現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > そろそろ70歳の色褪せぬ傑作 ボルボ・アマゾン UK版中古車ガイド(2) 堅牢でも劣化は不可避

ここから本文です

そろそろ70歳の色褪せぬ傑作 ボルボ・アマゾン UK版中古車ガイド(2) 堅牢でも劣化は不可避

掲載
そろそろ70歳の色褪せぬ傑作 ボルボ・アマゾン UK版中古車ガイド(2) 堅牢でも劣化は不可避

設計が70年も前と思わせない操縦性

ボルボ・アマゾンは、ツインキャブレター仕様やB20型エンジンの、驚くほど軽快な走りが魅力。70年も前の設計だとは信じられないほど、操縦性も良い。乗り心地は快適で、身近なクラシックカーとして楽しむのに望ましい1択といえる。

【画像】安全性と耐久性を確立 ボルボ・アマゾン P1800と240シリーズ 最新EX30とEX90も 全157枚

メインベアリングが5枚のB18型は堅牢さを増したとはいえ、初期の1.6L B16型エンジンが弱いわけではない。点火タイミング・ギアやカム山が摩耗し、パワーの低下へ至りやすい。排気ガスが曇る場合は、バルブステムシールの交換を考えたい。

キャブレターの劣化でも馬力は落ちるが、リンケージ調整で復調する場合も少なくない。リアのクランクシールから、オイル漏れしやすい。

油圧の低下や過度なエンジンオイル消費、ノッキング音が出るようになったら、リビルドを検討したいところ。フェルト製のシール材は、ゴム製へ交換できる。

エンジンのチューニングは一般的

英国には、アマゾンのチューニングを手掛けるガレージが複数存在する。ラッドスピード社では、B18型を120ps程へ引き上げ、最高速度160km/hを実現してくれる。ステーションワゴンで、0-100km/h加速は12.4秒とのこと。軽量なサルーンの方が速い。

ツインキャブレター・エンジンにハイカムを組めば、134psに届く。ヒストリックカー・ラリーの出場車は、同等のチューニングを受けているのが一般的。LSDが組まれた例もある。インジェクション化や、オーバーヘッドカム化も可能だ。

マニュアルのトランスミッションは堅牢で、シフトレバーの動きも滑らか。マウントの交換で、変速フィールは取り戻せる。中には、ボルボ240シリーズ用の5速MTが載っている場合もある。オリジナルの4速MTも、オーバードライブ付きで汎用性は高い。

サスペンションは、ブッシュの劣化などは想定の範囲。コイルスプリングは折れることがある。殆どの部品は入手可能。ポリウレタン製へ交換もできるが、精度が増すかわりに洗練された印象は減じる。

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

フロアやサイドシル、フロントガラス周辺、バルクヘッド、バッテリーボックスなどは錆びがち。サスペンションマウントやボンネットの前端、ホイールアーチ、ヘッドライトの周辺、ドアの下部、トランクリッド、バンパーなども錆びやすい。

フロントガラスのゴムモールは劣化で収縮し、水漏れを招く。フロントピラーやバルクヘッド、フロア、サイドシルなどのサビへ繋がる。

エンジン

アマゾンの4気筒エンジンは、どれも基本的に堅牢。トランスミッションとの相性も良く、力強く感じられるが摩耗は避けられない。有鉛ガソリンが一般的な時代のクルマで、無鉛ガソリンで高負荷をかけるとバルブシートが傷む。

シングルキャブレターが良く売れたが、現存例の多くはツインキャブレター。今回の車両のエンジンルームは歴史を感じさせる見た目だが、しっかり好調だった。

トランスミッション

クラッチの滑りや、プロペラシャフトの劣化による振動、フルード漏れ、ギアやアクスルからの異音に注意したい。シンクロメッシュの状態や、走行中にギアが抜けないかもチェックポイント。

ステアリングとブレーキ

ステアリングホイールは、走行中に軽く回せ、適度な遊びがある。タイトに調整しすぎると、切り始めで重くなりがち。ラックの取付部分のサビにも注意したい。

ブレーキキャリパーとスレーブシリンダー、サイドブレーキの固着へ注意したい。サーボは故障しがち。

インテリア

ダッシュボードは上部が割れがち。修復は可能だ。シートは当時としては座り心地が良く、調整域も広い。新しい素材を入手し、全体をリフレッシュするのも悪くない。

ボルボ・アマゾンのまとめ

アマゾンは堅牢というイメージが強いが、放置すれば錆びる。メカニズムも劣化する。スペックはあまり重視せず、丁寧に維持されてきた状態の良い車両を慎重に選びたい。チューニング次第で、価格が上昇することもある。

多くの同時期のクラシックカーより信頼性は高く、優れない天候にも強い。運転するほど、愛着は深まっていくはず。

良いトコロ

英国の場合、得意とするガレージが少なくなく、部品の入手も容易。快適で堅牢で、家族でのドライブを楽しめるクラシックカーといえる。ラリーイベントなどにも人気。取引価格はそこまで上昇していない。

良くないトコロ

腐食は避けられない。新しいボディパネルの内側で、サビが進行していることも。

ボルボ・アマゾン(120シリーズ/1956~1970年/英国仕様)のスペック

英国価格:1090~1366ポンド(新車時)
生産数:35万9918台(2ドア)/23万4208台(4ドア)/7万3169台(ステーションワゴン)
全長:4426-4451mm
全幅:1632mm
全高:1473-1492mm
最高速度:144-175km/h
0-97km/h加速:10.2~17.8秒
燃費:8.5-10.6km/L
CO2排出量:−
車両重量:1056-1369kg
パワートレイン:直列4気筒1583・1778・1986cc 自然吸気 OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:59ps/4500rpm-100ps/5500rpm
最大トルク:11.3kg-m/2500rpm-15.4kg-m/3500rpm
ギアボックス:3・4速マニュアル/3速オートマティック(後輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

あのワーゲンバスがリッチになって帰ってきた! 新型BEV「ID.buzz」が正式デビュー
あのワーゲンバスがリッチになって帰ってきた! 新型BEV「ID.buzz」が正式デビュー
グーネット
待ってました!フォルクスワーゲン「ID. Buzz」ついに日本デビュー!
待ってました!フォルクスワーゲン「ID. Buzz」ついに日本デビュー!
グーネット
マーベリック・ビニャーレスがドゥカティ勢下してプラクティス最速! バニャイヤ母国戦初日は2番手|MotoGP第9戦イタリアGP
マーベリック・ビニャーレスがドゥカティ勢下してプラクティス最速! バニャイヤ母国戦初日は2番手|MotoGP第9戦イタリアGP
motorsport.com 日本版
KTMビニャーレスが初日首位。転倒で肩脱臼もクアルタラロが即復帰しトップ5入り/第9戦イタリアGP
KTMビニャーレスが初日首位。転倒で肩脱臼もクアルタラロが即復帰しトップ5入り/第9戦イタリアGP
AUTOSPORT web
クルマ好き大歓喜!! なんとメルセデス・ベンツ190Eが令和に復活!?
クルマ好き大歓喜!! なんとメルセデス・ベンツ190Eが令和に復活!?
ベストカーWeb
【6月24日発表】新型日産「パトロールニスモ」登場か? 赤い”丸テール”ってなんだ!? 中東日産のティザーが意味深すぎる
【6月24日発表】新型日産「パトロールニスモ」登場か? 赤い”丸テール”ってなんだ!? 中東日産のティザーが意味深すぎる
ベストカーWeb
新車当時150万円台!? 三菱の「コンパクトミニバン」がスゴかった! 広々「3列・7人乗り」×全長4.4m級の「ちょうどイイサイズ」! 俊足“ターボ”モデルもあった「ディオン」とは
新車当時150万円台!? 三菱の「コンパクトミニバン」がスゴかった! 広々「3列・7人乗り」×全長4.4m級の「ちょうどイイサイズ」! 俊足“ターボ”モデルもあった「ディオン」とは
くるまのニュース
アウト? セーフ? パーキングメーターが使えない時間に駐車すると違反になるの?
アウト? セーフ? パーキングメーターが使えない時間に駐車すると違反になるの?
ベストカーWeb
ホンダが“新レストアサービス”を発表! 和製スーパーカー初代「NSX」に続き「S2000」や「ビート」への復活サポートにも期待高まる
ホンダが“新レストアサービス”を発表! 和製スーパーカー初代「NSX」に続き「S2000」や「ビート」への復活サポートにも期待高まる
VAGUE
ネットで自動車保険を契約して後悔!? 保険代理店が“今も必要”な納得の理由
ネットで自動車保険を契約して後悔!? 保険代理店が“今も必要”な納得の理由
ベストカーWeb
ヨーロッパで訪れるべき美しい街28選──定番から穴場まで、魅惑の観光スポットを紹介
ヨーロッパで訪れるべき美しい街28選──定番から穴場まで、魅惑の観光スポットを紹介
GQ JAPAN
「黄色いちょうちょマーク」 の意味とは?知らずに運転を続けると違反と見なされるかも
「黄色いちょうちょマーク」 の意味とは?知らずに運転を続けると違反と見なされるかも
くるくら
一体なにが違う? マフラーをカスタムしたいけど「フルエキ」と「スリップオン」があるって?
一体なにが違う? マフラーをカスタムしたいけど「フルエキ」と「スリップオン」があるって?
バイクのニュース
【フランス】トヨタ“新”「スーパーマシン」世界初公開! 全長5.1mボディ&大型リアウィングが超カッコイイ! 斬新パワトレ採用の「GR LH2 Racing Concept」登場
【フランス】トヨタ“新”「スーパーマシン」世界初公開! 全長5.1mボディ&大型リアウィングが超カッコイイ! 斬新パワトレ採用の「GR LH2 Racing Concept」登場
くるまのニュース
半世紀前の個体なのに走行わずか340キロ “ほぼ新車”の白い「パンテーラ」を発見 ビッカビカのオリジナル「極上デ・トマソ」の価値とは
半世紀前の個体なのに走行わずか340キロ “ほぼ新車”の白い「パンテーラ」を発見 ビッカビカのオリジナル「極上デ・トマソ」の価値とは
VAGUE
「夢が膨らむバイクだな」進化したカワサキのオフ車に熱視線! 54万円台に「とっても良心的」の声
「夢が膨らむバイクだな」進化したカワサキのオフ車に熱視線! 54万円台に「とっても良心的」の声
レスポンス
86よりも速いってホント!? まさかのミライースターボが大暴れ!!
86よりも速いってホント!? まさかのミライースターボが大暴れ!!
ベストカーWeb
トラックメーカーが販売する「新車のトラック」はある意味未完成! 誰もが知ってる形にする「架装メーカー」の仕事とは?
トラックメーカーが販売する「新車のトラック」はある意味未完成! 誰もが知ってる形にする「架装メーカー」の仕事とは?
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村