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覇権継続目指すドゥカティの慎重な決断。「2024年よりも明らかに優れているものだけをすぐに使うことにした」

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覇権継続目指すドゥカティの慎重な決断。「2024年よりも明らかに優れているものだけをすぐに使うことにした」

 ドゥカティは、2025年に向けて開発されていた新エンジンではなく、昨年実績を残した2024年型のエンジンで2025年および2026年のMotoGPを戦うことを決めた。

 冬のテストを通じて、フランチェスコ・バニャイヤとマルク・マルケスに競争力と信頼性のあるパッケージを提供し、過去3年間のパフォーマンスを継続させるために、バイクの仕様をどうすべきかという課題に向き合ってきたドゥカティだが、新エンジンに対する懸念を払拭できなかったのだ。

■ドゥカティ、新エンジンの使用を断念。実績ある2024年型エンジンで2026年まで戦うことを決定

 ふたりのライダーは、新エンジンについて公然と疑問を表明しており、昨年のマシンの最大の長所であったブレーキング時の安定性が失われることを恐れていた。そしてドゥカティは、ブリーラムでのテスト中に陣営の全6台が旧型のエンジンを搭載することを決定した。

 コンセッション(優遇措置)を受けていないメーカーは開幕戦カタールGPでエンジンのホモロゲーションを行なわなければならず、2026年シーズン終了まで丸2シーズン、エンジンの開発が凍結されるため、ドゥカティはこのエンジンを計3年間使うことになる。

 ドゥカティの今季マシンであるデスモセディチGP25は、電子制御やサスペンション、スイングアーム、ギヤボックスはアップデートされている一方、シャシーと空力パッケージも前モデルを踏襲し、リスクを最小限に抑えて開幕を迎え、4月末のスペインGP後に行なわれるヘレステストで改良を目指すことになる。

 ドゥカティのゼネラルマネージャーであるジジ・ダッリーニャは、LinkedInに掲載されたコラムで、これらの選択について詳しく説明している。

「バルセロナ、マレーシア、タイ(のテスト)を終えて、スピードの面で得られた結果に満足できるのは確かだ。我々が自分たちに課した目標と適用すべき哲学は明確で、それはライダーたちとも共有されていた」

「2024年バージョンよりも明らかに優れているものだけが、初戦からすぐに搭載されることになった。残りは冷静に評価され、改善され、これまで以上に長くなることが約束されているシーズンを通して搭載が検討されることになる」

「説明するのが簡単な概念ではないが、すべての開発にプラス面しかないわけではない。実際、ほとんどの開発にはメリットとデメリットの両方があり、コースや客観的な条件によっては、どちらかが勝ることもある。したがって、テスト中に行なわれる作業はいくつかのサーキットでテストされる。そして少なくともシーズン前半の8~10戦で総合的に改善されるかどうかを判断するんだ」

「(新しい)エンジンに関しては、パフォーマンスとドライバビリティの面で有利であるにもかかわらず、エンジンブレーキの管理がより複雑であることがバルセロナのテストですでに明らかになっていた。だから我々はすでに2024年バージョン(のエンジン)を確認する準備が一部できていたし、その(2024年のエンジンを今後2年使用するという)選択のための準備はすべて整っていた」

 ダッリーニャは、エンジンよりも空力パッケージの選択が悩ましかったと明かした。

「一方、エアロダイナミクス・パッケージは、最も難しい決断であることが判明した。特にブリーラムのようなサーキットでは否定できないメリットがあったが、アルゼンチンやカタールのような高速コーナーがあるサーキットではデメリットになるリスクがあった。次のヘレステストで改良を加えて再度テストするつもりで、慎重を期すことにした」

「一方スイングアームとギヤボックスは見事にテストに合格し、車高調整デバイスに関してはレースで確認することになる」

 ダッリーニャは、「各コースでのバランスと競争力が勝負の分かれ目」となるような熱戦が繰り広げられることを期待し、コラムを締めくくった。

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みんなのコメント

3件
  • mox********
    十数年モリモリの下駄履きでようやく奪取したタイトル
    タイヤ供給元の制限
    エンジンの開発の制限
    制御ソフトの共通化でひたすらに欧州勢優遇
    Fウイングと言う危険なパーツを安易に受入れ
    どんだけ下駄履きさせたら気が済むのかね
  • tqd********
    優遇制度はないけれど、
    大変そうではありませんね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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