コミュニティーバスとの出会い
筆者(増田剛己、モビリティ甘口評論家)が散歩に関する記事を書き始めたのは2003(平成15)年頃だ。記事を書くために街を歩いていると、小型のバスに出会うことがあった。普通の路線バスよりも小さくて、とてもかわいかったので、走っている姿をカメラに収めることもあった。
【画像】名物? これが練馬区役所の「食堂カレー」です(計10枚)
後で写真を見返し、インターネットで調べてみると、コミュニティーバスと呼ばれる自治体が運行するバスだと知った。しかし、しばらくは眺めるだけで、乗ることはなかった。自分はバスには乗らず、ただ歩くだけの散歩者だと思っていた。
その考えが変わったのは、股関節を悪くして歩行が困難になったときだった。コミュニティーバスに乗ったとき、路線バスなどの大型バスと違って、細い裏道を走るところが気に入った。車高も路線バスほど高くないので、歩いている感覚に近い。だから、足がよくなってからもしばしば利用した。
最初は自分の住んでいる区とその周辺のコミュニティーバスに乗っていたが、そのうち、いろいろな町に散歩に行くときにもコミュニティーバスを使うようになった。
運賃と年齢制度
東京23区の多くにはコミュニティーバスがある。インターネットで調べたところ、コミュニティーバスがない区は
・中野区
・目黒区
・江戸川区
だという。それ以外の区にはあることになる。かなり普及しているのではないだろうか。
できれば、20区すべてのコミュニティーバスに乗ってみたい。これまで筆者が乗ったのは、
・台東区
・千代田区
・中央区
・渋谷区
・文京区
である。先日、練馬区に行く予定があったので調べてみたら、「みどりバス」というコミュニティーバスが走っていた。しかし、運賃がちょっと高い。ほとんどのコミュニティーバスは100円だが、みどりバスは220円なのだ。
練馬区のウェブサイトに65歳以上は半額という記述を見つけた。筆者は6月に65歳になったのだ。というわけで、みどりバスに乗るために練馬区役所に行った。区内のコミュニティーバスを知るには、区役所に行くのが一番だと思う。路線図もあるし、区役所の人にバスの乗り方を聞ける。
というわけで、西武線練馬駅から徒歩5分の練馬区役所に到着。受付に行くと、そこにはみどりバスの路線図があった。あれれ、全部で6枚もあるぞ。
路線図が6枚ある理由
筆者がこれまで見てきたコミュニティーバスの路線図は、1枚のシートにさまざまな路線が描かれているのが普通だった。みどりバスの路線図は大小合わせて6枚。なぜだろうか。インターネットで検索してみると、その答えらしきものが見つかった。
まず、練馬区初のコミュニティーバスが運行されたのは1991(平成3)年。「練馬区シャトルバス」という名称で、現在の大江戸線光が丘駅開業にともない、光が丘~保谷間の路線としてスタートした。同じ頃、練馬区役所と関出張所を結ぶ路線も「関出張所線」として運行を開始した。
全国でも早いコミュニティーバスのひとつだったが、現在のように一般バスが走れないような細い道と駅を結ぶのではなく、シャトルバスの名のとおり、広い練馬区を東西に走るバスだった。
このほか、2003年には練馬北町周辺と光が丘駅を結ぶ「練馬区バス交通実験」が、2005年には練馬区内に点在する病院へのアクセスを中心とした「練馬区福祉コミュニティーバス」が運行を開始した。この時点で練馬区には3種類のコミュニティーバスが存在していた。
2009年、3種類のコミュニティーバスはみどりバスに統一された。現在は、西武バスが保谷、関町、大泉、南大泉の4路線、国際興業バスが北町と氷川台の2路線を運行している。現在6種類の路線図が存在するのは、それぞれの路線が独立した存在であるためなのだ。
乗車前のひととき
さて、そんなみどりバスに実際に乗ってみた。
区役所の受付で一番近いみどりバスの停留所を尋ねると、氷川台路線の練馬駅だと教えてくれた。早速駅に向かおうとしたとき、ふと気がついて「バス停があるのは駅のどっち側でしょうか」と追加で聞いたら、
「北口です」
とのこと。これは重要だ。以前も駅のバス停を探すのにかなり時間がかかったことがあった。北口にバス停があるとわかるだけで、ずいぶん助かるのだ。
というわけで、練馬駅の北口に向かった。かなり大きなバスターミナルで、いくつものバス停が並んでいる。どのバス停がみどりバスのバス停なのかわからなかったので、どこかにバス停マップがないか探してみた。そこで、ほかのバスより少し小さい緑色のバスが発車するのを見つけた。急いでそのバス停に行くと、ビンゴだった。
時刻表を見ると、氷川台路線は氷川台駅・東武練馬駅方面と光が丘公園方面の2方向。それぞれ1時間に1本程度だった。今出たのは光が丘公園方面だろうから、次の氷川台駅・東武練馬方面までは約35分ある。駅ビル内の店を見て回ったり、買い物をしたりして時間をつぶした。
満員の車内
バスの発車時刻の少し前にバス停に行くと、すでに数人が並んでいた。ここで気づいたのだが、ひとつのバス停に対して3本の線が引かれている。みどりバス・国際興業・都バスとある。
そこで筆者はみどりバスと書かれた線に並んだ。すると、筆者の後ろにどんどん人が並んできた。観光客ではなく、いつもバスを利用している地元の人たちのようだった。
やがて、みどりバスがターミナルに入り、目の前のバス停に止まった。人が順番に乗り込んでいく。筆者も運転手に免許証を見せ、65歳であることを告げる。運転手はすかさず交通系ICカードをかざすところを手で押さえる。そして、「どうぞ」と操作するので、Suicaをかざした。利用履歴を見ると、差し引かれた金額は220円の半分の110円。
バス停では次々と乗客が乗り込み、あっという間にバスは満員になった。
楽しい乗り心地
次々とバスに乗り込んでくるのは年配の女性ばかりで、みな興奮気味に話している。おそらく筆者より少し年上だろう。途中、ある乗客が走行中に席を立ち、知り合いと思われる乗客のところへ移動したところ、運転手が少し強い口調で「走行中の席移動は危険なのでやめてください」といった。
走行中に転倒する事故はかなり多いのだろう。このアナウンスはほかのコミュニティーバスでもよく耳にする。筆者も含めてそうなのだが、若い頃の気分で体を動かすと、イメージどおりに動かないことが多いので、気をつけなければならない。
みどりバスも氷川台駅を過ぎると少し空いてきた。そのまま乗っていると、とうとう乗客は筆者だけになった。そして、運転手が交代した。東武練馬駅で降りるつもりだったのだが、降りるタイミングを逃してしまい、バスは西武線の練馬駅。つまり最初に乗ったバス停までぐるりと一周してしまったのだ。乗り心地はなかなかよく、景色も楽しめた。
西武バスのみどりバスは、今回乗ったバスより大きいようなので、できればそちらにも乗りたい。
現在65歳なのでみどりバスは半額だが、70歳になれば東京都のシルバーパスを購入できる。できれば、5年後にその報告をしたい。
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老害メインの客層で、失うものがないぶん未来がある幼稚園児よりタチが悪いもんな。