かつて世界中で行われた自動車ショーに近い形態
今年のジャパンモビリティショーは『ワクワクする未来を、探しに行こう!』がコンセプトだった。
【画像】IAAで登場したフォルクスワーゲンID.ポロとジャパンモビリティショー2025で登場したAMG GT XX! 全70枚
これだけを聴くと、前回のジャパンモビリティショーとあまり内容が変わらないようにも思えるが、個人的には、電動車か否かに関わらず走りを楽しむための自動車が主体で、ここにミニバンが華を添えているように思えた。その意味でいえば、かつて世界中で行われた自動車ショーに近い形態だった。
こうしたショーのあり方は、主催者自身が志向した方向性であったと同時に、世界的なエンジン車への揺り戻しが影響したともいえる。
そうした時代の変化は、IAAとジャパンモビリティショーに出展する自動車メーカーの数にも如実に反映されていた。
今年のIAAに出展した欧州の自動車メーカーはメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン・グループ、BMWグループくらいで、あとはオペルとボルボが小さなブースを構えていた程度。それ以外の自動車メーカーはいずれも中国系ばかりだった。
一方のジャパンモビリティショーには日本車メーカーのみならずメルセデス・ベンツ、BMWグループ、ヒョンデ、BYDなどが出展。IAAよりもずっと国際色が豊かなように思えた。
こうした違いを目の当たりにして、私はふたつのことを再確認した。
ひとつは、なんだかんだいって、元気に走る楽しそうなクルマが多くの人々から愛されているということ。そしてもうひとつは、自動車ショーというフォーマットにマッチしているのは、そうした『元気に走る楽しそうなクルマ』であることだ。
いずれにしても、ジャパンモビリティショーがいち早くそうした方向性を捉えて会場に熱気を取り戻したことが嬉しかったし、そうしたジャパンモビリティショーの姿を評価して海外の自動車メーカーや取材陣が数多く訪れたことも日本人として誇らしかった。
フォルクスワーゲンCEOが語るゴール
そうした中、ジャパンモビリティショーにあわせてドイツ自動車産業界からふたりの要人が来日し、日本のメディア関係者の取材に応じてくれたので、その様子を紹介しよう。
ひとりは、フォルクスワーゲンのCEOであるトーマス・シェーファー。彼は日本人メディアを対象とするグループインタビューの冒頭でこう挨拶した。
「3年前にCEOに就任したとき、私はひとつのゴールを設定しました。それは、フォルクスワーゲンというブランドをかつてない高みに押し上げる、というものです。フォルクスワーゲンは伝統的に高い評価を得てきました。その理由はデザイン、品質、使い勝手、ユーザーエクスペリエンスなどにあったと考えています。
先のミュンヘン・モーターショーでは、電動の都市型ファミリーカー(ID.ポロならびにID.クロス)をご紹介しましたが、これらは真のフォルクスワーゲンであり、何百万人もの人々にお届けできるものと信じています」
私は以前、フォルクスワーゲン・グループのトップがヘルベルト・ディースからオリバー・ブルーメに代わったことで、フォルクスワーゲンはコスト重視から品質重視へと大きく舵を切り、その姿勢が市場でも高く評価され始めているとの主旨の記事をAUTOCAR JAPANに寄稿した。
このブルーメの命を受けてフォルクスワーゲンの改革に取り組んでいるのがシェーファーなのである。そして、ブルーメの意向を汲んで開発されたEVの第1弾が今年3月に発表されたID.エブリー1であり、これに続く形でID.ポロとID.クロスが登場したと理解している。
コスト削減を製品のクオリティ改善に役立てる
なお、これまでのID.シリーズが後輪駆動もしくは4輪駆動であったのに対し、フォルクスワーゲンの新世代ID.シリーズはいずれも前輪駆動とすることで、スペース効率とコスト効率を改善。内外装も質の高いものとして従来からのフォルクスワーゲン・ファンに強くアピールしようとしている。
シェーファーの経営方針で特徴的なのは、会社運営の効率化を図ってコスト削減に努め、それを製品のクオリティ改善に役立てようとしている点にある。
「フォルクスワーゲンは技術で業界をリードする量産メーカーとなることを目標として掲げています」とシェーファーCEO。
「これを実現するため、これまでで最大規模となるコスト関連の協定ならびに今後の方針について労働協議会と合意し、ドイツの工場におけるコストを20%削減することができました。また、社内の委員会や会議の数を1/3に減らし、組織をスリム化しました。さらには2030年までに自発的に退職することに従業員の数は2万人に上っており、(経営効率化の)計画は順調に進んでいます」
一方で製品の改良はどのような形で表れてくるのだろうか?
「これは主にユーザーエクスペリエンスとデザインの面で感じ取っていただけると思います。このうちユーザーエクスペリエンスについては、クルマに座った瞬間にどう操作すればいいかが直観的にわかることが大切です。
CEOに着任した3年前、私はステアリングに物理スイッチを戻そうと提言しました。この時、私は『なにを言っているのか?』と非難されるかもしれないと思っていましたが、実際には『ようやく、自分たちが思っていたとおりになる』という反応が中心でした。
インテリアについては、ID.ポロ以降のモデルで本物のフォルクスワーゲンと受け止めていただけるような素材を採用していますので、どうぞ楽しみにしていてください」
メルセデスAMGのCEOが語る方向性
もうひとりの要人は、メルセデスAMGのCEOであるミヒャエル・シーベである。
メルセデス・ベンツはジャパンモビリティショーに新型CLA、新型GLC、ビジョンVなどを展示。輸入車メーカーとして積極的な姿勢を示した。中でも興味深かったのがメルセデスAMGにとって初のEVとなるコンセプト『AMG GT XX』だ。
3基のアキシャルフラックスモーターを装備して実に1360psを発揮し、たった5分の充電で約400kmの走行が可能なバッテリーを搭載するというハイパフォーマンスぶりで話題を呼んだ。
その一方で、シーベは新しい排ガス規制(おそらくユーロ7のことだろう)に適合するV8エンジンを開発中であるとも明言。電動車だけでなくエンジン車も継続して生産する意向を明らかにした。
さらにシーベは今後AMGが目指していく方向性について次のように語った。
「お客様がAMGをお買い求めになる理由は、主に3つです。第1はスポーティなエクステリアデザイン。そこで2026年以降に発表する新型車は、これまで以上にメルセデス・ベンツと異なるデザインを採用することになります。そして第2の理由はパワフルであり、第3の理由は強い(strong)であることと捉えていますが、このふたつに大きな違いはないでしょう。
言い換えれば、エンジン車であろうとEVであろうと、パワフルでストロングであることが重要ということになります。ここで私たちが重視しているのは、エンジン車であろうとEVであろうと、AMGであれば同じ感動を引き出せる点にあります。
例えばAMGのエンジン車であればシートポジションは低く設定されています。したがって、フロア下にバッテリーを搭載するEVであっても、AMGであればシートポジションは低くあるべきだと考えています」
ふたりの発言を聞いていて共通していると感じたのは、今後、どれだけ電動車が普及していこうとも、ユーザーがクルマに期待する価値観は大きく変わらないというもの。
それらはデザインやクオリティ、そしてユーザビリティであり、力強い走りが楽しめるという点に集約できるだろう。そして今年のジャパンモビリティショーが成功裏に終わったのは何よりも、各自動車メーカーがこの点を重視してショーに参加したことにあったように思うのである。
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