「FIM Eエクスプローラー ワールドカップ」日本初開催
「FIM Eエクスプローラー ワールドカップ」とは、2023年から始まった電動バイクの新しい競技である。その内容も斬新で、おおまかにまとめると次のようなレースだ。
【画像12点】男女ペアによる電動バイク最速決定戦「オフロード競技の腕利きたちが、大阪に集った」
・男女ペア1組が1チームで、男女それぞれ別に走る
・コースは都市と自然の地形をミックスし、市街地の舗装路やアウトドアのオフロードを用いる
・使用するバイクはプロトタイプの「ハイパーバイク」と市販車ベースの「GT」がある(ただし、レースでのカテゴリー分けは無い)
・勝敗は総合ポイントで決まる
参加する選手は世界各国のオフロード競技の腕利きたちが集まり、マシンもヨーロッパ製や中国製など様々。
2年目となる2024年は初めて日本でレースが行われ、しかも開幕戦に据えられたのだ。それだけでなく、ホンダが電動モトクロッサーCR ELECTRIC PROTO(以下CR-E)でファクトリー参戦……とトピックス満載となったFIM Eエクスプローラー ワールドカップ第1戦・大阪大会。
2024年2月15~16日、万博記念公園で開催されたレースの詳細をレポートする。
レースは予選からスペイン製マシンのスターク勢とホンダの戦いになった。
予選1番手は男女ともに昨年のチャンピオンで、男子はRobbie Madison Racing(以下RMR)のザラゴサ、女子はINDE Racing(以下INDE)のゴメス。
二人ともいち早く電動マシンにフィットしたライディングを体得しているとも言えるのではないか。
特にザラゴサは、コーナーリング時のバンクが深く、さらにラインは他のライダーよりも1本イン側のラインをトレースできるなど、会場ではそのライディングスキルの高さが話題になったほどだ。
逆にHRCの男女ペアはともに初めての電動マシンで、男性ライダーのシャレーナはダカールラリーで手首を骨折しており、マシンにも今回の来日で初めてライドしたというから、少々条件が悪いようにも思えた。そう考えると、僅差で女子2番手となったノチェラは、イタリアオフロード界の女王というべきポテンシャルを早くも発揮したというわけだ。
この予選結果からすると、RMRのザラゴサがやや抜け出ているが、それ以外はマシンもライダーも拮抗しているように見える。特にマシンの優劣に関してはそれを決定づける要素はまだ何も見えず、といったところだった。そして、決勝は8分+1周を男女ともに3ヒート行い、その総合獲得ポイントで順位を決める方式だ。
ヒートレース毎の獲得ポイントは1位:25点、2位:22点、3位:20点、4位:18点、5位:16点、6位:15点、7位:14点、8位:13点となる。
2023年の男子チャンピオン、女子チャンピオンが圧倒的な力を見せた
日本初開催の記念すべき最初のヒートレースとなった男子のヒート1。
しかし、スタート直後の1コーナーでHRCのシャレーナがまさかのスリップダウン。スタートからトップに立ったのは案の定、RMRのザラゴサ。これを必死に追い上げるシャレーナだったが8分と短いレース時間では挽回できず3位、ザラゴサがポールtoウィン。
そして女子ヒート1もなんと、HRCのノチェラが他のライダーと絡んでスタート直後に転倒、最下位からの追い上げとなってしまう。レースはINDEのゴメスが制し、2位はGRAVITYのシュロッサー、ノチェラは4位と、早くもポイント上は男女ともにHRCがハンデを負った形になってしまった。
男子ヒート2はシャレーナが好スタート、トップに躍り出るが2コーナーでシャレーナが通れないイン側のラインをザラゴサが突いて、これをパス。シャレーナはそのまま追走するもザラゴサがじりじり引き離しそのままチェッカー。
女子ヒート2はシュロッサー、ゴメス、ノチェラが三つ巴となり、ノチェラが勝ち、ゴメス2位、シュロッサー3位。
男子ヒート3では再びザラゴサがポールtoウィン。シャレーナはBONNELLのウッドコックと競り合いながらの2位。その間にザラゴサは約20秒という大差を築く活躍で、3ヒート完全制覇を見せつけた。
この時点で、総合得点はRMR:113点、HRC:107点、INDE:101点で、残る女子ヒート3でHRCのノチェラが、RMRのジェルモンドに7点以上の差を付けない限り、総合優勝はRMR……というHRCにとっては非常に厳しい状況となった(同点の場合は勝利数の多さでRMRが優勝)。それどころか、順位によっては3番手のINDEに逆転される可能性さえあったのだ。
最終レース、女子ヒート3は、シュロッサーがスタートでトップに躍り出たが、HRCのノチェラがこの日一番の気迫を感じさせる走りでこれを追い詰めて抜き去る。その後方では、INDEのゴメスがBONNELLのマッキノンを追い抜き2位に。RMRのジェルモンドは4位。この結果、総合得点はHRC:132点、RMR:131点、INDE:121点となり、僅か1点差でHRCが逆転優勝し、辛くも初レースを勝利で飾った。
なお男子の順位はRMRのザラゴサ、HRCのシャレーナ、BONNELLのウッドコック、女子はINDEのゴメス、HRCのノチェラ、GRAVITYのシュロッサーの順となった。
HRC初参戦で優勝、インド人オーナーのチームが初参加&初表彰台という歴史的瞬間
レースが終わってみれば、男女別ではともに昨年のチャンピオンが優勝し、総合ではHRCのペアが高いバランスによって勝利を掴み取った形である(もしも昨年のチャンピオンが引き続きペアを組んでいたら、圧倒的勝利を納めていたことだろう)。
また、女子1位・総合3位となったINDE Racingは、FIMレース史上初のインド人オーナーによるチームの初参加、初表彰台を記録している。このことは、ホンダのCR-Eが初優勝したことと同じくらいの歴史的意義があるかも知れない。
現在の世界的経済動向を考えると、あるいは今回のINDE Racingの勝利は新しい歴史の始まりになる可能性も秘めており、そういった点で、日本で行われたEエクスプローラーの開幕戦にはなかなか意義深いものがあったのである。
同時に、普段はあまり知ることのない、ヨーロッパのオフロードレース界で活躍するトップライダー達の実力にも触れることができる良い機会でもあった。Eエクスプローラー第2戦はノルウェーで5月に開催される。
レポート●関谷守正 写真●柴田直行 編集●上野茂岐
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