5月26日、2023年FIA F2第6戦の公式予選がモナコのモンテカルロ市街地コースで開催され、メルセデス育成のフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)が最速タイムを記録し、自身通算2度目となるフィーチャーレース(決勝レース2)のポールポジションを獲得した。
今大会の予選は全22台をふたつのグループに分けて実施し、ランキング3位につけるホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢(ダムス)はグループBの5番手で予選を終えた。
復調果たした岩佐歩夢がモナコでトップタイムを記録【順位結果/FIA F2第6戦モンテカルロ フリー走行】
通常30分間のセッションで決せられるFIA F2の予選だが、例年モンテカルロ大会では11台づつの組み分けを実施している。2023年はカーナンバーが偶数のドライバーがグループA、奇数のドライバーがグループBへと組み分けされ、カーナンバー11の岩佐はグループBに出走した。
セッションはそれぞれ16分間行われ、トップタイムをマークしたドライバーがフィーチャーレース(決勝レース2)のポールポジションを獲得。そしてトップタイムが速い(ポールシッターと同じ)グループが奇数グリッド、遅いグループが偶数グリッドを獲得する。なお、スプリントレース(決勝レース1)はリバースグリッドで決せられるが、こちらはトップタイムが遅い組の5番手がポールシッターとなる。
26日の現地時間15時10分(日本時間22時10分)より行われた予選Aグループは、気温26度、路面温度49度というドライコンディションで幕を開けた。Aグループには地元モナコ出身のアーサー・ルクレール(ダムス)を含む11台が出走。
コース上は混雑もなく、各車間合いを開けながらウォームアップを実施。残り10分を切り、タイヤへの熱入れが済んだユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)からアタックを敢行。ダルバラは計時上の5周目に1分22行725を記録するが、その直後にはアルピーヌ育成のビクトール・マルタンス(ARTグランプリ)が1分22秒244をマークしてトップに浮上。一方、ルクレールも最初のアタックを敢行も、記録は1分23秒340で暫定6番手と伸びない。
さらに、残り6分というところでリチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)が1分21秒639をマークしてトップに浮上。しかしその直後、ルクレールがターン19(最終コーナー)でアウト側のウォールにクラッシュ。これでセッションは残り5分49秒というところで赤旗中断となる。
セッション再開を迎え、ウォームアップも鑑みチャンスは2アタックとなるなか、ダルバラが1分21秒642と自己ベストをマーク。しかし、残り2分を切りマルタンスが1分21秒231をマークしトップに浮上。2番手にジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)と、アルピーヌ育成が続く。
そして各車ラストアタックという終盤、ダルバラがターン5でウォールにヒットしマシンを止めた。これでセッションは残り時間18秒というところで2度目の赤旗が導入され、そのまま終了。Aグループトップはマルタンス、Aグループ2番手にドゥーハン、3番手にフェルシュフォーが続いた。クラッシュを喫したルクレールはAグループ9番手という結果となった。
■2023年FIA F2第6戦モンテカルロ予選
グループA暫定結果
Pos.No.DriverTeamTime16V.マルタンスARTグランプリ1'21.231214J.ドゥーハンインビクタ・ビルトゥジ・レーシング1'21.432322R.フェルシュフォーファン・アメルスフォールト・レーシング1'21.63942J.ダルバラMPモータースポーツ1'21.642510I.ハジャルハイテック・パルスエイト1'21.645624K.マイニカンポス・レーシング1'21.82074E.フィッティパルディロダン・カーリン1'21.82488O.ベアマンプレマ・レーシング1'22.201916R.ニッサニーPHMレーシング・バイ・チャロウズ1'22.8041012A.ルクレールダムス1'23.3401120R.スタネトライデント1'24.600
■Bグループ予選も赤旗終了の波乱
続いて岩佐の出走する予選Bグループは、当初の予定から4分遅れとなる現地時間15時38分(日本時間22時38分)に開始された。
残り11分を切り、レッドブル育成のデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)からアタックを開始。ハウガーはまず1分22秒979をマーク。その直後に岩佐が1分21秒983をマークして一時はトップに浮上するが、ランキングトップのテオ・プルシェール(ARTグランプリ)が1分21秒630で岩佐を上回る。
残り7分を切り各車2アタック目に入るも、岩佐はターン10(ヌーベル・シケイン進入)で左フロントタイヤをウォールにヒットしてしまいタイム更新ならず。そんななか、プルシェールが1分21秒254と、自らが記録した最速タイムを更新する。
岩佐は再びアタックを敢行するもこの時点で暫定4番手となり、最後のアタックに勝負をかける。その直後、メルセデス育成のフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)が1分21秒053を叩き出し、プルシェールからトップを奪うと同時に、予選グループA最速のマルタンスのタイムを上回る。
セッション終了間近も数台がアタックを敢行するなか、クレモン・ノバラック(トライデント)がターン8でクラッシュし、セッション残り16秒というところで赤旗が掲示されBグループ予選は終了を迎えた。
これにより、グループB最速タイムをマークしたベスティが、今季初&通算2度目となる決勝レース2のポールポジション獲得となった。なお、リバースグリッドで決定される決勝レース1のポールはAグループ5番手のアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト)となる。
岩佐は最終アタックでセクター1自己ベスト更新していたものの、赤旗でアタック終了を余儀なくされ、Bグループ5番手で予選を終えることとなった。なお、岩佐は決勝レース1をフロントロウ2番手から、決勝レース2を9番手からスタートする見込みだ。
2023年FIA F2第6戦モンテカルロ、30周の決勝レース1は、27日の日本時間21時15分より行われる。予選の悔しさを跳ね除ける岩佐の走りに期待したい。
■2023年FIA F2第6戦モンテカルロ予選
グループB暫定結果
Pos.No.DriverTeamTime17F.ベスティプレマ・レーシング1'21.05325T.プルシェールARTグランプリ1'21.10533Z.マロニーロダン・カーリン1'21.46349J.クロフォードハイテック・パルスエイト1'21.576511岩佐歩夢ダムス1'21.796615A.コルデールインビクタ・ビルトゥジ・レーシング1'21.809723J.コレアファン・アメルスフォールト・レーシング1'21.835821C.ノバラックトライデント1'22.08891D.ハウガーMPモータースポーツ1'22.0971025R.ボシュングカンポス・レーシング1'22.1821117B.ベナビデスPHMレーシング・バイ・チャロウズ1'22.721
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