■新生”ダイハツ第一弾の新型ムーヴ
11年ぶりに7代目に進化したダイハツ「ムーヴ」。本来はもう少し早いタイミングで登場予定でしたが、2023年に発覚した認証不正の影響で延期に……。
【画像】超カッコいい! これが新型「ムーヴ」です! 画像を見る(99枚)
この間、他社に流れるユーザーもいたようですが、「歴代ムーヴを乗り継いできた」と言う数多くのロイヤルカスタマーは、他のモデルに流れずに新型の登場を待っていたと聞きます。
この辺りは1995年の初代のデビューから30年で累計340万台を発売してきたビックネームならではのエピソードと言えるでしょう。
このクルマが“新生”ダイハツを第一弾となるモデルになりますが、どのような仕上がりだったのでしょうか。
今回は東京都心の一般道~首都高速で試乗を行なってきました。
エクステリアの特徴は大きく2つ。1つはカスタムが廃止されノーマル1本勝負になった事です。元々カスタムは初代で“裏ムーヴ”として追加されました。
当時はある意味“変化球”モデルでしたが、人気と共に定番化。その一方で本来は“表ムーヴ”だったノーマルはその存在感が薄れ、なんとなく廉価版的な扱いになっていたように感じます。そこで今回、それらをリセットしたわけです。
チーフエンジニアの戸倉宏征氏は「当時はラインナップが少なかったため、選択肢を増やすために設定をしました。しかし、現在弊社にはタントやムーヴ・キャンバスなど幅広いラインアップがあります。確かにムーヴがカスタムの元祖ですが、世代を重ねるにつれてカスタムの存在意義が曖昧になったのも事実です。そこで今回は元祖だからこそ、やめようと決めました」と教えてくれました。
デザインはどことなく初代を思い出すカジュアルだけどキリっとしたスポーティなイメージ。Aピラーを寝かせる事でよりスタイリッシュに見えます。
ターボの「RS」とNAの上級グレード「G」はガンメタリック塗装+メッキモールのフロントグリルやサイドストーンガイドを装着。控えめですが“いいモノ感”のある雰囲気を持っています。
もう1つはスライドドアの採用です。ハイト系ではライバルには無い強い武器となります。戸倉氏は「個人的にはハイト系がベストバランスだと思っていますが、軽ユーザーの多くはスーパーハイト系のスライドドアの利便性を知っていますので、従来と同じヒンジドアでは選択肢に入れてもらえません。軽のトレンドを再びハイト系に戻したいと言う想いもあるので、今回はその武器をムーヴにも使わせてもらいました」と語ってくれました。
ボディカラーはモノトーン10色/2トーン3色と多彩ですが、キャラクターに見合ったシックな色が主となっています。
インテリアは奇を衒わずシンプルで機能的な空間に仕上げられています。突起の少ないインパネに加えて、寝かされたAピラーとフロントドア前の三角窓なども相まって、死角
が少ないだけでなくノイズレスな視界性能を実現。
ライバルが採用するソフトパッド仕上げなどはありませんが、各パーツ類の調和に加えて、グレーとブラウンのコーディネイト+シルバー加飾の落ち着きあるコーディネイトとシックなデザインの2眼メーター(RS/G)の採用などにより、質感はなかなかのレベル。RS/Gには電動パーキングブレーキが装着される一方で、ステアリング調整はチルトのみでテレスコが付かないのは残念……。
居住性は室内長2140mm、室内高1270mmの空間は「ムーヴ・キャンバス」とほぼ同等。240mmのリアシートスライドを活かせば後席の足元スペースはゆとりどころか広いと感じるスペースを実現しています。
個人的には広すぎて落ち着かないスーパーハイト系より適度な頭上空間は、居心地良く感じました。
■気になる走りは?
走りはどうでしょうか。エンジンは660ccの直列3気筒でNAが52ps/60Nm、ターボが64ps/100Nm。どちらもCVTとの組み合わせですが、ターボはギア機構が組み込まれたD-CVTとなっています。
NAは街中では想像以上にキビキビと走りますが、信号ダッシュや高速合流などではアクセルをかなり深く踏む必要があります。そこはスペックを考えれば許容範囲内ですが、それよりもCVTのエンジン回転と加速がリンクしないラバーフィーリングにゲンナリ……。
ターボは全域で余裕があり、3000~3500回転くらい回せば交通の流れをリードできるくらいの力強さがあります。D-CVTはラバーバンドが抑えられているだけでなくダイレクト感すら感じたほど。
これはNAエンジンにも是非とも取り入れてほしい。ただ、ステップシフトは言うほど実感できないのでもう少しメリハリある制御でもいいと思いました。
ちなみにどちらのエンジンにもステアリングスイッチにパワーモード切替が用意されていますが、個人的に必要ないと思いましたが、開発者に聞くと「アクセルをグッと踏み込めない人のために設定しています」と。そんな要望があるんだ……とビックリ。
フットワークは基本素性を高めたDNGAをベースにサスペンションやステアリング特性(EPS)をムーヴ専用に最適化されています。
その印象はNA/ターボ共に奇を衒わず基本に忠実なハンドリングです。ステアリングを切るとロールは比較的深めですが、いきなりグラっと傾くような不安な挙動変化はなく、とても素直に曲がります。
この辺りは素性の良さ(スーパーハイト系より低い全高)から、サスペンションを必要以上に引き締める必要が無い事が効いているのでしょう。
NAとターボの決定的な違いはステアフィール。ターボのそれは中立のシッカリ感、切り始めの応答性の良さ、滑かな操舵感などはGRコペンに近い印象で「ダイハツも変わったな」と喜びましたが、NAのそれは逆に中立は曖昧、切り始めの応答は今一つ、フリクションが残る操舵感と、従来のダイハツから脱しておらず。
総合的にはターボはDNGAの良さが引き立つシャキッとした安心感ある走り。NAはDNGAの良さを実感しにくい全体的にフニャっとした走りだと感じました。この違いを開発者に聞くと、「NAの試乗車にはパーキングアシストが装着(メーカーOP)、EPSのモーターが通常版とは異なります(出力が高い仕様)。恐らくそれがステアリングフィールに影響していると思います」との事でした。
その辺りはパーキングアシスト無しのNAモデルに乗って検証する必要がありますが、個人的にはターボと同じフィーリングであってほしいと願っています。
乗り心地は路面からのアタリも優しく、多くの人は「乗り心地いいね」と思うでしょう。しかし、14インチのNA版のほうが良いと思いきや、体感的には15インチを履くRSのほうが快適性は高いと思いました。
この辺りも開発者に聞くと「RSのみダンパーが異なり“いいモノ”を使っています。入力初期から減衰がシッカリ立ち上がるので、15インチの偏平タイヤでも硬さが出ないと思います」と。
総じて言うと、ターボは「ダイハツ、変わり始めたな」と思える仕上り、一方NAは価格的な面もあるので難しいのは重々承知するものの「もう少し頑張ろう」と言うのが、筆者の新型ムーヴの結論になります。
ムーヴのターゲットカスタマーはバブル期を知り、多くの消費カルチャーをけん引してきた目利きの世代(=60代前後)だそうです。となると、商品価値はより重要になってきます。
もちろん価格も大事ですがNAモデル……せめて上級の「G」だけでもターボの走りを水平展開してほしい所です。
そんなダイハツはDAIHATSU GAZOO Racing(DGR)が「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の一環としてラリー活動を行なっています。
その辺りの繋がりを戸倉氏に聞いてみると、「現時点では直接的なフィードバックはありませんが、『安心して走れる/信頼して走れる』は量産車も共通なので、上手く連携していきたいと思っています。あと、これは私の願望ですが、従来の裏ムーヴとは違った『“新”裏ムーヴ』も企画できたらいいな……と思っています」と語ってくれた。
まだまだ伸び代はありそうです。(山本シンヤ)
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みんなのコメント
「2年遅れでDNGA7年目の第四弾」が正しい。