期待の大型新人! スタイリングは道具感を巧みに表現
Kクロスオーバー界に大型新人が登場した。ダイハツ・タフトだ。タフトは、このジャンルを牽引してきたスズキ・ハスラーの好敵手として企画された。1月の東京オートサロンに出品されたプロトタイプの市販バージョンである。タフトというネーミングは、1970年代にダイハツがクロスカントリー4WDに用いていた車名に由来する。
ダイハツの新世代軽クロスオーバーモデル「タフト」がいよいよ発売。車両価格は135万3000円~173万2500円に設定
フォルムは全体的にスクエアで、力強く頼りがいがある。バンパーやフェンダーはエッジを強調した造形で、リアフェンダー周辺のガードともども、タフな印象を強調する。その一方で、エンジンフードを前面まで回り込ませ、グリルレスの穏やかなフロントマスクとした処理が目を引く。ヘッドライトは個性的な角型LED。丸型ライトのライバルとは異なる方向性で、フレンドリーな雰囲気を表現した。
高めのウエストラインに対し、サイドウィンドウの丈を抑えている作りにも気づいた。この処理が、絶妙な躍動感を生み出した要因だ。
タフトは、いまという時代を感じさせるスタイリッシュなクロスオーバー。タフさの中に、使い心地のよさそうな道具感、フレッシュさを巧みに表現している。ボディサイズは全長×全幅×全高3395×1475×1630mm。ハスラー比で全高が30mm低い。
室内は前席優先設計。スカイフィールトップが開放感を演出
室内も新鮮な印象だ。高く奥行きがあるインパネに対し、着座位置を相対的に低めにセットしているからだ。乗り込んですぐにパーソナル感覚が高いと実感した。
室内は、「バックパックスタイル」と命名したパッケージング。前席を乗員のためのスペースとして作り込む一方で、後席はフレキシブルなフリー空間に仕上げた。
ボディサイズに制限があるKカーは、大人4名に十分な居住スペースを確保すると、ラゲッジスペースなどにしわ寄せが生じる。タフトは、それを「前席優先」と割り切る設計でブレイクスルー。新たな価値を生み出した。Kカーでは珍しく、明確なセンターパネルやコンソールをデザインしたのは、その一例だ。前席はセパレートタイプ。体をしっかりとサポートするデザインはスポーティ。サイズは比較的ゆったりしている。
タフトの大きな魅力は、スカイフィールトップ。全車、前席上に大型ガラスルーフを標準装備する。その名称どおり、空が感じられる魅力的な装備だ。効果は抜群。ガラス面積が大きいので、一般的なガラスサンルーフとは比較にならないほどの開放感がある。セミオープン感覚のドライビングは新鮮だった。手動式サンシェードが組み込まれているのもうれしいポイントだ。
自然吸気仕様でもパフォーマンス十分。フットワークは適度にマイルド
前席優先とはいえ、後席もなかなか広い。身長170cmのパッセンジャーが座って足が組めるほど。シート形状も工夫され、自然な姿勢で座れる。座り心地は固めだ。
タフトならではの特徴は、リアのドアトリムやシート色をフロントより明るい色調でまとめた点だ。後席頭上はガラスルーフがないが、明るさの差はあまりない。これは後席回りを明るいカラーで仕上げたデザインの効果だと感じた。
後席は前後スライド未対応で、折りたたみは背もたれを前に倒す機構に限られている。荷室フロアカバー位置は調節可能。背の高い荷物が積める。このあたりからも、フロントとリアで用途を明確に分けた設計思想を感じた。
試乗車はGグレード、自然吸気エンジン(52ps/60Nm)を積む2WDだった。車両重量は830kgと軽量。自然吸気でも加速に不満はない。街中はもちろん、高速道路でも周囲の流れにスムーズに乗れる。満足感の高いパフォーマンスの持ち主だ。中高速域でのスピードの伸びを期待するユーザーは、ターボを選ぶとベターだ。
乗り心地はクロスオーバーらしく、やや固め。段差や継ぎ目をダイレクトに伝える心配はないが、ソフトではない。ショックを吸収した後も揺れが残る場面もあった。
フットワークは適度にマイルド。ステアリングが軽く、手応えがあまりないセッティングが最初は気になった。だが、ステアリングのスイッチでパワーモードを選ぶと、操舵は重さを増し加速レスポンスがよくなる。走行シーンに応じて積極的に切り替えるといいだろう。
タフトは、個性たっぷりのクロスオーバー。普段のドライブでも日差しが感じられフレッシュな気分になれる。ライバルとはひと味違うテイストを求めるユーザーに、ぴったりの存在である。
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