環境性能や安全性能の向上が求められるようになったことに加えて、先進運転支援などの装備も充実、さらには物価高騰などによって、軽自動車であっても軽く200万円を超えてくるなど、本当にクルマが高くなった昨今。そうそう買い替えることができず、「少しでも長く乗りたい」と考える人は少なくないのではないでしょうか。
クルマの買い替えタイミングとしては、かつては「10年10万キロ」などといわれましたが、乱暴な運転をせずしっかりメンテナンスをすることで、もっともっと長く乗ることは可能。愛車の寿命を伸ばすクルマの運転と管理術をご紹介しましょう。
ガソリンは「ガス欠ギリギリにしない」が愛車に優しい!! 愛車の寿命を伸ばす運転術
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_metamorworks/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】少しでも長く乗りたい!! 愛車の寿命を伸ばすクルマの運転と管理術(8枚)
オイル交換は適切なタイミングで
クルマを少しでもいい状態でキープするうえで、まず意識してほしいのは、エンジンオイルの交換です。昨今は、エンジン自体の耐久性に加えて、エンジンオイルの耐久性も向上していることで以前よりも交換サイクルが長くなっており、エンジンストップする瞬間のあるハイブリッド車の場合はさらに交換サイクルが長くなりますが、交換しなくてよくなったわけではなく、定期的なオイル交換はやはり必要。
JAFは、ガソリン車で通常の使用であれば、1万5,000kmまたは1年ごとが、エンジンオイルの一般的な交換時期としています。このタイミングを過ぎたとしても、直ちにエンジン性能に影響が及ぶことはありませんが、徐々に性能劣化し、潤滑や冷却といった役割を徐々に果たせなくなっていきます。さらに劣化が進むと、オイルスラッジと呼ばれる汚れがエンジン内部で蓄積、あるタイミングで焼きつきを伴って、エンジンは動作不良となり、最終的には停止にいたってしまいます。
エンジンオイルは、クルマの種類や年式、季節や気温、地域、運転操作など、使用状況によって汚れ具合は変わってきますが、交換すべきかの判断は、見た目ではなかなか難しいもの。どんな使用環境でも適切な状態を維持するためには、やはり推奨タイミングでの交換が必要なのです。
クルマを少しでもいい状態でキープするうえで、まず意識してほしいのは、エンジンオイルの交換。昨今は性能向上によって交換サイクルが長くなっているが、定期的な交換はやはり必要(PHOTO:Adobe Stock_Петр Смагин)
Pレンジはパーキングブレーキをかけてから
運転操作で気を付けたいポイントが、駐車時のPレンジとパーキングブレーキの操作の順番です。正しい順番は、先にパーキングブレーキをかけ、その後Pレンジに入れるという順番。特に、Pレンジにいれたあと、ブレーキペダルから足を離してしまう人は要注意です。
昨今増えている電動パーキングブレーキのように、Pレンジに入れると(同時に)自動でパーキングブレーキがかかればよいのですが、Pレンジに入れたあとブレーキペダルから足を離してパーキングブレーキをかけてしまうと、わずかにクルマが動いてしまいます。
これは、Pレンジが、トランスミッション内部の歯車に爪(パーキングロックポール)をかけることで、シャフトをロックし、タイヤが回転しなくなる仕組みであるため。タイヤ自体の回転をロックしている状態ではないため、ブレーキペダルから足を離すことでパーキングロックポールだけがクルマの前後移動を抑制することになり、トランスミッションが本来持っていない役割をすることになってしまい、トランスミッションを痛めつける行為となってしまうのです。
駐車する際は、Pレンジとパーキングブレーキの順番に注意したい。正しくは「パーキングブレーキをかけた後に、Pレンジに入れる」だ(PHOTO:Adobe Stock_あんみつ姫)
据え切り操舵は避けて、段差には極力乗り上げない
駐車時は、タイヤを痛めつける行為に繋がってしまう操作が起きやすいシーン。まず気を付けたいのが、クルマを動かさずにハンドルを回す「ハンドルの据え切り」です。クルマのタイヤ一輪には、300~500kgもの荷重がかかっています。これだけの荷重がかかっている状態でハンドル操作をして地面にこすりつけることは、タイヤトレッドを削っている行為。タイヤの摩耗を減らすには、交差点やコーナーで、スピードを落とすことも重要です。
また、縁石や段差、キャッツアイなどの突起に乗り上げたりすることも、タイヤやサスペンションへ強烈な衝撃が加わってしまうため避けてほしい行為。特に、昨今増えている低扁平なタイヤは、タイヤのサイドウォールが撓むことで出来る逃げが少ないため、ホイールと突起物との間でタイヤのサイドウォールが潰れ切ってしまい(ピンチカット)、最悪の場合、パンクに至ってしまいます。段差やキャッツアイなどへ乗り上げざるを得ない場合は、突起を極力踏まないよう、車速を落としてタイヤの軌跡を選んで進むようにしましょう。
ほかにも、クルマ止めがある駐車場では、一度クルマ止めにゆっくりとタイヤを当てたあと、少しだけ前進(前進駐車の場合は後退)して、クルマ止めからわずかに離すようにして止めるようにすることで、足回りにかかる余計な負荷を減らすことができます。
クルマ止めにタイヤを強く押し付けている状態は、クルマを痛めつける行為。一度クルマ止めに当てたあと、少しだけ前進してクルマ止めからわずかに離そう(PHOTO:Adobe Stock_ xiaosan)
燃料タンクは、空に近い状態を維持しないほうがいい
また、燃料タンクを空に近い状態を続けてしまうことも、避けてほしい行為。ガソリン価格が高騰している昨今は、少しでも燃費をよくしたいと、「(車重を軽くするために)給油する際に半分までしか入れない」という人もいるようですが、燃料タンクは、空に近い状態が続いてしまうと、燃料ポンプに負担がかかってしまう可能性があります。
燃料ポンプは、タンク内の燃料によって、冷却され潤滑されています。燃料が少なくなるとポンプが燃料を吸い上げることができなくなって空回りしてしまい、ポンプが痛んでしまうのです。特に坂道などではその状態になりやすいため注意が必要です。
燃費が気になるというのもものすごくわかりますが、燃費に関しては、燃料の重さよりも運転操作の仕方のほうがより影響が大きいですし、ガソリンスタンドの場所によっては、わざわざスタンドに出向く燃料のほうがもったいないという考え方もあります。無駄な荷物を載せないというのは、タイヤにかかる荷重を減らす(=タイヤトレッドにかかる負荷を減らす)という意味でもぜひとも取り入れたいところですが、日常的に使用されるクルマであれば、基本的に満タン給油をしたほうがよいのではないか、と筆者は考えます。
燃料タンクを空に近い状態を続けてしまうことも、避けてほしい行為。空に近い状態が続いてしまうと、燃料ポンプに負担がかかってしまう可能性が(PHOTO:Adobe Stock_Haru Works)
◆ ◆ ◆
ワイパーやバッテリー、オイル、タイヤ、サスペンションのゴム部などの消耗部品は、交換すれば元に戻せますが、それ以外の部分、例えばサスペンションアームやエンジン、トランスミッション、燃料配管、駆動系などに不調が起きてしまうと、直すのに大きなお金がかかることもあります。特に、移動時間15分未満のようなチョイノリを繰り返す人は要注意。オイルなどは、定期的に走行することで性能を維持している役割がありますので、たまには長めに運転するようにしてください。
ちょっとやそっと乱暴な扱いをしたくらいではビクともしない昨今のクルマですが、そのダメージは確実にクルマに蓄積されていきます。特に日常的にやってしまうことは、繰り返しダメージを受けることで、何気ない動作であっても、故障の原因になってしまうことも。お得なカーライフは日々のメンテナンスから。ぜひ参考にしていただき、愛車を長く楽しんでください。
【画像ギャラリー】少しでも長く乗りたい!! 愛車の寿命を伸ばすクルマの運転と管理術(8枚)
投稿 ガソリンは「ガス欠ギリギリにしない」が愛車に優しい!! 愛車の寿命を伸ばす運転術 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
【彼らも胸中は複雑】MT車ってもう時代遅れなんだと思います…最近の若者の“リアル”な運転免許事情
休日割引「3連休も廃止」に不満爆発!?「高速料金高すぎ」「国民を苦しめるな」の声も…なぜ休日割引は縮小されるのか かつては「ものすごい割引」の時代も!?
えぇ!? [200馬力]越えを80万前後で買えるの!? 2代目日産 [フーガ]250GTの中古がいま熱い件
日産「“新型”マーチ」まもなく登場!? 丸目ライトの「コンパクトカー」! 2025年に復活な「パワフルモデル」どんなクルマに?
高速道路の「休日割引ナシ」大幅拡大 2025年度から“3連休ぜんぶダメ”に 一体なぜ?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント