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レーシングポイントF1模倣問題:処分に不満のフェラーリとルノーが正式控訴。マクラーレンは撤回

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レーシングポイントF1模倣問題:処分に不満のフェラーリとルノーが正式控訴。マクラーレンは撤回

 レーシングポイントの2020年型F1マシンRP20に使用されているブレーキダクトの製造に関して違法行為があるとして、ルノーが抗議を行ったことを受け、FIAは8月7日、これを認める裁定を下し、レーシングポイントへのペナルティを発表した。しかしすぐさま複数のチームが処分内容への不満からこの裁定に対する控訴を行う意向を示し、11日、そのうちのフェラーリとルノーが実際に控訴手続きを進めると発表した。

 ブレーキダクトはチーム自身で製造しなければならない“リステッドパーツ”に今年加えられたが、2020年型レーシングポイントのブレーキダクトはメルセデスの2019年型マシンW10のパーツの模倣であり、それは違法であるとして、ルノーは第2戦シュタイアーマルクGP、第3戦ハンガリーGP、第4戦イギリスGPに関して抗議していた。

レーシングポイントF1への“甘すぎる”処分に不満噴出。フェラーリ、マクラーレン、ルノーが控訴の意向示す

 スチュワードは、このブレーキダクトは技術規則に関しては合法であるものの、競技規則において違反があると結論付け、シュタイアーマルクGPでの違反に関し、レーシングポイントのコンストラクターズポイントを15ポイント差し引くとともに40万ユーロ(約5000万円)の罰金を科し、その後のグランプリに関しては戒告処分を与えることを決めた。レーシングポイントは今シーズン、そのブレーキダクトを使い続けることができ、そのたびに戒告を受けるという形になった。

 多くのチームがこの処分に納得せず、フェラーリ、マクラーレン、ルノー、ウイリアムズが控訴の意向を示した。一方、不正を否定するレーシングポイントも、スチュワードの裁定に対する控訴の意向を示した。

 控訴の意向を示した後、手続きを開始できる期限は96時間後となっており、フェラーリとルノーは11日、スチュワードの決定に対して正式に控訴を行うことを発表した。これにより、この件はFIA国際控訴裁判所に持ち込まれることになる。

 一方、マクラーレンは、控訴手続きを進めないことを明らかにした。

「マクラーレン・レーシングは、FIAが、F1をチームがコンストラクターとして明確に定義されているスポーツとして保護するため、競技規則および技術規則をさらに明確化し、F1世界選手権に他の競技者のコピーが含まれる可能性を排除していくことをうれしく思う」とマクラーレンの声明には記されている。

「上記のことと、あらゆる要素に対する幅広い見解を考慮に入れ、マクラーレン・レーシングは今回の控訴について手続きを進めないことにした」

「また、マクラーレン・レーシングは、控訴を追求するというフェラーリとルノーの決定を尊重し、関心を持って今後の進行状況を見守っていく。現時点でこれ以上のコメントは発表しない」

 ウイリアムズとレーシングポイントがそれぞれ控訴手続きを開始するかどうかは、現時点では明らかになっていない。

 レーシングポイントのオーナー、ローレンス・ストロールは、9日に声明を発表、自身のチームはレギュレーション違反を犯してはいないと強く主張、FIAの裁定への失望を示すとともに、「他の競技者のスポーツマンシップの乏しさに憤慨している」として強い怒りを表した。

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