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鬱蒼とした雑木林に眠る希少なクラシックカー 20選 ジャンクヤード探訪記

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鬱蒼とした雑木林に眠る希少なクラシックカー 20選 ジャンクヤード探訪記

雨の中で見つけた興味深い廃車たち

米国ジョージア州オーバーンには、1000台近くのクルマが並ぶ『コリンズ・オート・サルベージ(Collins Auto Salvage)』というジャンクヤードがある。

【画像】米国でも売れた「欧州版マスタング」【フォード・カプリを詳しく見る】 全31枚

ここでは、最近よく見かける廃車置き場のようにクルマがきれいに積み重ねられているのではなく、あちこちに散らばっている。つまり、思わず探検したくなるような場所なのだ……。

数年前、雨の降る11月の朝、我々取材班は現地を訪れ、雑草が生い茂る中を探索して回った。そこで見つけた、素晴らしいクラシックカーのコレクションを紹介しよう。

フォード・マスタング

この初代フォード・マスタングは、コリンズ・オート・サルベージに長年保管されていたため、今やかなりの部品が取り外されている。フェンダーとトランクリッドは錆びていて、ほとんど使い物にならない。価値のある部品は、フロントガラスくらいしか残っていない。おそらく、この記事が掲載される頃には、もう破砕機に投入されているだろう。

フォードLTD(1978年)

このヤードの在庫の大部分は1990年代以降のものだが、1970年代のクルマもいくつか見つかった。この素晴らしい1978年型フォードLTDランドーもその1つ。ナンバープレートによると、1993年を最後に走行していないはずだが、4本のタイヤすべてにまだ空気が入っていたのは不思議だ。

LTDは全長5.18m、重量1764kgとかなり大柄だった。しかし、このようなサイズのクルマはすぐに時代遅れとなってしまい、1978年型のLTDでは全長が17.8cm短くなり、重量も318kg軽量化されている。

キャデラック・セビル(1985年)

1980年のキャデラック・セビルは、傾斜したリアデザインが目を引くクルマだ。1930年代のセダンを彷彿とさせる特徴的なリアエンドは、ダイムラーDS420に似ており、ドイツからの輸入車を購入する若い世代をターゲットにしていた。

1980年から1986年までに20万台が生産されたが、ジャンクヤードではほとんど見かけないため、この1985年型は希少な存在となっている。

ペースアロー(1984年)

印象的な黄色とオレンジのストライプを特徴とするこの1984年型ペースアロー・レクリエーショナル・ビークルは、ドラマ『ブレイキング・バッド』の第1シーズンに登場した移動式ドラッグラボと同じような外観をしている。ただし、劇中でウォルター・ホワイトとジェシー・ピンクマンが “薬” の調合に使っていたのは、実際にはフリートウッド・バウンダーである。

シボレー・コルヴェア

ジャンクヤードにまだこれほど多くのシボレー・コルヴェアがあることに、我々はいつも驚かされる。しかし、1960年から1969年にかけて180万台以上が生産されたことを考えれば、当然のことかもしれない。

コルヴェアは米国で初めて、そして唯一、リアに空冷エンジンを搭載した量産車として、はるかに小型のフォルクスワーゲン・ビートルと競合した。

シボレー・エルカミーノ(1977年)

エンジンとほとんどのガラスが欠けていたものの、この1977年型エルカミーノ・クラシックのボディは良好な状態だった。

前年のモデルとほとんど変わらず、同じ縦置きヘッドライトを採用している。主な違いは、水平バーから垂直バーに変更されたグリルだった。1978年には、新しい5代目エルカミーノが発売された。

フォード・フェアレーン(1959年)

この1959年型のフォード・フェアレーン2ドア・ハードトップは、ヤードで発見した数少ない1950年代のクルマのうちの1台だ。背景の空きスペースに注目してほしい。かつては、同じような年代のクラシックカーが数多く並んでいたはずだが、今ではすべてスクラップになって久しい。おそらく、ボディパネルが歪んでおらず綺麗な状態だったため、この1台だけは破砕の運命を免れたのだろう。

プリマス・ヴァリアント(1965年)

残念ながら、1965年型プリムス・ヴァリアントは、状態が良好でも大して価値や人気はない。この個体のように消耗した状態では、なおさらだ。しかし、希少性の高さは魅力になる。こちらは上位グレードのV200で、わずか8919台しか製造されなかった。しかし、それだけでは保存できる人が現れないのかもしれない。

シボレー・モンテカルロ(1977年)

1977年、米国の自動車産業にダウンサイジングの波が来ていた。しかし、ゼネラルモーターズはすでにカプリスの軽量化に取り組んでいたものの、モンテカルロは重量を気にせずに売り続けた。この1年後にようやく364kgの軽量化と38cmの全長短縮が実施されている。

しかし、その大きさにもかかわらず、シボレーの高級パーソナルカーには買い手が後を絶たず、41万1038台が販売された。この個体のようなSというクーペモデルは、ランドーよりもやや人気があった。モンテカルロは、1970年から2007年にかけて7世代にわたって生産された。

プリムス・フューリー(1972年)

こちらも、1970年代に生産された巨大な2ドア車、1972年型プリムス・フューリーIIIだ。重量は1723kgにも及ぶが、V8エンジンを搭載しており、その走りは優秀だった。標準の5.2Lエンジンでは0-97km/hに13.1秒かかるが、7.2L V8エンジンを搭載したスポーツ・フューリーGTは、同7秒という驚異的な加速力を誇った。

プリムス(1949年)

この個体が出荷された1949年、プリムスはフォードとシボレーに次ぐ、米国で3番目の販売台数を誇る自動車メーカーだった。実際、1932年から1954年まで3位の座を維持していたが、その後、ビュイックに追われて1つ順位を落とした。

奇跡的にオリジナルのホイールトリムが残っていたこの個体は、コリンズ・オート・サルベージで見つけた最も古い車両だ。しかし、雑木林の中には、もっと古いクルマがいくつかあったのかもしれない。

メルクール・スコーピオ

米国の自動車史における失敗作といえば、真っ先にエドセルが思い浮かぶ。しかし、メルクールも1985年から1989年までの5年間で、わずか6万4474台しか販売できなかったことを忘れてはならない。

2車種しかないラインナップの中で特に売れなかったのは、ドイツ製のフォード・グラナダをリバッジしたスコーピオだった。クルマとしてはまともだったにもかかわらず、リンカーンまたはマーキュリーのショールームで、2万6000ドルという高額を支払ってまでこのクルマを買おうという人は、わずか2万2010人しかいなかった。

カプリ

スコーピオとは対照的に、こちらはよく売れた輸入車だ。英国で設計され、ドイツで生産されたカプリとカプリIIは、1970年から1978年にかけてリンカーンおよびマーキュリーの販売店で販売された。この個体が出荷された1970年代初頭、カプリはフォルクスワーゲン・ビートルに次ぐ人気を誇る輸入車であった。総販売台数は51万3500台に達する。

ポンティアック・ル・マン(1979年)

朽ち果てた内装を除いて、この1979型ポンティアック・ル・マン・クーペにはまだ良い部品が多く残っていた。しかし、レストアに興味を持つ人はそれほど多くないだろうから、おそらくスクラップになっていると推測される。その年生産された6万8670台のル・マンのうち、クーペは4分の1未満だった。

フォード・マーベリック

同じ時代の、同じく人気のないクルマ、フォード・マーベリックの4ドア・セダンだ。マーベリックは、シボレー・ノヴァやダッジ・ダートとシェアを争うだけでなく、当時台頭していた日本の小型車に対抗するために設計された。

世界的大ヒットとは言えないが、販売は好調で、1969年から1977年までに210万台が生産された。マーベリックという車名は現在、人気のコンパクトピックアップトラックに使用されている。

フォード・フェアレーン(1958年)

この1958年型フォード・フェアレーンが新車だった頃を想像するのは難しい。最初の数年間、誇り高いオーナーは週末ごとに洗車と磨き上げを繰り返しただろう。

輝くクロームと光沢のある塗装に映る自分の姿をチェックし、最初の傷を発見した際には1か月ほど落ち込んだに違いない。わたし達が撮影した頃には、そんな日々は遥か昔の話になっていた……。

フォード・エコノライン

1980年代初頭を象徴する米国車といえば、ブラウンとゴールドのフォード・エコノラインだ。もしかしたら、この個体も誰かに拾われてレストアされていたかもしれないが、残念ながら状態は悪かった。フォードのEシリーズは60年以上にわたり生産され、同社で最も長い歴史を持つモデルの1つである。トランジットの発売以来、販売台数は急落しているが、今でも年間3万台以上を販売している。これまでに300万台以上が生産されている。

トヨタ・セリカGT

フォード・マスタングと同じように、トヨタ・セリカも平凡なセダン(この場合はカリーナ)をベースにしたスポーツカーだ。こちらのGTは1975年に生産されたと思われる初代モデルだ。そうだとすると、いわゆる「5マイルバンパー」が装備されていたはずだ。

ビュイック・エレクトラ・パーク・アベニュー(1982年)

決して世界一エキサイティングなクルマではないことは承知しているが、この時代のビュイック・エレクトラ・パークアベニューは急速に姿を消しつつあり、ここで紹介しておきたいと考えた。こちらは1982年製のクーペで、多少傷やへこみはあるものの、錆はそれほどひどくないようだ。この年に生産された7万6232台のうち、2ドア車は8182台しかなかった。

シボレー・ベルエア(1962年)

この1962年型シボレー・ベルエアが、ここまで長く生き残っているのは素晴らしいことだ。しかし、ボディの大部分が錆びてしまっているため、寿命は残り少ないかもしれない。ベルエアという名称は、1950年から1975年まで米国のシボレーに採用され、カナダではさらに6年長く使用された。

原文:ウィル・シャイアーズ(Will Shiers)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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