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出川哲朗も困惑? 航続130kmのシンEVバイク「CE04」がBMWから今春デビュー!

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出川哲朗も困惑? 航続130kmのシンEVバイク「CE04」がBMWから今春デビュー!

 フル充電まで最短80分、航続距離も街乗りには十分。ついに実用的な完全電動スクーター「CE04」がBMWから発売される。これでもう出川サンも「充電させてもらえませんか?」とお願いしなくて済む?

 一方でハーレーの電動バイクが取り扱い保留になっているとの噂も。EVバイクの最新状況をお届けしよう。

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文/沼尾宏明、写真/佐川健太郎、BMW Motorrad、Harley-Davidson

国内では唯一? 個人で乗れて実用的な電動スクーター

 出川哲朗氏が出演する某TV番組でおなじみのヤマハ・Eビーノ。カタログ値の航続距離は29kmだが、実質の走行距離は10km台で、特に上り坂があるとバッテリーの消耗が激しい。フル充電までは家庭用100V電源で約3時間かかる。

 使い勝手が高いとはお世辞にも言えないが、日本において一般ユーザーが購入できる、メジャーな二輪メーカー製のフル電動スクーターは唯一Eビーノのみだ。

 そんな中、BMWの電動スクーター「CE04」が4月22日から国内発売されることになった。

 BMWとしては、2017年に国内登場したCエボリューションに続く電動スクーター第2弾。定格出力20ps、最高出力42psを発生する電動モーターを搭載する。空冷リチウムイオンバッテリーの容量は60.6Ah(8.9kWh)で、約130kmの航続可能距離を実現している。

 なお大型EVとしてハーレーダビッドソンのライブワイヤーが存在するが、形状がスポーツバイクで、スクーターではない。また日本市場は撤退するとの噂だ(詳細は後述)。本格的な実用に耐える個人向けの電動スクーターとしてCE04は国内唯一の存在と言えるだろう。

CE04の車名はICE(内燃機関)の400cc相当を意味する。ロング&ローな車体に、近未来的なデザイン&カラーも大きな魅力だ。価格161万円

車体色はグレーとホワイトの2色。メーターバイザーの透明なオレンジが新鮮で、各部に挿し色を施す。リヤはディッシュホイールだ

警視庁に納入され、箱根駅伝を一部先導した実績もあるCエボリューション。大型クラスの車格ながら普通2輪免許で運転できた。既に生産終了。当時価格159万円

 CE04の車格は400ccクラスながら、軽二輪(126~250cc)扱いなので車検がなく、普通二輪免許で運転できるのもポイントだ。

 その一方、ゼロ発進からの加速性能はガソリン車の600cc並みで、0→50km/h加速タイムはわずか2.6秒。最大トルクは6.3kg-m/0~4900rpmを発生し、最高速は120km/hをマークする。

既存車ベースではなく、EV向けに新設計された車体

 既に生産終了したCエボリューションとの大きな違いは「車体」と「充電時間」だ。Cエボリューションの車体は、ビッグスクーターのC650がベースで、アルミダイキャスト製の耐水バッテリーケースに電子制御システムを収めたモノコックフレーム的な構造。94Ahの大容量バッテリーを積み、車体のほとんどがバッテリーだった。

Cエボリューションは、既存の車体がベース。アルミ製バッテリーケーズの前後にフレームを連結する構造だった

 一方のCE04は、一般的なバイクと同様の鋼管ダブルクレードルフレームを新設計。内側にバッテリーと液冷式モーターを搭載する。バッテリーが小さいこともあるが、車量はCエボリューションの275kgに対し、231kgと44kgものダイエットに成功。EVバイク向けに最適化されたフレームと軽量な車体で、走りはより軽快だろう。

 ちなみにCエボリューションは48ps&7.3kg-mと高出力ながら、0→50km加速ではCE04の方が0.2秒速い。

 モーターは、EVバイクに多いホイールインではなく、スイングアームの手前に搭載。1速ギヤボックスをモーターハウジング内に統合し、ベルトドライブで後輪を駆動させる。モーターとバッテリーは他社製を積むのが一般的ながら、BMWでは四輪で培ったEV技術を用いた自家製だ。

 EVバイク向けに設計された車体のおかげで、シート下にメットインスペースを確保するのもメリット。通常のEVバイクは、スクータータイプでもバッテリーのために収納スペースがほぼないが、CE04ではこの点でも実用的だ。

フロントはインナーチューブφ35mmの正立Fフォーク。カバー内部に4ピストンキャリパーとφ265mmディスクをダブルで備え、足まわりは充実

車体側に液冷式モーターを搭載し、リヤに片持ちスイングアームを採用。前後15インチのラジアルタイヤを履く

シートを跳ね上げるのではなく、サイドのカバーを開けると収納スペースが出現。容量は不明だが、ジェットヘルメットを収納できるようだ

フル充電まで最短4時間から1時間20分にまで短縮!

 そして最大のポイントが充電時間の短縮だ。

 充電には、付属するMode2充電器、EV200V普通充電器、BMW純正Wallboxまたは一般市販されているEV 200V用の設置型普通充電器(Mode3)を利用できる。

 一般的な家庭用100V電源では充電不可だが、家庭にも導入しやすい単相200V16A以下の電源で充電できる。バッテリー0%の状態から80%まで約3時間で充電可能。mode3の普通充電なら100%充電まで約4時間だ。

 Cエボリューションは、Mode3で最大12Aまでの対応だったが、EC-04では32Aまで対応可能に。最短でもCエボリューションが80%充電まで3時間かかるのに対し、CE04では約1時間で済む。さらに100%充電まではCエボリューションが4時間、CE04は約1時間20分と劇的に短縮された。

 なお高速道路のサービスエリアなどにあるCHAdeMOは使用できないため、通勤や買い物などのタウンユースが主な用途となる。

ハンドル右下から充電。バッテリーは非着脱式だ。バッテリー保証書は新車から最初の4万km、または初年度登録から5年間有効

 さらに電子制御などの装備が充実しているのがCE04の特徴だ。コーナリング中のブレーキも最適にコントロールする「ABSプロ」のほか、車体のバンク角などを検知してスリップを抑制するDTC(ダイナミックトラクションコントロール)を採用。4種類のライディングモードも備え、航続距離を稼げるECOモード、パワフルなDynamicモードが選択可能だ。

メーターはノートPC並みに巨大な10.25インチフルカラー液晶。スマホと連動でき、USB-Cソケットも備える。本国ではナビをメーターに映せるが、日本では非対応の模様

 なお、EVらしく回生充電システムと、駐車時などに役立つリバース機構も備える。

 加えて、ベンチのような薄型シートにはヒーターを完備し、グリップヒーター、アダプティブヘッドライト、ETC2.0車載器なども標準装備する。

 価格は161万円で、400ccクラスのガソリン車と比べると非常に高額。Cエボリューションと同様、今のところ助成金はない模様だが、補助があればかなり買いやすくなるので、ぜひお願いしたい。

分社化に伴い、ライブワイヤーは販売時期が未定に?

 空冷Vツインでドコドコしたサウンドが有名なハーレーダビッドソンが、電動スポーツバイクの「ライブワイヤー」を市販化し、話題になった。国内では2020年末に予約を開始。発売は2021年春の予定だったが、入荷が延期されていた。

 米国では2021年5月、車名そのものを企業名に掲げる新会社「ライブワイヤー」を立ち上げた。これは、EVバイクをハーレーから独立させ、二輪EV専門ブランドとして世界の電動バイク市場をリードするのが狙い。さらに同12月、新しい上場会社としてライブワイヤー社がニューヨーク証券取引所にIPO(新規株式公開)することを発表したのは当サイトでも既報のとおりだ。

 前途洋々かと思いきや、「日本市場のライブワイヤーの販売は未定」との噂が飛び込んできた。ライブワイヤーは未だ国内には入荷していない状況が続いているが、ハーレーから分社化したこともあり、現在は取り扱いが未定になっているという。

世界初のEV大型スポーツバイクとして登場したライブワイヤー。最高出力105psを誇り、0→100km/h加速はわずか3秒。航続距離は約235kmだ。価格は約350万円

 国内で唯一買えるメジャーブランドの大型電動バイクだけに、事実だとすれば残念。また600ccクラスの新型EVも企画されていたが、これも日本導入は見通せなくなったと言えそうだ。

 一方、BMWは今後も新型EVバイクを投入する予定で、当面は1年半~2年ごとにニューモデルをリリースしていくという。既にCE04より小型のコンセプトモデル「CE02」も2021年9月に公開済みだ。

 国内メーカーでは、ヤマハが2022年春から125クラスのEVを日本でリース販売。ホンダは、2023年にも個人向けの50ccおよび125ccの電動バイクを投入するとの噂だ。出川哲朗サンが喜ぶかはわからないが、実用的な電動バイクが充実するのはユーザーにとって歓迎したい!

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