバーの疲労を確実に軽減してくれる。電動モーターのアシスト範囲であれば追い越し加速もラク。一方、ガソリンターボは加速の際にエンジンが一定回転数でトルクを出し続けるが、旧来のエンジン回転の先走り感はなく、遮音性も好作用し快適な乗り味で好感が持てる。CVTといえどもロックアップ領域が拡大し、トルコンAT車と遜色ない作動感覚で許容できる。
次に今回の試乗トピックスとしてS:HEVモデルのオフロード性能を悪路で試す。X-MODEの制御を装備し岩場やぬかるみといった低μ路面での駆動力確保は秀でているが、今回のテストコースではそれを必要としないほどAWDシステムの完成度が高いことがわかった。
スタートポイントは斜度10%の急勾配であるが、苦もなく走り始める。モータートルクが強力なのでエンジンは始動しなくても速度を上げていけるほどだ。比較に旧マイルドHEVのモデルも走らせたが、駆動力制御の力強さ、スムースさは新型のS:HEVが圧倒している。
大きな岩石がゴロゴロ転がっているパートや轍、穴など路面コンディションは最悪に近いが、最低地上高220mmの圧倒的なクリアランスが路面を選ばず、デュアルピニオンパワーステアリングの効果でキックバックは皆無で直進性もライントレース性にも優れ、快適性まで感じられるほどだった。
THS IIシステムのS:HEVと機械式プロペラシャフトで連結される4輪駆動はトヨタにも他社にもない。待望の組み合わせとなってスバルで実現されたのである。
燃費と経済性についてはWLTCモードでの燃費はS:HEVが圧倒的に優位で、実走行でもつねに16km/L前後を示していた。これに対し、ガソリンターボは13km/L程度。その差は明確であり、ランニングコストを重視するならばS:HEVを選ぶメリットは大きい。
ただ後ろから見たマフラーの配置がS:HEVは1本出しで貧弱。ガソリンターボは左右2本出しで見た目のバランスがいい。
フォレスターはまたユーティリティの面でも秀でている。足もとの広い後席にもエアコン吹き出し口やUSBポート、3段階リクライニング機構が備わり、シートヒーターは全席に装備。そしてフルフラットになるラゲッジスペースも使い勝手が極めていい。それはS:HEVもガソリンターボも変わりないのだ。
AWDで使える本格的SUVのフォレスター。世界中で再び人気を博すのは確実だ。
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みんなのコメント
北米で先行したものがA型モデルとなっております。
スバルは燃費がネックとなっていたので、今回のストロングハイブリッドに注目が集まるのは当然のことだと思います。燃費にこだわるなら、トヨタのハイブリットに乗ればいいだけのことです。
個人的にはリコールなんて何回あっても良くて、新鮮味のあるうちに買える方が嬉しい。
今乗ってる現行レヴォーグはリヤダンパー、エンジン、ステアリングコラムアッシーをリコールや不具合対策で交換してる。
特に交換したエンジンは桐生工業のリビルト品なんだけど、これが凄くトルクあって良い感じ。
因みに過去も含めて一回も故障は無いんだけど、全て対象ロットと言う理由で予防的処置の交換
フォレスターはターボかハイブリッドかで悩み中。
ハイブリッドが欲しいと思っていたけど、ターボの峠道の身軽感は魅力的。
峠道に関しては間違い無くレヴォーグより気持ち良い