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A110の5座SUV版? アルピーヌA390 プロトタイプ 想像超えの軽快感 総合出力は400-500psか

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A110の5座SUV版? アルピーヌA390 プロトタイプ 想像超えの軽快感 総合出力は400-500psか

駆動用モーター3基の電動クロスオーバー

正式に復活したアルピーヌは、成長を止めない。素晴らしいミドシップ・スポーツのA110で話題を集め、バッテリーEVのA290で電動ホットハッチを我々に指し示した。

【画像】想像超えの軽快感 アルピーヌA390 プロト A110とA290 セニック E-テックにV6ターボも 全120枚

第3弾となるのが、A390。家族全員を乗せて移動できる、電動SUVだ。駆動用バッテリーをフロア下に積む、完全に独自開発された正真正銘のアルピーヌとなる。

駆動用モーターは前に1基、後ろに2基の計3基。トルクベクタリング機能が有効なことは、説明不要だろう。カーブでは、内側のタイヤの回転を抑えつつ、外側へパワーを掛けることで、鋭い旋回を可能としている。エンジンモデルでは難しい制御といえる。

技術的にはルノー・セニック E-テックとの繋がりが強いものの、ホイールベースが異なり、ボディやバッテリーも別物。正式発表は2026年の予定で、今回はミシュランが保有するフランス・ラドゥーのテストコースで、試作車を味見させていただいた。

6角形のステアリングホイールはA290と同じ

アルピーヌは、古くから軽量化を重んじてきた。しかし、バッテリーEVのクロスオーバーは軽く仕上げることが難しい。独自のパワートレインと電子制御技術で、A110のような軽快さの再現が狙われたようだ。

後方2基のモーターは背中合わせに並び、左右のタイヤをクラッチで制御する、大きなユニット1基より高さが抑えられている。タイヤのサイズは、前後で同じ。リアトレッドを広げることで、トラクションと安定性を担保しながら、低価格化を目指したという。

四輪操舵システムは装備されず、サスペンションはアダプティブではない。自然なフィーリングを目指しつつ、ここでもコストが抑えられている。駆動用バッテリーの容量は、まだ公表されていない。

ボディだけでなく、インテリアも偽装されていたが、A290と近いテイストになるのではないだろうか。6角形に近いステアリングホイールは、A290と同じだ。

400psから500psの間? ブレーキはバイワイヤ

まだ秘密の最高出力は、400psから500psの間だと予想する。明らかに速いが、息が詰まるほどではない。スポーティなクロスオーバーとして、丁度いい加減だろう。

アクセルペダルの反応は線形的で、ステアリングホイールには回生ブレーキの効きを調整するロータリーダイヤル。ブレーキはバイワイヤで制御され、ペダルの踏み始めは若干スポンジーに思えたが、力を込めると頼もしい制動力が返ってきた。

試作車には非実装だったが、アルパイン・ドライブサウンドと呼ばれる、A110の吸気音に着想を得た合成サウンドを、車内で楽しめるらしい。だが、ヒョンデ・アイオニック 5 Nのような、合成のエンジン音やフェイクの変速までは再現されていない。

それは、アルピーヌの哲学に反すると判断された。アイオニック 5 Nでの体験は評判が良いから、実装されても良いかもしれない。

A110を彷彿とさせるとまではいえない?

操縦性は、A110を彷彿とさせるとまではいえないかも。乗り心地は硬めで、ボディはしっかり路面へ押し付けられたような印象だった。

ドライブモードにはノーマル、スポーツ、トラック(サーキット)の他、独自に登録できるインディビジュアルも用意。ただし、パワー分配やサスペンションは変更できない。技術者は、過度な変更でバランスが崩れるより、多少の制限はあった方が良いと話す。

ノーマル・モードでも、グリップ力は見事。濡れた路面で攻め込むと、穏やかにアンダーステアへ転じ、スタビリティ・コントロールが滑る前に抑え込む。スポーツではステアリングが僅かに重くなり、介入が遅くなる。変化度は小さいが。

タイヤは、グレードに応じて20インチのミシュラン・パイロットスポーツEVか、21インチのパイロットスポーツ 4Sが組まれる予定。後者を選ぶと、航続距離が約16km短くなるが、操舵感は鮮明になる。

後輪駆動へ近い体験 想像以上の軽快感

サーキット・モードでは、後輪駆動へ近い体験を得られる様子。パワーオンでライン調整でき、アクセルペダルを蹴飛ばすとテールを流せる。タイヤの違いも如実に現れ、パイロットスポーツ 4Sの方が好印象だった。

ただし、挑発的な入力へシャシーは応えてくれるものの、完全に意のままというわけではない。スタビリティ・コントロールはオフにできるが、四輪駆動システムが挙動を先読みし、意図しないタイミングで鎮められてしまう。

もちろん、A390は大きなA110ではない。それでも、2tはあるであろう電動クロスオーバーとして、想像以上の軽快感はある。合計3基の駆動用モーターが叶える身のこなしの実力を、今回は確かめられなかったけれど。

少なくともテストコースでは乗り心地が良く、濡れた路面で運転を楽しめた。アイオニック 5 Nのように、躍動感から来る興奮まではなかったとしても。現実的な環境で、完成したA390を確かめられる日を楽しみに待とう。

◯:興味深い電動パワートレイン 奥行きのある操縦性 直感的で感触の濃いステアリング
△:まだ不明な点が多い 期待するほど、透明度の高い操縦性ではないかもしれない

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