F1は全24戦で争われる2026年のカレンダーを先日発表したが、インディ500とカナダGPの日程が衝突してしまった。ただこれは、今後毎年起こることではないようだ。
発表されたカレンダーを見ると、スペインGPはバルセロナ・カタルニア・サーキットから、マドリードのマドリンクに開催地が変更。イモラでのエミリア・ロマーニャGPに代わり、そのバルセロナでのレースも行なわれる。
■イモラ・サーキット、2026年F1カレンダー脱落も「決して最終決定ではない」と復帰目指す
また開催地の近いレースは近い時期に行なうという集約化が一歩進み、カナダGPの開催がマイアミGPの次戦に前倒しに。そして例年5月に行なわれていたモナコGPは6月第1週の6月7日決勝へと時期が変更されている。
カレンダーの全容が発表される前、すでに発表されていたモナコの日程移動はインディカーにとって心強いニュースのように思えた。F1モナコGPと同じく、世界3大レースのひとつに数えられるインディ500は5月の第4週に開催されており、これまでモナコGPと日程が被ることが多かったからだ。
F1が同じ週に開催されることがなければ、国際的なメディアのインディ500への注目度も高まるだろうし、注目度の高いドライバーが出場する可能性も出てくる。
しかし蓋を開けてみれば、モナコGPではなく、同じタイムゾーンで開催されるカナダGPとインディ500が同じ週末に設定されてしまった。これは熱心なモータースポーツファンにとっても頭痛の種になるだろう。
だがmotorsport.comの調べによると、この日程衝突は新たなカレンダーの常識ではなく、むしろ例外であるようだ。カレンダーの”浮き沈み”によって5年に1度しか日程衝突は起こらない見込みで、2027年はF1カナダGPはインディ500の前の週末に開催される予定だという。
カナダGPを5月に移動させることで、FOM(フォーミュラワン・マネジメント)はカナダGPをマイアミGPに近づけるという長年の目標を達成した。
フロリダからケベックへ、ヨーロッパに戻ることなく貨物の大部分を直接輸送できるようになったことは、物流費の削減だけでなく、F1がネットゼロ・キャンペーンに取り組む上で恩恵がある。しかしシリーズとしては、2つのラウンドを今の妥協点よりももっと近い日程で開催したかったはずだ。マイアミGP決勝は5月3日に開催される予定であり、カナダGPは前述のように5月24日決勝。2週間の空白があるのだ。
つまり、CO2排出量や貨物の流れは改善されるものの、関係者は2度ヨーロッパとアメリカを行き来することになるだろう。
カナダGPが開催をできるだけ遅くすることにこだわる最大の理由は、主にオペレーション上の理由だ。モントリオールに旅行したことのある人なら分かると思うが、5月の天候はかなり不安定。レースが前倒しされるたびに、激しいスノーストームに見舞われることも珍しくない4月のように、悪天候や低気温に見舞われるリスクが高まる。
そのため、大会運営に必要な準備期間も削られることになる。加えてカナダGPはここ数年、大会運営上の問題がいくつか発生しているが、主催者側は今週末の大会での解決を望んでいる。またカナダGPはチケットの売れ行きをめぐって競合が起きることを懸念し、マイアミとの連続開催をためらっていたとも言われている。カナダGPの開催時期は妥協の産物なのだ。
インディ500はF1カナダGPよりも1時間以上早くスタートするが、レース時間はより長いため、まさに丸かぶりとなってしまう。だが実際のところ、F1はあまり気にしていないようだ。まさに今週末、ル・マン24時間レースとカナダGPの日程が被っていることもその一例だろう。
結局のところ、大多数のテレビ視聴者は自分の好きなイベントを選ぶだけであり、本当に影響を受けるのは一部のコアなファンである。
インディ500との日程衝突は、F1の人気が沸騰している北米での視聴者を失うことを意味するだろう。しかしカレンダーをスリム化するという全体的な目標のために支払う価値のある代償のように思える。
9月開催のスペインGP、準備のために最大限の時間
興味深いことに、マイアミとモントリオールの間に2週間の空白期間があるため、新しくスペインGPを開催するマドリンクの準備が整わない場合、別のレースを開催する余地が残されているようだ。
マドリングの着工には時間がかかり、2026年にイモラで引き続きレースを開催するかもしれないという懸念もあった。
しかしようやく建設が進んでいるように見える今、その懸念は和らいでいる。そもそも、主催者側が長い時間をかけて合意したカナダGP開催時期変更の要点は、マイアミの後にヨーロッパに戻ることではなかった。
だが6月14日決勝のバルセロナ(グランプリ名未定)をマドリードの開催枠に移し、イモラを6月に復活させるという緊急代替案もある。
スペインGPは9月13日に開催され、その1週間前に行なわれるモンツァでのイタリアGPとのダブルヘッダーとなる。この日程は、バクーを除けばシーズン最後のヨーロッパレースとなるため、オーガナイザーにとっては準備が間に合う可能性が最も高く、また契約最終年を迎えるバルセロナでのレースと3ヵ月のギャップが生まれることになる。
バルセロナ・カタルニア・サーキットで開催されるレースはまだ名称が決まっていないが、カタルニア州政府がこのイベントをバックアップしていることを考えると「カタルニアGP」が賢明な選択肢となるだろう。
3連戦は何回ある?
5月と6月のカレンダー調整はF1スタッフにとってプラスに働く。ヨーロッパでの3連戦が無くなったからだ。モナコとバルセロナはダブルヘッダーに戻り、ロジスティクス上の課題だったオーストリアとシルバーストンが1週間空く。
改善されていないのは、10月中旬から12月上旬までの7週間の間に6レースが行なわれるというシーズン終盤だ。アメリカ~メキシコ~サンパウロの3連戦を終え、1週空けてラスベガス~カタール~アブダビの3連戦でシーズン閉幕を迎える。
F1の3週連続開催は、パンデミック時の緊急措置だと見られていたが、レース数が拡大した昨今では不承不承受け入れられている。F1が年間24レース開催に意欲を燃やし続けるのであれば、3連戦は避けられない。
その対策として、チームはより多くのスタッフをローテーションで移動させたり、近代的な通信技術を頼りに一部の役割をチームのファクトリーでこなすことで何とか対応しているのが実情だ。
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