スーパーGT第7戦オートポリス予選、Q1で驚きとなったのが、ランキング3位で優勝候補にも挙げられていた23号車MOTUL AUTECH Zの14番手でのQ1敗退だった。さらにニッサン陣営としては4台がすべてQ1敗退となり、前回のSUGOでの3台Q1突破から一転、後方から決勝を迎えることになってしまった。アタックを担当したドライバー、そして総監督の松村基宏氏に聞いた。
「う~ん、ちょっとクルマもタイヤも、コンディションに合っていなかったですね。ここまで苦戦するとは思っていなかったです」と、まさかの14番手で予選Q1敗退となってしまったMOTUL AUTECH Zの松田次生。
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「上位のタイムが速すぎて、どうしてあそこまで速いタイムが出せるのか。明日のレースで上位陣はタイヤがタレてくれればいいのですけど(苦笑)、タレないのであれば相当、速いなと」
松田が話すように、今回の第7戦オートポリスの予選Q1はトップから最下位までのタイム差が大きすぎた。全戦のSUGOの予選Q1ではトップから最下位がコンマ8秒差、SUGOは1周の距離が短いとはいえ、今回のオートポリスのQ1では2.5秒差と、各車の違いが如実に大きく現れる結果となった。
この一番の要因は、松田次生が話すようにタイヤとコンディションのマッチアップが大きいと推測される。GT300の予選スタート時で気温18度、路面温度25度と想定より低めで、しかも終日曇りの天候だったことから、路面温度が大きく上がることは一度もなかった。
「想定よりも今日は気温が低かったですけど、持ってきたタイヤはそこまでレンジが外れているわけではない。ですけど、本来のグリップが出ている感じを受けなかったので、明日の決勝に向けてセットアップを改善していかないと厳しいのかなと思っています。今日は全体的にグリップが低くてアンダーステアもオーバーステアも出るような感じがあって、ちょっとまとめ切ることができなかったですね」と、次生も状況を説明する。
一方、同じニスモでランキングトップの3号車Niterra MOTUL ZはわずかにQ2に届かない9番手となった。予選Q1を担当した千代勝正は以下のように予選を振り返る。
「できることをやってベストは尽くせましたし、Q2まであとコンマ15秒くらい足りなかったのは僕らの今の実力だと思いますので、何が悪かったというよりも、クルマ、タイヤ、みんなで少しずつ詰めていきたいですね。今のGTは本当に差が小さくて、アタックもミスなくいけたのですけど(51kgの)サクセスウエイト(SW)はきちんと機能していますよね。でも、明日も長いレースですし、チームの雰囲気はいいですのでまだまだ上位に行けるチャンスはあると思っています」
SWは3号車Niterraの方が11kg重いわけだが、どうやら取材を進めていく中で、23号車と3号車ニスモの2台のタイヤセレクトは違っている気配が感じられた。ニッサン陣営の総監督を務める松村基宏氏も、今回の予選が予想外の低気温とタイヤに大きく左右されてしまっことを認める。
「タイヤの選択ですよね。曇っていた影響で路温がずっと低いままでしたよね。そして明日の決勝は晴れる予報になっているので、いろいろ考えながらタイヤを選んでいます。今日は温度とゴムの質がピッタリとは合っていなかった感じで、いつもならQ1で次生選手も粘って突破してくるところが、今回はちょっと来なかったですね。でも、明日晴れたら『おっ!?』となることも十分考えられると思っています」
ニッサン陣営としては、優勝候補にも挙げられている24号車リアライズコーポレーションADVAN Zも11番手と低迷し、一方の同じヨコハマタイヤを装着する19号車WedsSport ADVAN GR Supraが2番手となったが、これも選択しているタイヤが大きく異なっている様子。今回の予選では19号車に軍配が上がったが、気温が高くなることが確実視されている決勝で、果たしてどうなるか。
そして取材を進める中で、ニッサン陣営だけでなくトヨタ/GR陣営、そしてホンダ陣営内でも、同じタイヤメーカーながら各マシンによって選んだタイヤは今回、大きく違っていることは間違いないようだ。
「明日は450kmで長いレースなので、たぶんそのまま普通には終わらないと思うので(苦笑)、やれることをやって頑張りたいと思います」と、決勝への抱負を話す23号車の次生。
最近のGT500のドライの予選でここまで差が開いたのも珍しいが、言い換えれば晴れの決勝ではまた、選択したタイヤの当たり外れで大きく順位変動が起こるような展開となりそうだ。
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