■初代から継続設定される「MTのワゴンR」
今では一部のスポーツモデルや商用車でしか見ることができなくなりつつある3ペダルのMT車。
これはMT免許を持つユーザーが年々減っていることはもちろん、ATの進化が目覚ましいのも一因で、スポーツモデルでも速さだけを追求すると2ペダルモデルの方が上とも言われています。
そのため、趣味性の高いモデルや、積載量によって任意にギアを変える必要がある商用車を除き、3ペダルMTを設定している車種は少なくなっているのですが、そんななか、初代から一貫してMT車をラインナップし続けているのが、スズキ「ワゴンR」です。
ワゴンRは1993年に初代が登場した軽トールワゴンの元祖とも言える車種となっており、ボディサイズの限られた軽自動車でありながら広い室内空間を実現するために背を高くし、乗員をアップライトに座らせるというレイアウトを採ったもの。
この手法は多くのユーザーに受け入れられ、他メーカーからも同様のボディタイプを持つライバル車が多く登場しました。
そんなワゴンRは当然ながらスポーツモデルではありませんが、初代からMTモデルが設定されていました。
1993年当時はまだ普通のクルマでもMTがラインナップされるのは珍しくないことであり、ATが3速だったこともあってMT車の需要も高かった時代です。
しかし代を重ねるについてATからCVTへとより高効率なトランスミッションへ変更され、ターボエンジン搭載グレードも2ペダル車のみとなっていくのですが、ベーシックなモデルには常に5速MTも設定されていたのです。
これは趣味性を求めたというワケではなく、昔からMT車ばかりを乗り継いできたベテランドライバーが違和感なく乗り換えできるようにという配慮で、それが今となっては一部のコアなマニアからも支持を集める結果となっています。
現行型となる6代目モデルでは、2017年2月の登場当初にMTの設定がなく、ついに消滅したか…と落胆の声も聞かれましたが、およそ半年後の2017年8月にベーシックグレードの「FA」に5速MTを追加。
この現行型のAT車はインパネシフトとなっているのに対し、MT車はしっかりフロアシフトとなり、インパネシフト部は小物入れになっています。パーキングブレーキも手引きタイプとなるなど、昔ながらのレイアウトをしっかり踏襲しています。
その後、一部改良のタイミングで一時的にMT車がラインナップから外れることはありながらも、遅れて追加されるなど継続的に設定がされ続けています。
2025年12月にラインナップの整理がなされ、フロントマスクがいわゆる「カスタムZ」顔に集約されてもなお、ベーシックな「ZL」というグレードにMT車がラインナップされ続けているのです。
スズキはワゴンRのほか、ベーシックなコンパクトカーの「スイフト」にもMT車をラインナップし続けてくれていますが、果たしていつまで設定し続けてくれるのでしょうか。(小鮒康一)
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みんなのコメント
その辺の需要を拾ってくれるあたりスズキには好感持てる