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驚きの全車電動化!! 最も売れてるメルセデスが革新導入!! 新型ベンツCクラス誕生

掲載 更新 12
驚きの全車電動化!! 最も売れてるメルセデスが革新導入!! 新型ベンツCクラス誕生

 2021年6月29日、メルセデス・ベンツ日本株式会社は、新型Cクラス(W206型セダン・S206型ステーションワゴン)を発表、同7月下旬よりC200およびC220d各モデルの先行予約の受付を開始すると発表した。

 現行Cクラスが登場したのは2014年のこと。2018年には6000点以上の改良を施したビッグマイナーチェンジを行いつつ、今回7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。現行Cクラスは、日本でも、セダン・ステーションワゴンを合わせて累計約10万台以上を販売しており、2015年から2019年まで、Dセグメントでナンバー1となった、超人気モデルだ。

改良から半年のいま再検証!! レクサスISのビッグチェンジは成功したのか?

 メルセデスの中核モデル「Cクラス」は、今回のフルモデルチェンジでどう生まれ変わったのか。明らかとなった新型Cクラスの内容をご紹介しつつ、ライバルとなるレクサスISやBMW3シリーズとの比較、また世界的なセダン不況の状況において、Cクラスは新型でも成功することができるのか、についても触れていく。

文:吉川賢一
写真:メルセデスベンツ、レクサス、BMW

【画像ギャラリー】本稿未掲載写真含む全22枚!! 新型Cクラスの全貌をギャラリーでチェック!!

新型Cクラスのキーワードは「全モデル電動化」

 今回の新型Cクラスの最大のトピックは、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)とプラグインハイブリッドによる「全モデル電動化」だ。

 「ISG」は、48Vマイルドハイブリッドの採用車のこと。C200に搭載される1.5リッター直4ガソリンターボ(M254)と、C220の2.0リッター直4ディーゼルターボ(OM654M)を、エンジンとトランスミッションの間に配置したマイルドハイブリッドISGによって、短時間、最大20ps(15kW)/200Nmのブーストが可能となる。

ISGとプラグインハイブリッドによって、全モデル車電動化で登場した、新型Cクラス

 これまで搭載していたBSG(ベルト・ドリブン・スターター・ジェネレーター)と比較すると、ISGはエンジンとトランスミッションの間に配置されることから、より強力で効率的にアシストが可能となった。もちろん、回生ブレーキやコースティング(惰性走行)などでは燃費低減にも効く。

 ただでさえ強いトルクのディーゼルへもISGを搭載してきたところは、非常に面白いポイントだ。W205型のC220dに乗っている筆者としては、このISG搭載のディーゼルターボモデルは非常に気になる。

テールランプも一新。Sクラスと似た意匠となった

 2022 年内の日本導入が予定されているC 350 eは、1.5リッター直4ターボ(M254) に、最大 129ps(95kW)/440Nm を発生するモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドだ。24.5kWhのリチウムイオンバッテリーで、電気のみで100kmの走行が可能となる。

 C 350 e は、AMGラインを除いて、Cクラスの最上級グレードとなるだけに価格も最上級となるだろう。なお全モデルで、9速ATを採用する。

現行CクラスのエントリーグレードであったC180アバンギャルド(530万円)は消え、C200アバンギャルド(654万円)がベースグレードとなる。新規アイテム追加による価格上昇は仕方ないところか

デザインは、さらにヒエラルキーレスに

 ボディサイズは4751×1820×1438(全長×全幅×全高)mm、ホイールベースは2864mm。現行モデルと比較すると、全幅+10mm、全長+65mm、ホイールベース+25mmとなり、後席レッグルームが21mmも伸長された(後席ヘッドルームも13mm拡張)。

 Eクラスセダンは全長4940mm、Sクラスは5180mmであることから、とりあえずボディサイズのヒエラルキーは成立している。

 しかし、エクステリアデザインからは、ヒエラルキーがなくなりつつある。新型Cクラスはまるで、「小さなSクラス」だ。新型Cクラスに採用されたヘッドランプの意匠は、Eクラスや、2021年1月に日本登場したSクラスとも同じコンセプトであり、この3車種の判別は、ますます難しくなった。

 かつてはヘッドライトの中に入るデイタイムランニングライトの本数(Cクラスは1本、Eは2本、Sは3本)で判別できたが、そのデザイン要素もなくなった。さらにヒエラルキーレスなエクステリアデザインへと向かっていったようだ。

新型CクラスはEやSと同じフロントフェイスとなり、現行Cクラスに対してより高級感が増している

 このように、新型Cクラスには、運動性能の高さが予感されるスポーティさと、Sクラスに通じる高級感がある。メルセデスに乗っている、という充実感を十分に感じられる仕上がりだ。

2021年1月登場の新型Sクラス。新型Cクラスにも採用されたヘッドランプの意匠は、Eクラス、Sクラスとも同じコンセプトとなり、ますます判別が難しくなった

インテリアの進化がめざましい

 新型Sクラスもそうだが、今回の新型Cクラスも、インテリアの進化が大きい。最も歴史ある自動車メーカーのひとつであるメルセデスだが、インテリアは最先端だ。

 まず目がいくのは、センターにある縦型11.9インチのセンターディスプレイだ。ドライバー側に6度傾け、ドライバーを包み込むようなコクピット感を出している。

 現行はやや癖のあるコマンドダイヤル式であったため、慣れるまでは使いづらさを感じたユーザーもいたようだが、新型では、ステアリングホイールが最新世代となり、ステアリングに備えたタッチスイッチの操作で、ナビやインストゥルメントクラスター内の設定、安全運転支援システムの設定などを完結できるようになった。

ダッシュボードやセンターコンソール周りなど、Sクラス張りの高いクオリティでつくり込まれている

新型Sクラスのインテリア

 運転席に備わる12.3インチのメーターディスプレイも、視認性の良さは現行で実証済みだ。Dセグメント初となるAR(拡張現実)ナビゲーションや、生体認証(指紋、声)によるシートポジションやサイドミラー等の設定、コックピットディスプレイの表示スタイル、ナビゲーションのお気に入り設定などを読み込むことができる。

縦型11.9インチのセンターディスプレイは、運転席側に6度傾けられている。直接タッチする操作の他、ステアリングホイール上にあるタッチセンサーでもほぼすべての操作が可能

 また、新開発したDIGITALヘッドライトは、130 万個の微小な鏡により光を屈折させることで、きわめて正確な配光が可能となった。ハイビームアシストの細やかさが増し、対向車や道路標識に光が当たらないように調整したりと、機能性が大きく上がっている。

新型Cクラスに採用されたDIGITAL ライト(ウルトラハイビーム付き)。フォグライトモードやハイウェイライト、シティライトなど、ヘッドライト照射が細かく調整される

 さらには、新たに後輪操舵システムのリア・アクスルステアリングも採用。日常の走行シーンに多い約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大2.5度切ることで、回転半径が小さくなり、クルマが扱いやすくなる。

 約60km/h以上では、リアホイールをフロントホイールと同相に最大2.5度操舵し、走行安定性を大きく高める。日常シーンでも恩恵を感じやすい、有能なアイテムだ。

 リアステアは、かつて日産のスカイラインやフーガにも採用されていた時代があったが(現在はグレード廃止)、今回の新型Cクラスの方が、操舵の最大角がはるかに大きい。もともとCクラスは、最小回転半径が5.1~5.2mと優れていたのだが、新型Cクラスのリアステア採用モデルでは、この長所をさらに伸ばしてきた。

 ちなみに、現行Cクラスで「セグメント初」として話題になったエア・サスペンションは、需要が少ないということで、新型では廃止となったようだ。

優劣をつけることは難しい

 Cクラスは歴代モデルを通して、Dセグメントのベンチマーク車として位置づけられ、世界中のメーカーからライバル視され続けてきた。BMW(3シリーズ)や、アウディ(A4)、そしてレクサス(IS)は、メルセデスのCクラスを研究し尽くしたうえで、「メルセデスとは違なる方向性」を目指し、クルマを進化させてきた。

 現行のBMW3シリーズは2019年春登場、レクサスISも2020年秋にマイナーチェンジをうけており、3車種の登場時期にそれほど差があるわけでもないことから、最新こそ最良、とも言い切れない。

 装備に多少の差こそあれ、3車種ともどれも味わいのあるハンドリング性能と快適な乗り心地、そして優れた音振性能を実現している。どれを買っても間違いないなく、どれがいいかはもはや好みの問題であり、ひと言で「どのクルマが優れている」という優劣をつけることは、難しい。

 あえて言えば、ストロングハイブリッド技術に関しては、レクサスISだけの強みだ。将来的にはBEV(=Battery Electric Vehicle=バッテリー動力のみで駆動するEV)の比率が高まってくるのかもしれないが、まだ5年10年はハイブリッド車が中心となるはずだ。

ストロングハイブリッドをもつISは、燃費改善に対する車両価格を抑えることができる

 メルセデスCクラスやBMW3シリーズ、アウディA4は、マイルドハイブリッドとプラグインハイブリッド、そしてBEVで乗り切ろうとしているものの、バッテリーのコストや重量面ではハイブリッド車に対して、不利にならざるを得ない。そうした面では、「レクサスISが一歩リード」とはいえるかもしれない。

 またBMW3シリーズは、伝統的な切れのあるハンドリングを持ちながらも、(高速道路上の渋滞時に限るが)ハンズフリー運転機能やリバースアシストといった先進支援技術を備えるなど、かつてのハンドリングマニアだけが唸るようなスポーツセダンのイメージからは離れ、乗り心地も良くなり、総合的に高い完成度を誇るクルマへと昇華している。

ISや新型Cクラスがもたないハンズフリー機能を持つBMW。かつてのハンドリングマニアだけが唸るようなスポーツセダンのイメージからは離れ総合的に高い完成度を誇るクルマとなった

 ストロングハイブリッドのISか、総合的に高い完成度の3シリーズか、伝統と革新を両立させてきた新型Cクラスか、かなり悩ましいところだ。

世界的なセダン不況の時代、しかし最も売れているメルセデスはCクラス

 メルセデスは、ハッチバックのAクラスをブランドエントリーモデルとして設け、GLA、GLB、GLC、GLE、GLS、そしてEQA、EQCと、SUVフルラインアップをそろえている。

 「セダン不況」とはいうが、実は2020年外国メーカー車モデル新車登録台数によると、これだけSUVがラインアップされているにもかかわらず、日本で最も売れているメルセデスはCクラス(6,689台)、次いでCLAクラス(6,233台)だ。

 BMWも3シリーズ(8,505台)が最も売れており、SUVタイプよりも多い。もちろん安心できる状況ではないが、メルセデスのようなプレミアムブランドを求めるユーザーにとっては、まだまだセダンの需要がある、ということなのだろう。

 その背景には、7年おきにきっちりとフルモデルチェンジを行い、商品の競争力を保ち続けるメルセデスの姿勢もある。セダンであっても、モデルチェンジを行いしっかりと時代にあわせたクルマづくりをしていくことで、現代のユーザーも惹きつけられるのだ。

GLAからGLSまでラインアップされているSUVだが、日本で最も売れているメルセデスは、依然としてCクラス(6,689台)だ

 新型Cクラスの幅広いラインアップがそろうには、まだまだ時間がかかる模様(新型C200およびC220dの納車は本年秋ごろ、C200 4MATICは2022年第一四半期、C350eは2022年中ごろ、ステーションワゴンのC200およびC220dについては、2022年第一四半期の配車開始とのこと)だ。

 最新装備を満載し、さらに高級感を増して登場した新型Cクラス。今回の新型でもCクラスは間違いなく「最も売れるメルセデス」となるだろう。

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みんなのコメント

12件
  • 値上げしすぎ
  • 先進的な技術を盛り込み自動運転に
    近い車なんだろうけど、マイルドハイブリッド
    のCクラスが650万からは高すぎる。
    この価格なら数年後にフルモデルチェンジするレクサスIS
    や5シリーズを待った方が良い、
    もしかすると500万台のCクラスが来年辺り追加になる可能性
    もある。すぐに飛びつかずに2年くらい待った方が良いと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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