復刻事業のきっかけはユーザーの声だった
スバルでもファン待望のヘリテージ事業が本格始動している。2月に開催された日本最大級のクラシックモーターショー「ノスタルジック2デイズ」では、型式でGC8と呼ばれる初代インプレッサWRXの展示が大きな話題となった。
スバルが旧車乗りのために動き出す! 初代インプレッサのパーツ供給に向けた第一歩を踏み出した
1992年に発売されたGC8は、当時の2リッターエンジン世界最強クラスの高出力を誇り、競技用マシンとしても大活躍。WRCではスバルに3年連続マニュファクチャラーズ・チャンピオンをもたらした伝説の1台だ。
また、GC8は人気漫画「頭文字D」でも重要な存在のクルマとして描かれたこともあり、世界中の幅広い層から絶大な支持を受けるに至っている。歴代スバル車の人気投票をすれば、間違いなくトップになるだろう。
名車たるゆえんを挙げれば枚挙に暇なしだが、そんなGC8もデビューから34年が経過し、消耗パーツの復刻を望む声はかなり前から高まっていた。メーカーとしてもその事実を強く認識していたことから企画が練られ、旧型車の維持・修理を支援する技術サポート”ヘリテージサービス”の展開が始まっている。
この事業を担当するスバルアフターセールス企画部の須崎氏と相澤氏によると、ポイントとなるのはユーザーとの密な対話だ。
2025年7月に開催された「HARUNA SUBARU FES」(本イベントは、GC8のデザインを手がけた手島彰氏がアドバイザーを務めた、「GC・GF榛名オフ」がベースとなっている)では、現場でユーザーを取材し、1000件を超えるアンケートを収集。「スバルにはユーザー参加型のブランド文化が着実に育っていることを再認識した」と言う。
その後もユーザーからヒアリングを重ねて情報を収集し、ニーズの傾向を分析。公式WEBサイトで「ヘリテージパーツ」の一覧を開示するところまでたどり着いた。
自身も旧年式のスバル車を大事に維持している須崎氏は「真の目的は部品の復刻ではなく、皆さまの愛車を1日でも、1秒でも長く乗り続けていただくためのサポートをすることにあります。愛車を大切なパートナーとしてずっと一緒に過ごしたいとの気持ちに寄り添うために、少しずつでもアシストしていきたいのです」と熱く語る。
パーツの検索性能の高精度化を目指す
また、GC8はネオクラシック車ながら中年層のみならず、いまの若者からの人気が高いのが大きな特徴だ。中古車人気が高騰しているにもかかわらず、比較的最近になって所有するようになった20~30代の若いユーザーが多い。
中年世代のマニアはDIYでメンテナンスをする傾向が強いというが、知識や技術が乏しい若い世代はディーラーや特約店、スバル車に精通した専門店を頼りとしていることから、ディーラーを通じた部品検索システムの高精度化を進めていると言う。
もともとスバル車は年式ごとに仕様変更が多いことで知られるが、パーツ検索システムの整理を担当する相澤氏によると、とりわけGC8はパーツの仕様変更頻度が高く、在庫を正確に把握するのも容易ではないと言う。WRCでは市販車からの改造範囲が狭いグループAでの参戦だったため、各パーツの微細な仕様変更が膨大にあることが、GC8のヘリテージパーツ事業進展の大きな壁として立ちはだかっているのだ。これまでなかなか進まなかった要因もそこにあったのだろう。
そんな難題を抱えながらも、まずはパーツの検索精度を高めてディーラーを中心に情報を周知させ、ニーズの高いものから可能な限りパーツ供給を拡大していく予定だ。GC8以外の旧車についても拡大が構想されているので、気長に待ってほしい。信頼できるサードパーティからのパーツ供給も検討されている。
ヘリテージ事業は整備現場の技術継承にも役立ち、メカニックのモチベーション向上にもつながる側面があるため、レストアに対する意識の全国的な均一化を図ることにも力を入れると言う。
今後もイベントに参加するなどしてユーザーとの対話を重ね、まずは現存パーツの情報を届け、何らかの形で供給できるよう準備している。
メーカー内部でさらに重要視されればレストア事業への発展が図られるはずなので、我々ユーザーからの後押しが重要となる。応援する姿勢を積極的に発信しよう。
SUBARUヘリテージサービス
製造終了から年月が経過した旧型モデルの補修用純正部品のリストを公開・供給。まずは初代インプレッサが対象となり、全国のスバル販売店でパーツの注文・取り付けが可能。今後はユーザーのリクエストや反響を踏まえながら、対象車種や取り扱い部品の拡充を順次進めていく。
※本記事は雑誌CARトップの記事を再構成して掲載しております
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みんなのコメント
このようなメーカーの動きは非常に嬉しく思います。
思い入れのある車に長く乗りたいと言う気持ちを
持つ人は、決して少なく無い筈ですから。
社外品も多数の会社から出てたり。なので海外の方が日本車維持しやすい。