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自らステアリングを握り、タイムアタックに精力的な“走るチューナー”であるクルマドー山田代表が手がけたBRZの製作コンセプトは「完全合法街乗り仕様」。そんなクルマドーBRZが、レブスピード主催の筑波スーパーバトル2020にて1分1秒930の好タイムをマークした(ドライバーは柴田優作選手)。
今時の筑波は1分切りが当たり前でしょ…というのは、タイムアタック専用に徹底改造されたチューンドでの話。このタイムを叩き出したBRZの何が凄いかと言えば、ターボ化されているとはいえナンバー付き車両(車高も9cmをキープ)であり、街乗り状態から当日に調整されたのは“タイヤの空気圧のみ”であることだ。
さらにクルマドーBRZはエアコンやオーディオはもちろん、純正部品を取り外すような軽量化は一切なし。むしろパーツ装着により、車重はノーマルより50kgアップしているほど。
ナンバー付きクラスに参戦するにしても、タイム狙いなら保安基準に関わらない部分で軽量化しても良さそうなものだが、「普段は街乗りや通勤に使う人がサーキットも走るなら、内装撤去やエアコンレスなんて不便なクルマは作りませんからね」と、一般ユーザー目線でのクルマ作りを心がけたから。つまり、ユーザーの立場でスーパーバトルに参戦したようなものだ。
好タイムの決め手は、ターボキット装着によるパワーアップとサスセッティングにある。まずエンジンは、トラストT518Zボルトオンターボキットを組み、最大ブースト圧1.1キロ時にダイナパック計測(係数なし)で305psを発揮。オーバーホールと同時に、WRX S4 STI純正コンロッドを流用して耐久性アップも図っている。
なお、前期型に多い症状としてシリンダーヘッドプレート周辺からのオイル漏れがある。とくにターボ化して発熱量が増えた事で元のシール不良が顕著になりがちなため、対策としてヴェルスエンジニアリングのカムカバーブロックキットを使っている。
サーキットアタックする上で重要になるブレーキは、D2ジャパンの鍛造6ポットキャリパーと330mmローターを使う。グレッディパフォーマンスダンパーにはオリジナルのスプリング(F9kg/mm R10kg/mm)を組み合わせた他、フロントの各アームは強化ブッシュとクスコのステアリングラック補強ステーにより、ハンドリングのダイレクト感を向上させている。
山田さんがとくに拘って仕上げたというリヤサスは、ヘルパースプリングを追加している点に注目。パワーを逃がさずトラクションをかけるために伸び側のストローク量を確保。ブリッツのミラクルストロークアジャスターを装着してロールセンター補正してあるのも、リヤのコントロール性を上げて“踏める足”にセットアップできた要因のひとつだ。
リヤは各純正アームをピロ化してダイレクト感をアップ。デフはトラストの大容量カバーを使ってオイル容量を増やしてLSDの熱対策をしている。それと同時にオリジナルの強化ドライブシャフトにより、ターボ化によるドラシャへの負担を軽減。クスコのパワーブレースによりリヤメンバーも補強されているなど、リヤサス周辺は強化品が多く使用されている。
このように、エンジンやボディ側はツボを押さえた補強がなされているもののスペシャルパーツの投入は一切無し。一般ユーザーでも真似できるレベルのメイキングで筑波1分1秒台を叩き出したのだ。
●取材協力:クルマドーカスタムファクトリー:岩手県奥州市水沢区佐倉河字前田13 TEL:0197-25-7895
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みんなのコメント
あんまりやりすぎても街乗りツラいし、ナンバー付きでこれ以上やるなら他の車のほうが良さそうだし。
いいチューニング例だと思う。
それなら最初からEJ20が載っていたらなと思ってしまう。