80年代に若者にヒットした希少なシティ・カブリオレ
ホンダが1980年代に販売して、個性的でユニークな発想が若者から絶大な支持を得てヒットした「シティ」シリーズ。1984年にその仲間に加わったのが、当時、国産で唯一のファッショナブルなオープンカーとして登場した「シティ・カブリオレ」だ。静岡県の「オートショップTAKEEY’S(タキーズ)」が取り扱う1台を紹介しよう。
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日本のコンパクトカーの流れに影響を与えたシティシリーズ
そういえば、昭和の名車の中には季節を連想させるクルマが数多く存在していた。「Nostalgic 2days(ノスタルジックツーデイズ)」に展示されていたホンダのシティ・カブリオレは、まさに夏がよく似合うモデルだ。1984年のデビュー時のキャッチコピーは「太陽標準装備の、シティ・カブリオレ」だった。当時、サーファーズブランドが流行り、巷では陸サーファーなんて呼び名が出始めた時代に登場したクルマだ。ちょっと軟派で爽やかな男たちが、自分の趣味とお洒落なカーライフを結びつけるためのクルマとして注目された。
ホンダの初代シティは1981年に登場して以来、コンパクトカーの定番モデルに成長した。トールボーイと言われる背の高い愛嬌あるルックスと、使い勝手の良さが好評で、その後へ続く日本のコンパクトカーの方向性を示した1台だった。
ターボ搭載の加速マシンから、ファッショナブルなオープンカーまで、自在な発想で若者の心をつかんだ
1983年には、「シティ・ターボII」が登場。勇ましいルックスのターボエンジン搭載車で、ダイナミックフェンダーと呼ばれる大型のブリスターフェンダーを採用し、リアフェンダーにはダクトが設けられた。
ターボIIは、ドッカンターボによるメリハリの効いた爆発的な加速で、スポーツカー好きの若者に対して猛アピール。そんなカッ飛びマシンとして知名度を高め、「ブルドッグ」という愛称で呼ばれた。
そのターボIIのボディをベースにしたモデルとしてデビューしたのが、シティ・カブリオレだ。硬派でスポーティなターボIIとは真逆の方向性で、カブリオレはスピードよりも豊かなカーライフをイメージさせる戦略を展開した。これが大当たりし、見事な成功を収めたのだ。
ピニンファリーナがデザインを手がけた
シティ・カブリオレの基本構造は、イタリアのピニンファリーナ社に依頼し、技術的な協力を受けている。当時の日本人は舶来品という言葉にめっぽう弱く、そういう意味では、イタリアのカロッツェリア(カーボディのスペシャルメーカー)がデザインしたクルマとなれば顧客のウケも良く、絶好のセールストークになったはずだ。
さらに、徹底したポップ路線を貫いてカスタマーにアピールしたのも、成功の秘訣だったと思われる。ボディカラーはピンク、グリーン、オレンジ、ブルー、イエローといった他車にはない珍しいカラーリングを中心に全12色もラインナップしている。自分だけの色選びができるようなオーダーメイド感覚を味わえるところも、魅力のひとつになっていた。
オシャレでユニークな装備が満載
内装は舶来という表現にふさわしく、お洒落なチェック柄のファブリックシートが採用されている。ビニールレザーシートも用意されていたが、売れ筋はファブリックシートだったという記録が残っている。
このシティ・カブリオレについては、他にもユニークな装備があり、エアコン吹き出し口はフタを押して開けて回すという独特な機構になっている。またエアコン装着車は、ダッシュボードの上に250mlの缶ジュースが2本入るクールボックスなる物まで装備していたというから面白い。
クルマにすっぽり収まるバイクで新たなレジャースタイルを提案
そして、シティといえば忘れてはいけないのが、ラゲッジスペースにジャストフィットで収納することができた小型バイク「モトコンポ」の存在だ。1981年にシティと時を同じくして発売され、「4輪+2輪の6輪ライフ」というテーマで、シティに搭載できるバイクとして登場している。モトコンポは当時高まっていたレジャー需要に応えるために、「クルマで出かけた先のアシとして活躍できる」というコンセプトのもと開発された。折り畳み式のトランクバイクという言葉も、モトコンポの登場によって初めて使われた。
当時のホンダは若者に向いて、斬新な発想でクルマを開発していた
まさにホンダ流の遊び感覚を持った新発想のレジャーバイクが、モトコンポなのだ。組み立て式という変幻自在さを武器に、行く先々で機動力を活かして楽しむことができるバイクだった。シティ・カブリオレにはモトコンポは搭載できなかったものの、リアシートに載せるのが当時流行っていたらしい。クルマ+バイクという組み合わせが、まさに当時のホンダイズムの集大成ともいえる。
こうして改めて80年代の名車を見ていくと、あの時代、自動車メーカーはつねに若者側からの目線で、斬新なクルマを作っていたことを実感する。シティ、ブルドック、カブリオレは、どれもベースとなっているクルマとしては共通しているが、じつは似ているようで似ていないところがある。それぞれのキャラクターが際立っていて、その時代を象徴するクルマといえるだろう。
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