RB25改TE06H-24Vタービン仕様で476馬力!
強化ATのキャパに合わせた絶妙なトルク特性
「これだけ速くて走行10万キロオーバー!?」筑波を1分3秒台で駆け抜けるE36型M3!
RB25DETに拘り、デモカーでも多くの仕様変更によるデータ取りを続けてきたコクピット館林。サーキット走行などでフィーリングや走行性能をチェックしているのはもちろん、ダイナパックをフル活用して多くの車両のセッティングデータが蓄積してきた。
そのノウハウを元に製作したのが、ここで紹介する強化ATを組み込んだストリート仕様のER34スカイラインだ。
後期型のNEOストレート6エンジンは、燃焼室容積が少なく圧縮比が高いためハイブースト化に対応しにくい。それでは理想的なパワーチューニングが難しいとのことから、コクピット館林が開発した高強度の86.5φローコンプ鍛造ピストンをインストール。圧縮比は1.2mmガスケット使用で約8.5:1という設定だ。ヘッドにはメタルガスケットおよび東名ポンカム(IN/EX260度)を導入している。
組み合わせるタービンは、コクピット館林オリジナルのTE06H-24V。RB25のために風量やエキゾーストのサイズまで定められたものだ。最大ブースト圧はATとのバランスを考えて1.3キロに抑えているものの、それでも476psを発揮し、純正交換タービンとは次元の違う走りを実現してくれる。
インタークーラーはブリッツのGT-R用を流用。RB25DETはチューニングを進めていくと油温が上がりやすくなるため、トラスト製のエンジンオイルクーラーも導入する。ブローバイガス回収用のオイルキャッチタンクも装備し、サーキットの連続周回にも耐えられるようメイキングされている。
スーペリアオートクリエイティブ製のシートカバーで高級感を増したインテリアは快適セダンの印象だ。シンプルな作りだが、内装の樹脂パーツは大半がカーボン化されているなど、相当手が入れられている。
マニュアルモード付きのATにはワークスベルのパドルシフターを装備し、手元での変速操作を可能に。AT自体は500ps近い出力を受け止めるべく、シュヴェーレンの強化ATを取り入れている。
サスペンションはコクピット館林オリジナル車高調で、アッパー部には瞬時に車高を上げ下げできるロベルタカップも装着。ホイールは18インチのワークXSAで、タイヤにはポテンザRE11(F235/35-18 R265/35-18)を組み合わせる。
一方のエクステリアは、イーストベアーのGTS-Rキットを軸に構築。FRスカイラインをGT-Rルックに仕立て上げることができる人気のエアロシステムだ。フロントフェンダーにはユーラスの35mmワイドタイプを投入した。
「普通のR34と顔つきが違う?」と思った人は鋭い。ヘッドライトはプロジェクター4灯式に変更され、LEDイカリングも搭載しているのだ。その他のランプ類もLED化されており、ライティングチューンで古さを払拭している。
GT-Rとバトルになっても決して遅れを取らない戦闘力。それでいながら、日々の通勤や買い物などにも対応するストレスフリーの快適性。家族持ちの人にとっては、理想的なチューンドセダンと言えるのではないだろうか。
●取材協力:コクピット館林 群馬県館林市赤生田町2202 TEL:0276-73-5451
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