5月26日、伝統のレース「第108回インディアナポリス500マイルレース」の決勝が行われ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がファイナルラップでトップを奪い返し、昨年に続きインディ500を制覇した。
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから15度目のインディ500に挑んだ佐藤琢磨は、14位でフィニッシュとなった。
NTTインディカ・シリーズ第5戦に予定された第108回インディ500。決勝レース当日は悪天候が予報され、12時過ぎより降り始めた雷雨によりレースはディレイ。4時間後となる16時44分にレーススタートのグリーンフラッグは振られる。
ポールポジションのスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)がホールショットを決め200周のレースが始まる。
インディ500にスポット参戦し同日シャーロットで行われるNASCARコカ・コーラ600に出場する“ダブル”に挑戦のNASCAR王者カイル・ラーソン(アロウ・マクラーレン・W/リック・ヘンドリック)。スタートがディレイしたことでNASCAR参戦をキャンセルし、インディ500に集中することに。2列目となる予選5番手からスタートしていく。
15度目のインディ500となる佐藤琢磨も4列目10番グリッドからスタートを切ったが、後方でトム・ブロンクビスト(メイヤー・シャンク・レーシング)がスピンを喫し、マーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)を巻き込んでクラッシュ。ピエトロ・フィッティバルディ(レイホール・レターマン・ラニガン)も他車と接触し、イエローコーションとなる。
リスタートは9周目、マクラフランがトップ、ウィル・パワー、ジョセフ・ニューガーデンと続きチーム・ペンスキー勢がトップ3でレースは進んでいく。
23周目、キャサリン・レッグ(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)にマシントラブルで2度目のイエローコーションとなる。ピットレーンがオープンするとマクラフランをはじめ、多くのドライバーが最初のピット作業へと向かっていく。
レースは27周目に再開し、ステイアウトしたコナー・デイリー(DRR-キュージック・モータースポーツ)がトップに浮上する。しかし、28周目にリヌス・ルンドクヴィスト(チップ・ガナッシ)がバランスを崩しウォールにヒット。再びイエローコーションに。
リスタートとなった33周目。マクラフランが一気に2台をオーバーテイクし、トップを奪い返す。琢磨は遅れ18番手に下がってしまった。
37周目、デイリーがターン1でマクラフランを抜き、再びレースリーダーに。デイリーは43周目終わりでピットインし、マクラフランが再びトップに浮上。2番手にサンティーノ・フェルッチ(A.J.フォイト・エンタープライゼス)、3番手にアレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)が続き、13番手スタートから上がってきたコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・W/カーブ・アガジャニアン)が4番手に。
56周目、フェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング)が白煙を上げストップし、再びイエローコーション。ピットレーンがオープンとなると各車2度目のピット作業を行い、ステイアウトしたデイリーがトップに立つ。
リスタートとなった65周目。マクラフランがインから3台を交わしターン1でトップに浮上する。66周目、ステイアウト組のスティング・レイ・ロブ(A.J.フォイト・エンタープライゼス)がマクラフランを交わしトップに。
77周目にロブがピットインしリードチェンジ。マクラフランがトップに戻り、ハータ、ニューガーデン、フェルッチ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)でレースは中盤へ。
2番手を走行していたハータだったが86周目にバランスを崩しクラッシュ。再びイエローコーションとなる。このタイミングで3度目のピットストップとなり、ニューガーデンがマクラフランの前に出る。
91周目にレースは再開。ステイアウトしたリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)とクリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン)はリードチェンジを繰り返しピットイン。レース折り返しの101周目にニューガーデンがトップに立つ。
108周目、ライアン・ハンター-レイ(DRR-キュージック・モータースポーツ)がスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)と接触し、6度目のイエローコーションとなる。このコーション中にデイリーを始め数台がピットイン。佐藤琢磨もここでピット作業を行い、ストラテジーを変更する。
リスタートは114周目。マクラフランがニューガーデンを交わしトップに浮上。しかし、後方でマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・W/マルコ&カーブ・アガジャニアン)がスピンを喫しイエローフラッグが振られる。
119周目にリスタート。マクラフランがトップを守る。120周目にロッシがニューガーデンを交わし2番手に。ラーソンは6番手につける。
131周目にトップのニューガーデンがアンダーグリーンでピットイン。マクラフランをはじめ、各車が続いてピット作業へと向かっていく。ラーソンがピットレーンのスピードを違反でドライブスルーペナルティが科せられてしまう。
ストラテジーを変更したディクソンがトップに浮上し、琢磨も5番手に。マクラフランをはじめピット作業した組は後方で激しいポジション争いを展開し、レースは後半戦へ。
ディクソンは141周を走行しピットイン。琢磨も続いてピットレーンへ。トップはストラテジーの違うデイリーが浮上する。
147周目、バランスを崩したパワーがクラッシュを喫し8度目のイエローコーションに突入。
ディクソン、オワード、ロッシ、デイリー、ヴィーケイの順でレースは156周目にリスタートを迎える。ロッシがトップでターン1に入り、オワードも続く。ニューガーデンは4番手に浮上し、琢磨は12番手に。マクラーレンのロッシとオワードがトップを入れ替えながら、レースは進んでいく。
169周を終え、まずはロッシがラストのピット作業へと向かう。ここでディクソンがオワードを交わしトップへ。ニューガーデン、マクラフランは171周終わりでピットイン。翌周、トップのディクソン、そしてオワードがピット作業へ。
ピット作業を終えたディクソンはニューガーデンと激しくポジションを奪い合い、レースは残り20周。クライマックスに突入する。
187周目、全車がラストピットを終え、ニューガーデンがトップ。ロッシ、ディクソン、オワードとトップ争いを繰り広げる。
ドラフティングが効くためトップに立つとオーバーテイクされやすく、トップは1周1周入れ替わる状態で残りは3周。
ニューガーデンを交わしオワードがトップで残り1周のホワイトフラッグ。ニューガーデンは、ターン3でアウトからオワードを交わしトップに浮上。そのままターン4を守りきり、チェッカーフラッグ。
ニューガーデンは、2001-2002年のエリオ・カストロネベス以来のインディ500連覇を達成し、40万ドルの特別ボーナスをゲットした。
佐藤琢磨は、14位でレースフィニッシュ。NASCAR王者ラーソンは18位完走となった。
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