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傷だらけのブガッティの謎。8年以上世界中を走り回ったシロンに課されたミッションとは

ボディを覆い尽くす傷は名誉の証

モルスハイムに、満身創痍のブガッティ シロンが佇んでいる。黒一色のボディには跳ね石が刻んだ無数の傷。ところどころ塗装が剥げ、ガムテープの跡が乱雑に残る。世界中のどこを探しても、こんな姿のブガッティを見つけることは難しいだろう。しかし、シロンのボディを覆い尽くしたこの数え切れない傷は、まごうことなき名誉の証なのである。

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じつはこのシロン、8年以上にわたってテスト車両として活躍してきた大ベテラン。スカンジナビアの雪原から南アフリカの灼熱地帯まで、“走るラボ”として世界中を走り続けてきた功労者だ。

5番目に作られたプロトタイプ、「4-005」

新型車を開発する際、技術や機構の検証、問題点の洗い出しを行うべく、プロトタイプと呼ばれる試作車が作られる。シロンの開発にあたっては、全部で8台のプロトタイプがハンドメイドされたという。試作車の多くは一旦任務を終えれば処分されるのが運命だが、別の人生を送る車両もある。たとえば今回のシロンがそうだ。

傷だらけのシロンのフェンダーには、白い文字で「4000-5」と書かれている。これは社内コードで、「4」はプロトタイプを、「5」は5番目を意味する数字。「4000-5」は“5番目に作られたシロンのプロトタイプ”を指す。2013年以来、この試作車は「4-005」と呼ばれ、主にソフトウェアのテストのため様々な激務に供されてきた。

電気系統は現代車の生命線

高度化の進むソフトウェアをはじめ、現代のクルマは電気の塊だ。電気系統が故障すれば本来の性能を発揮することはできない。このシステムがいついかなる場合でも正常に動作するよう、「4-005」は世界中のあらゆる地域・気候・条件のもとでテストを繰り返してきたのである。

シロンのインフォテインメント及びオーディオシステムの開発責任者、リュディガー・ワルダは次のように語っている。

「我々は4-005を何週間にもわたって路上へ連れ出して、あらゆるテストを実施しました。このプロトタイプのおかげで私たちの仕事は成立し、このプロトタイプのおかげでシロンを完成させることができたのです」

デスバレーからグロースクロックナーまで

シロンが2016年に市場へ導入されるまでの間、4-005は厳重な擬装が施された状態で様々な地域を走り回った。アメリカのデスバレーやグランドキャニオン、スペインのグラナダ、オーストリアのグロースクロックナーなど、あらゆる地域でナビゲーションやラジオ、通信関係が正常に働くかどうかが確認された。砂漠地帯では、エアコンの性能を騒音も含めて重点的にチェック。「シミュレーション上である程度の確認はできるのですが、やはり最終的には多くの時間をかけて公道でチューニングを行わなければなりません」とリュディガー・ワルダは言う。

ステアリングホイール上のスイッチで各メニューを操作できるかどうかといった、HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)面のテストも必須。もちろん、“スピードキー”を作動させた場合にはインフォテインメントシステムが完全にシャットダウンしなければならない。400km/hで走行するドライバーには、運転操作以外に気をとられるような情報は不要なのである。

現実の世界でこそ見えてくる問題と解決策

2011年からシロンのHMI開発に携わってきたマーク・シュレーダーは、アメリカ・アリゾナでのテスト中、とある事象に気がついた。燦々と照りつける太陽のもとで走行していると、日照具合によってナビゲーションのメニュー画面が読みづらくなってしまうのだ。そして彼が考えたのが、太陽光センサーを使って画面を白黒反転させるというアイデアだった。

「我々は4-005でのドライブを通じて、チーム内で話し合い、実地で試しながら、いくつもの解決策を見出していきます」とマーク・シュレーダーは語る。フォントやフォントサイズ、メニューの配置といった要件が、テスト走行中に繰り返し繰り返し見直しされた。

総走行距離は7万4000km

4-005での走行は、開発陣にとっては仕事であると同時に、何にも代えがたい良い思い出になったという。シロンはすれ違うクルマのドライバーやサイクリスト、歩行者まで、多くの人々の視線を惹きつけた。たとえばアメリカの警察官はハイパーカーの様子に興味津々で、ときに色々な質問をされたり、車両の横でポーズして写真を撮る人までいたらしい。

シロンの市販車のために8年にわたり働きに働き続けた試作車4-005の総走行距離は、7万4000km。激務にさらられ続けてきたにもかかわらず、その電気系統はいまだまったく不具合の兆しを見せていないそうだ。

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