この記事をまとめると
■荷物の積み方や固定方法が事故防止を左右する
「再配達が有料とかありえない!」「送料無料で当たり前!」が一般消費者の意識! ネット通販崩壊の危機すらある「働き方改革」を受けた「物流」が抱える問題
■雨天や荷姿の違いなど見落としがちな危険も多い
■基本作業の積み重ねが物流現場の安全を支えている
見えない現場の工夫が事故を防ぐ
物流現場では、荷物はただ運ばれているわけではない。箱を置く向き、パレットへの積み方、ラップの巻き方、フォークリフトの止め方。そうした一見地味な作業の積み重ねが、破損や荷崩れ、さらには事故の発生率まで左右している。実際に物流現場で気を付けたいことをピックアップしてお届けしよう。
パレットへの積み方で事故率が変わる
パレット積みは、ただ四角く積めばいいというものではない。重い荷物を上に置けば重心が高くなり、フォークリフトでもち上げた瞬間にふらつく。逆に下段が弱いと、走行中の振動で箱がつぶれ、上の荷物が傾いていく。また、パレットの端から荷物が少しはみ出しているだけでも、隣の荷物や壁に接触しやすくなる。見た目はきれいでも、重心と強度を無視した積み方はかなり危ない。
段ボールは縦に強い
段ボールは、方向によって強さが違う。基本的には、箱の角と縦方向の面で荷重を受ける構造になっているため、正しい向きで積めば意外なほど強い。しかし、横倒しにしたり天地を逆にしたりすると、想定外の部分に力がかかり、簡単につぶれることがある。現場では「同じ箱だから大丈夫」と思いがちだが、段ボールにはちゃんと得意な向きがあるのだ。
雨の日は荷物も滑る
雨の日に滑るのは人の足もとだけではない。パレット、荷台の床、ラップで巻かれた荷物、樹脂ケースなどもかなり滑りやすくなる。とくに濡れた木製パレットや樹脂パレットは、フォークリフトで少し動かしただけでも荷物がズレることがある。さらに、段ボールが湿気を吸うと強度も落ちる。雨の日の物流現場は、荷物が重くなる、滑る、弱くなるという三重苦になる。
ドライバーが嫌がる積み方
トラックドライバーが嫌がるのは、降ろす順番を考えていない積み方だ。最初に降ろす荷物が奥にあり、最後に降ろす荷物が手前にあると、それだけで作業効率は一気に落ちる。また、荷崩れしそうな中途半端な高さ、ラップの巻きが甘いパレット、重い物と軽い物が混在した不安定な山も嫌がられる。
日常の何気ない作業こそ安全にかかわる重要な要素
フォークリフト事故は動いているときだけではない
フォークリフト事故というと、走行中の接触や衝突を想像しやすい。しかし、実際の現場では、停止時や荷役中にも危険が多いのだ。荷物をもち上げたまま一時停止しているとき、マストを傾けたとき、爪を抜くとき、荷物を置いた直後。こうした瞬間に荷崩れや挟まれ事故が起きることがある。止まっているから安全、というわけではないのがフォークリフトの怖さだ。
隙間がある積み方は揺れに弱い
荷台やパレット上に微妙な隙間があると、走行中の振動で荷物が少しずつ動く。最初は数ミリでも、ブレーキや右左折を繰り返すうちにズレが大きくなり、やがて荷崩れにつながる。とくに箱のサイズがバラバラな混載便では、隙間をどう埋めるかがポイントだ。緩衝材や空パレット、仕切りを使うのは、見た目を整えるためではなく、荷物を動かさないためだ。
ラップ巻きは見た目より締め具合
ストレッチフィルムで荷物を巻く作業も、じつは奥が深い。軽く1周巻いただけでは、見た目はまとまっていても輸送中の揺れには耐えられない。逆に強く巻きすぎると、柔らかい箱はへこんでしまう。下段をしっかり固定し、上に行くほど適度に締める。さらにパレットと荷物を一体化させるように巻くのがポイントだ。ラップ巻きは、単なる仕上げではなく荷崩れ防止の重要な工程なのである。
軽い荷物ほど油断できない
重い荷物は危ないという意識が働きやすいが、軽い荷物も意外と厄介。軽い箱は風や振動で動きやすく、上に積むとズレやすい。また、軽いからといって乱雑に扱われると、中身が精密部品や食品だった場合に破損や品質トラブルにつながる。物流現場では、重い物は重さで危険、軽い物は動きやすさで危険。どちらにもそれぞれの怖さがある。
物流現場の安全は、特別な技術だけで成り立っているわけではない。箱の向きを見る、重さを考える、雨の日は滑る前提で動く、降ろす順番を考えて積む。そうした当たり前に見える判断の積み重ねが重要だからこそ、物流のプロは荷物を見る目が細かい。一見なにも注意するべきところはないような荷物の積み方ひとつにもちゃんと理由があるのだ。
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みんなのコメント
運転技術は1年もすれば大差が無くなるが荷扱いは以外と差が出る。
もちろん本人のセンスの差も大きくあるが、出荷先の人が積み付けをわかってない場合に雲泥の差が出る。
経験を積んで荷姿と荷造りを想像できるようにならないと事故は減らない。
本文の内容は初歩的な基本動作です。