現代のレトロスニーカー文化は1995年、ニューバランス「1300JP」とともに始まった。その舞台となったのが日本である。
スニーカーヘッズは「入手困難」という言葉には慣れっこだ。人気のあるシルエットやカラーウェイが再び店頭に並ぶときはいつも、いつまたお目にかかれるかわからないということを理解している。それがハイプの原動力なのだ。
Kithがアディダス フットボールと7年ぶりのコラボレーションを発表
「エア ジョーダン 1 “Bred”」が再リリースのたびに完売するのはそのためだ。業界のアイコンであれ、カルト的な名作であれ、人気のシューズはその後7、8年、あるいは10年と戻ってこないかもしれない。ニューバランスのバックカタログのなかでも特に素晴らしい「1300JP」をユニークなものにしているのは、まさにそれだ。
「JP」の付かない元祖「1300」は、驚くほど贅沢なランニングシューズとして1985年にデビューした。当時の小売価格は130ドルで、現在の約300ドルに相当する(このシューズの広告コピーには、「家を抵当に入れよ」と書かれていた)。しかし、これが高額なのにも理由があった。
オリジナルのニューバランス「1300」は、当時のスニーカー業界がかつて見たこともないような高級ランナーだった。メイド・イン・USAを売りにしていたニューバランスにとって、「1300」はクラフツマンシップへのこだわりの頂点だったのだ。
純粋に評価されたクラフツマンシップ
メイン州の工場で手作りされたこのシューズは、EVAフォームにポリウレタンを合わせたENCAPミッドソールを採用し、パフォーマンスを高めている。上質なテクノロジーと上質なクラフトが、上質なシューズを作り上げたというわけだ。
また、シルエットそのものが魅力的だったこともその人気を後押しした。ニュートラルなグレーのヌバックを使用し、落ち着いたブルーのアクセントを効かせたこのシューズは、どんな服装にも合うデイリーシューズだった。
このシューズが発売されたのは、ハイプに頼ったビジネスモデルが登場する前の時代である。ニューバランスのようなブランドもまだ、レトロテイストを取り入れることはなかった。シューズは常に生産されているか、売り切れたらなくなるかのどちらかだった。
「1300」は後者のカテゴリーに入るが、その後、興味深いことが起こった。あるとき、日本で一躍脚光を浴びるようになったのだ。歴史的に、派手さよりもクラフツマンシップを優先した製品に深い敬意を払ってきた市場である。
当時はまだ、現在のようなスニーカーシーンは存在していなかったが、「1300」は海外でカルト的な熱狂を呼び起こした。本物のニューバランスヘッズにとって、このシルエットはブランドの至宝となった。
ニューバランス「1300」が復活するまで
ニューバランス ジャパン代表取締役社長の久保田伸一は、80年代から90年代初頭にかけて、パフォーマンススニーカーを復刻するという発想など誰にもなかったと米版『GQ』に語った。しかし、「1300」の最初のドロップから数年後、ニューバランスはライフスタイル部門を発展させ、古いシルエットの復活を検討し始めた。
「当時は、『Made in USA』のどのモデルも復活させることは考えていませんでした」と、彼は言う。「しかしその後、ライフスタイル・ビジネスが世界的に確立されました。『1300』の復活を検討する機会が訪れたのはそのときです」
「1300」の最初の復刻は、オリジナルの発売から10年後の1995年にようやく実現した。スニーカー界では珍しい、今では伝統となった5年周期での復刻の始まりである。5年ごとにブランドは「1300」を再び世に送り出し、そのたびにわずかな微調整を加えながら完成度を高める努力をしてきた。
このシューズが長年カルト的な人気を保ってきたのは、最初の数回の復刻が日本限定だったことが大きい。モデル名の末尾に「JP」と付けられてきたのはそのためだ。2010年には世界的に発売されるようになったが、知る人ぞ知るこのシューズの熱狂的な人気は変わらなかった。
5年というサイクルのおかげで、ニューバランスのチームは、改善すべき点があるとすればそれは何かをじっくりと見極めることができる。久保田によると、1995年にこのシューズを復活させたときは目標となる発売日は設定せず、シルエットを支える技術や職人技を向上させながら、できるだけ正確にシューズを再現することに傾注したという。
最終的に、ブランドは5年周期という戦略に落ち着いた。次のリリースまでの間に期待を高めながら、次のシルエットをどのように洗練させるかを検討するのに十分な時間だ。「このモデルに対する私たちの考え方は、妥協は一切しないということです」と、久保田は語った。
2025年、このシューズは40年前と同じメイン州スコウヒガンの生産ラインを通る。36人の職人がこのラインでの作業に従事し、アッパーをつくるホーウィン社製レザーからクラシックなENCAPミッドソールまで、すべてのシューズのすべてのパーツを何重もの品質検査にかけている。1985年に設定された基準が現代へと受け継がれるように。なにしろ、それに失敗すれば、次のチャンスが訪れるのを2030年まで待たなければならないのだ。
ニューバランス「1300JP」は、5月29日に世界発売される。日本での販売価格は5万9400円。
From GQ.COM
By Tres Dean
Translated and Adapted by Yuzuru Todayama
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
新車235万円! トヨタ新「ステーションワゴン」発表に大反響!「お買い得だし使い勝手サイコー!」「ワイドボディ欲しい…」の声も! “荷室ひろびろ”の「新カローラツーリング」登場!
日産新型「エルグランド」まもなく登場!「ルーフは高くして!」「かつてのプレミアム感が欲しい…」新型への反響は?「元祖高級ミニバン」復権に期待の声!
ガソリン代や車検代が安くなるのスゴい! 事故無違反ドライバーだけの「謎のカード」めちゃお得なのに…なぜ普及せず? “優遇制度”の意外な実態とは!
免許センター「わざわざ不便な場所に作ってる」ネット上で不満多数!? 「駅から遠すぎ」「もっと増やして」の声も!? 不便すぎる「意外な理由」とは
「世界初の新造空母」はなぜ日本で生まれたのか “空母の実用化”を下支えした「鳳翔」の半生
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?