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そのうち値段下がるだろ……は甘かった! 価格高騰した「国産旧車ブーム」はブームじゃなく文化として定着していた

掲載 26
そのうち値段下がるだろ……は甘かった! 価格高騰した「国産旧車ブーム」はブームじゃなく文化として定着していた

 この記事をまとめると

■昨今は旧車およびネオクラシックカーがブームだといわれている

「いまの時代旧車なんて高くて買えねーよ!」 探したらあった「超手頃」に買えるイケてる旧車4台

■近年は多くの国産旧車が海外流出しており国内での絶対数は減少している

■旧車の現役時代を知らない若者にも旧車ファンが増えている

 海外での需要増で旧車がブームになった

 旧車およびネオクラシックカーに属するクルマが注目を集めるようになってから、少なくとも10年以上は経過しています。世のなかには数々のブームがあります。「boom(ブーム)」とは、あるものが一時的に盛りあがることを意味します。かつて、当時の少年たちを熱狂させた「スーパーカーブーム」は1970年代後半の数年間のうちに盛り上がり、1980年代に入る頃には終焉を迎えていました。しかし、昨今の旧車およびネオクラシックカーの過熱ぶりは「ブーム」といった一過性ではないようにすら思えます。

 果たして、「旧車およびネオクラシックカーブーム」なのでしょうか。それとも、いま以上に過熱していくのでしょうか。考察してみました。

●進む海外流失

 RMサザビーズといった海外の有名なオークションをはじめ、アメリカをはじめとする現地の自動車販売店でも「JDM(Japanese Domestic Market)」はひとつのカテゴリーとして成立しています。

 昭和~平成初期の国産スポーツカーはもちろんのこと、最近は街なかで見かけなくなった大衆車、さらには軽自動車や軽トラックまで……。ひと昔前であればスクラップにされていたようなクルマが海外へと流れ、第二の人生を送っています。また、バブル期に日本に輸入されたクルマが別の国に流れたり、生まれ故郷に里帰りしているケースもあります。現地の人に大切に扱われているとしたら、それはそれでアリなのかもしれませんが、ふたたび日本に戻ってくるクルマは皆無といっていいでしょう。

●国産車メーカーによる純正パーツの再生産

 第二世代スカイラインGT-Rや、70/80系スープラ、AE86レビン/トレノ、ユーノス・ロードスターなど、ごく一部の車種に限られてはいますが、メーカーサイドが絶版車の純正パーツの再生産を行っています。クルマ関連の大規模なイベントにも専用のブースを出展し、ユーザーからの生の声を現場に反映させるべく、メーカーの社員と思われる人が来場者にヒアリングしている光景をたびたび見かけます。

「俺(私)のクルマはいつまで経っても純正パーツを再生産してくれない」といった嘆きの声が聞こえてきそうですが、サプライヤーに対して理解と協力を求めつつ同意を取り付け、さらに商売として成り立たせるために役員の承認を取り付けるなど、好きな想いだけではどうにもならないような途方もない労力の末に現在があります。あれこれ批判せず、まずは自動車メーカーがはるか昔に生産を終了したクルマに対しても、目を向けてくれるようになったという「心意気」に賞賛を送るべきではないかと考えます。

●サードパーティによる再生産

 メーカーだけでありません。サードパーティに属する企業やショップが、旧車およびネオクラシックカーの部品の販売を行っています。フォルクスワーゲン・ビートルやクラシックミニなど、世界中で各サードパーティの手がけたパーツが販売されています。メーカー純正品であることが理想形ではありますが、サードパーティの部品をうまく使うことで出費も抑えられます。

 また、独自の解釈が加えられた部品がある点もサードパーティ製の魅力です。フルオリジナルにこだわらなければ、サードパーティ製の部品をうまく組み込むことで自分好みのクルマに仕立てることもできます。これまでは中古部品かリビルト品でどうにかこうにか必死にやりくりしていた部品が、新品で買えることもあるのです。当時の部品と質感が違うといった相違があるかもしれませんが、わざわざ型を起こしてまで新品の部品を販売していることに目を向けるべきでしょう。

 国産旧車が人気となっていった背景

●旧車およびネオクラシックカーというだけで価格が高騰

 いまや、旧車およびネオクラシックカーというだけで中古車相場が高騰しています。買う側も売る側も、「旧車およびネオクラシックカー=それなりに高い」という認識が、(良くも悪くも)すっかり定着してしまいました。「(相場が)下がる下がる」といわれつつも、モデルによってはさらなる価格上昇が起こっています。

 筆者自身、信号待ちしていた際にふと目についた中古車販売店に置かれていたマツダRX-7(FD3S型)の車両本体価格が600万円を超えていたので、何かの間違いではないかと思ったほどです。

 また、それまで倉庫や草むらで眠りについていた旧車およびネオクラシックカーも、装着されている部品がたとえ錆ついていても再生用のドナーとしてお宝になる時代です。クルマ本体、そして関連する部品それぞれに価値がついたことで、盗難のリスクが高まっていることも事実です。

 筆者も、旧車およびネオクラシックカーオーナーを取材する機会が多いのですが、ご自宅から離れた場所で撮影するようにしています。ナンバーはもちろんのこと、エンジンルームを撮影した場合、車体番号を完全に消すこともいまや大事なチェック項目です(新しいクルマでも消します)。

●若い世代のオーナーの増加

 最近では20代と思しきオーナーが自身よりもあきらかに年上の旧車およびネオクラシックカーを手に入れ、カーライフを楽しんでいます。その模様をYouTubeやSNSにアップしたり、自らイベントを企画して100台くらいの旧車およびネオクラシックカーを集め、注目を集めています。まだまだ少数派かもしれませんが、かなりの熱量、そして素晴らしいセンスをもった次世代のクルマ好きが増えているように感じています。

 若いオーナーさんに聞くと、ベテラン世代から「乗り方が甘い!」とか「生意気だ」などと注意されることがあるようです。新しい時代を作るのは老人ではありません! ふだんは黙って見守り、彼ら(彼女ら)が困っていたら助けましょう。かつて、自分たちがそうしてもらったように。

●まとめ:ノーマル・オリジナルが好まれるようになった

 旧車およびネオクラシックカーともに、オリジナル志向・ノーマル志向が高まっているように感じます。当時モノのデッドストック品がネットオークションに出まわると、数十万円の値がつくことも珍しくありません。「当時いらないから捨てた」という人にとっては、にわかには信じられないかもしれません。

 アメリカの「25年ルール」が日本でも知られるようになったのはここ10年ほどだと記憶しています。その発端となったのが、1989年にデビューした日産スカイラインGT-R(BNR32型)でした。ちなみに、BCNR33型の解禁は2020年、BNR34型は2024年です。YouTubeなどを見ていると、第2世代GT-Rといわれるモデルが海外の路上を走っている映像を見ることができます。

 海外需要、日本国内の人気再燃、次の世代のクルマ好きが旧車およびネオクラシックカーを愛車に選ぶ……。あきらかに需要過多の状況です。法的に古いクルマには乗れない(あるいはかなりの重課税が課せられない)限り、この過熱ぶりは当面続くのではないかと考えます。

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みんなのコメント

26件
  • mcf********
    フランス車だけど、売らずに持ってる。
    価値上がるとかではなく、純粋に
    デザインが好きだから。
  • バイク好き野郎
    今から約30年前にクルマの免許を取った時に、510ブルが欲しくて探したが、安い個体でも150万円はしたからね。
    その頃S13シルビアは地元の先輩価格で50万円だし、AE86なんて10万円以下だったよ。
    人気が有る旧車は、時が経つにつれて個体数が減っていくから、安くなるなんてないよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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