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ニュル24時間耐久でクラス優勝を果たしたWRX STIが帰ってきた

■戦いの痕をそのままに帰国したマシン。市販同等のチューニングパーツも確認した

かつて「世界最大の草レース」と呼ばれていたニュルブルクリンク24時間耐久レースも、いまや欧州の各メーカーがプロモーションの場として利用するようになり、とくにGT3マシンが競うクラスは実質的にワークス対決となっている。もはや草レースではなく、市販車改造マシンで競う世界最高峰の24時間耐久レースとなりつつある。

ドイツ・ニュルブルクリンク24時間レースでスバルが2年連続でクラス優勝

そんなニュルブルクリンク24時間耐久レース、2019年の大会は6月22日~23日にかけて開催された。日系メーカーではトヨタやスバルが参加したことで多くのメディアで報道され、その情報を目にしたという方も少なくないだろう。そしてスバルはニュルブルクリンク24時間レース(同社ではNBRチャレンジと呼んでいる)のために作り込んだWRX STIで参戦、クラス2連覇を果たした。

その優勝マシンが長い船旅を経て、ようやく日本に帰ってきた。そして、ツインリンクもてぎで開催されたワークスチューニング合同試乗会の会場において、帰国したばかりの「WRX STI NBRチャレンジ 2019」を目にすることができた。

過酷な24時間レースの戦いぶりを伝えるべく、完走したままの状態で、あえて洗車もせずに持ち帰ったというマシンのノーズには無数の虫を潰した跡をはじめとした汚れが付着したままだ。また、左前のフェンダーやホイールにはレース中にアウディのGT3マシンと接触した際にできた傷跡が生々しく残っていた。フェンダーは割れ、ホイールも削れてしまっていたが、それでも無事に完走できるというタフなマシンメイクがなされていたことも伝わってくる。

とくにBBS製のホイールは、それまでのマグネシウム製から2019年よりアルミ製に変えていたことが、功を奏したという。マグネシウムは割れやすいが、アルミは接触に強い。アルミのほうが1本あたり100gほど重くなるというが、耐久レースで勝つためには確実にゴールすることが重要であり、長年の経験による選択が勝利を掴む要因のひとつになったというわけだ。

エンジンフードを開けてもらうと、タービンやステアリングギアボックスを冷やすためのダクトが引かれていることが確認できた。さらにタイヤの表面温度を計測するセンサーも設置されている。でき得ることはすべてやってトラブルの芽を摘もうという意思が見受けられる。

こうしたディテールからは勝利への執念が伝わってくる。クラス優勝を果たしたからという先入観がないとはいわないが、なにしろ「WRX STI NBRチャレンジ 2019」は、そこはかとない迫力と本物感に満ちている。勝利したままの姿を見ているだけで、24時間の過酷さだけでなく、そこに至るまでのプロジェクトの苦労がしのばれるのだ。

巨大なリアウイングが、かなり寝かせたセッティングになっているのは長い直線のあるニュルブルクリンク向けのセットアップを感じさせる部分だが、それだけではなく2019年モデルではエアロダイナミクスを見直したことでレース中の最高速は上がり、ラップタイムも6秒ほど速くなったという。エンジン出力自体は250kW(340PS)程度でさほど変わっていないというから、タイムアップの秘密は空力やシャシーセッティングにある。

そのシャシー系チューニングではエンジンルームでも目視で確認できる「フレキシブルタワーバー」に注目したい。STIの市販チューニングパーツとしても人気の高い「フレキシブルタワーバー」はボディを固めるのではなく、ボディの変形を受け止めながら減衰することで、しなやかさと強靭さを併せ持つシャシー性能を実現するというアイテム。そうした考え方は、ニュルブルクリンク24時間耐久マシンにも採用されているのだ。ストリートチューンとレーシングマシンの共通点は、STIファンにとっては見逃せない事実となるはずだ。

熱心なファンであればフェンダー内に付着したタイヤカスや、無交換で24時間を走り切ったエンジンオイルなど捨ててしまうものでいいので記念に持っておきたいと思うかもしれないが、このマシンには保存される計画はない。来年のマシン開発に向けてバラバラにされてしまう運命にあるという。ピットエリアで撮影したために影が強い部分があるなど、きれいに撮れているわけではないが、この姿が公開されるのは最初で最後になる可能性もあるという。是非とも目に焼き付けておいて欲しい。

文・写真:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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