現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > RVブームの頃は珍車の宝庫!? いまでは希少なクロカン4WD車5選

ここから本文です

RVブームの頃は珍車の宝庫!? いまでは希少なクロカン4WD車5選

掲載 更新 10
RVブームの頃は珍車の宝庫!? いまでは希少なクロカン4WD車5選

■かつて、ユニークなクロカン4駆がたくさんあった!

 現在、人気が高いクルマといえばSUVです。しかし、1990年代のRVブームの頃は、いまのSUV人気以上の盛り上がりをみせていました。

キムタクが乗っていた車が人気!? ドラマに登場して話題となった車5選

 当時は各メーカーから、さまざまな本格的なクロスカントリー4WD車が発売され、ほとんどのユーザーがその性能を発揮できる環境になかったとしても、関係なく売れていました。

 そこで、かつて販売していたクロスカントリー4WD車のなかから珍しいモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「メガクルーザー」

 1996年に発売されたトヨタ「メガクルーザー」は、大規模災害時に人命救助などの任務を迅速に遂行する点に主眼を置いて開発された、陸上自衛隊の高機動車をベースにした市販車です。

 その大きなボディサイズや車体の形状から「和製ハマー」とも呼ばれました。

 狭い場所でも切り返せるように最大12度の逆位相4WS(4輪ステアリング)を装備し、全長5090mm×全幅2170mm×全高2075mmと、巨大なボディでありながら最小回転半径5.6mを実現。あくまでも軍用ではなく救援活動を主な目的としているメガクルーザーならではの特徴です。

 内装は前席中央にエンジンの一部とトランスミッションが収まるため、巨大な張り出しがあり、2人分のシートが装着され、後席は横に4人が乗れる3つのシートがあり、6人乗りとなっています。

 搭載された4.1リッター4気筒ディーゼルターボエンジンは、最高出力170馬力/最大トルク43.0kgmで、組み合わされるミッションは4速ATのみです。

 駆動方式はフルタイム4WDとされ、トルセンLSD、デフロック、後輪にはオプションでタイヤ空気圧調節機能も装着可能で、一般のSUVとは比較にならないほどの高い悪路走行性能を誇っていました。

 すでに一般向けモデルは生産終了となっていますが、自衛隊用は政府からの要請によって都度生産となっていて、現在も納品されています。

●日産「ミストラル」

 かつて日産が販売していたクロスカントリー4WDというと、フラッグシップの「サファリ」とRVブームをけん引した「テラノ」、ピックアップトラックの「ダットサントラック」がありました。

 さらに、日産は1994年にスペイン日産で生産した「ミストラル」を輸入し、販売を開始します。

 シャシはテラノなどのものを流用し、当初はロングボディ3列シートの5ドアのみで、後に3ドアのショートボディが加わります。スタイリングは、いかにもクロスカントリー4WDというテラノに比べ、スタイリッシュに仕立てられていました。

日本仕様のエンジンは全グレード共通で2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルターボを搭載。トランスミッションは4速ATが組み合わされたパートタイム式4WDです。

 欧州が主なマーケットだったため、直進安定性が高くオンロードでの性能が重視されていました。一方で、リアにLSDが標準装備されるなど、オフロード性能にもこだわっています。

 人気的にはテラノほど高くなく、1999年には販売を終了。現存数も少なく、中古車市場でも滅多にお目にかかれません。

●ホンダ「クロスロード」

 ホンダは1980年から英国のローバーグループと提携関係にあり、1993年からミドルクラスSUVのランドローバー「ディスカバリー」のOEM供給を受け、初代「クロスロード」として販売。

 RVブームの頃に、ホンダは自社でSUVを生産していなかったため、同時期にいすゞからOEM供給されていた「ジャズ」と「ホライゾン」とともに、ホンダのRVラインナップを形成します。

 外観はほぼディスカバリーのままで、エンブレムの差異にとどまっており、ボディはルーフ後半を一段高くしたステップド・ルーフやリア・クォータールーフウインドウを採用して、広い室内空間を確保。

 また、用途に合わせて選択できる3ドア(定員5名)、5ドア(定員7名)のふたつのバリエーションが用意せれていました。

 エンジンは最高出力180馬力のローバー製3.9リッターV型8気筒OHVエンジンを搭載し、トランスミッションは4速ATのみで、駆動方式はセンターデフロックが可能なフルタイム4WDとしていました。

 当時の価格は約400万円であったことや、インチサイズのボルト、ナットを使用していたため、ディーラーでも整備ができるところが限られていたため、販売は低迷。

 ホンダはローバーグループとの提携を解消して、1998年にはクロスロードの販売を終えます。

 その後、2007年に自社で開発したSUVとしてクロスロードが復活。しかし、こちらも短命に終わっています。

■マツダが本格クロカン4駆を販売していた!?

●三菱「ストラーダ」

 1990年代の三菱には、RVブームをけん引した「パジェロ」や、元祖クロスカントリー4WD車の「ジープ」、ほかにも「デリカ」と、SUVをフォウ付にラインナップしていましたが、さらなるニーズに対応するべく4WDピックアップトラックの初代「ストラーダ」を市場投入します。

 1991年に発売されたストラーダは、4ドアのダブルキャブで5人乗りとし、荷台には5人分のレジャーグッズを積んで、余裕をもって出かけられるというコンセプトで開発されています。

 グレードはドレスアップモデルの「R」と、ベーシックモデルの「S」を用意。Rはワイドフェンダーやグリルガード、ツインチューブタイプのロールバーを装備しており、一見するとカスタマイズカーのようでした。

 エンジンは両グレードとも85馬力を発揮する2.5リッター直列4気筒ディーゼルで、トランスミッションは5速MTのみ。パジェロなどで実績のある4WDシステムを採用し、悪路走破性の高さに定評がありました。

 1997年にはタイで生産されていたピックアップトラック「L200」をベースとした2代目にバトンタッチしましたが、わずか2年後の1999年に販売を終了します。

●マツダ「プロシードマービー」

 現在、マツダのSUVラインナップは「CXシリーズ」というクロスオーバータイプのみで展開していますが、かつてはクロスカントリー4WD車を販売していたことがあり、それが1991年に発売された「プロシードマービー」です。

 プロシードマービーはピックアップトラックのプロシードのシャシに、ステーションワゴンタイプのボディを載せた乗用車で、この手法は日産テラノやトヨタ「ハイラックスサーフ」と同様でした。

 エンジンは2.6リッター直列4気筒ガソリンと2.5リッター直列4気筒ディーゼルの2種類を搭載。トランスミッションは4速ATと5速MTがあり、駆動方式はパートタイム4WDとなっていました。

 サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアがリーフリジッドと、ピックアップトラックではメジャーな形式で、頑丈な作りとなっており、クロスカントリー4WD車には最適なサスペンションを採用。

 RVブームの終焉とともに販売は低迷し、1999年に販売を終了。後継車はありませんでした。

※ ※ ※

 冒頭にあるとおり、当時のクロスカントリー4WDのユーザーは、クルマの性能を発揮できたのでしょうか。

 パートタイム4WD車を買って4WDに切り替えるケースは、雪国に住んでいるかウインタースポーツに行く場合がほとんどで、多くのユーザーは4WDにすることなく売却してしまったといいます。

 一方で、クロスカントリー4WD車の最大の魅力は悪路走破性ですが、デザインやスペックで選ぶというのも理解できます。

 そうしたユーザーのニーズをメーカーが汲み取ったからこそ、現在のSUV人気があるといえます。

こんな記事も読まれています

【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
カー・アンド・ドライバー
GW渋滞、九州道のピークは5月3日に最大30km! 東九州道と長崎道も混雑か【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、九州道のピークは5月3日に最大30km! 東九州道と長崎道も混雑か【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
くるまのニュース
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのニュース
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レスポンス
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
レスポンス
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
月刊自家用車WEB
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
motorsport.com 日本版
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
くるまのニュース
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
バイクのニュース
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
レスポンス
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
日刊自動車新聞
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
レスポンス
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
AutoBild Japan
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
レスポンス
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
グーネット
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
WEB CARTOP
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

10件
  • エスクードとカプチーノを足して2で割ったような、スズキのX90こそ珍車でしょう。
  • メガクルーザーの走破性にはビックリしました。オフロードコースでランクルが駄目な場所でも行きますね(((^_^;)車高の割りに幅があるから傾きに対して不安感も少なくハブリダクションのお陰とタイヤのエア圧調整、4WSで何処でも行けそうな感じでした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

244.3308.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

54.8278.0万円

中古車を検索
テラノの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

244.3308.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

54.8278.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村