欧州スーパーカーと見紛うばかりの美しいプロポーション
アメリカを代表するスポーツカーといえば「シボレー・コルベット」をおいてほかにはない。コークボトルデザイン(コカコーラの瓶に似ていることから呼ばれた)のC3(3代目)、圧倒的なパフォーマンスを発揮して欧米のレースシーンで強さを見せたC7(7代目)など、モータースポーツファンを惹き付けてきた。そのシボレー・コルベットが8代目となるC8へと進化し登場したのだが、従来FR方式(フロントエンジン後輪駆動)だった駆動方式を改め、MR(ミドシップエンジン後輪駆動)レイアウトが採用されたことに世界中が衝撃を受けている。
念願のミッドシップ+右ハンドルが登場! シボレー・コルベットの販売記念イベントを開催!
MRとなった最新のシボレー・コルベットがどんな走りを見せてくれるのか、早速公道試乗の機会を得たのでリポートしよう。
まず外観のデザイン。MRとなったことでフロントノーズは低くなり、リヤまわりのボリュームが増した。フェラーリやランボルギーニと見紛うばかりの美しくダイナミックでカッコいいデザインとなっている。
ディテールも秀逸で空力アイテムやエアインテークなどの造形も本物指向だ。エンジンフードはガラス面を通してV8エンジンのエアインテークカバーが視認できる。
このフードはルーフエンドから大きく開き、リアエンドには容量の大きなトランクルームを備えて実用性も備えているのだ。
シャシーにはアルミの鋳造や鍛造、押し出し形成などを適材適所で採用しており、近代的なスーパーカーとして相応しい仕様だ。
ドライバーオリエンテッドなコクピットに心が躍る
コクピットに乗り込むと、インパネデザインの格好良さに感激する。スポーツカー好きの心をくすぐるドライバーオリエンテッドなレイアウトで座っただけで大きな満足感が得られるほどだ。
メーターナセルには走りに特化した情報を示す液晶メーターが備わり、メーターセンターには常にタコメーター(エンジン回転計)がアナログ表示されている。そして0-100km/hパフォーマンスタイマーも表示可能で、ドラッグレースの好きなアメリカンモータースポーツファンの心を躍らせてくれる。
じつはこのモデルからグローバルに展開されるモデルとして位置づけられ、日本仕様は右ハンドルとなっている。1940mmもある全幅と、厚みのあるドア断面形状から右ハンドル化されたことで国内での実用性を大幅に高めてくれているといえる。
ダッシュパネル中央ドライバーサイドに8インチのタッチスクリーンモニターを装備し、ナビゲーションやドライブモードなどの設定表示が示される。
また、助手席側との隔壁となるセンターコンソールの細い稜線上側に一列に配置されるスイッチングユニットはシートヒーターやエアコンなどの操作スイッチで、操作性は極めて悪いが、個性的な造形だ。
シートはバケットタイプでホールド性に優れ、ステアリングは上部をフラットにした変形楕円形状を採用。
また、ペダルはオルガン式のアクセルペダルとつり下げ式ブレーキペダル、フットレストを備え、いずれもアルミで美しくカバーされていた。
エンジンを始動すると、驚くほど静かなV8サウンドに拍子抜けする。このパワーユニットは6.2リッターのV型8気筒自然吸気エンジンで、OHVのバルブレイアウトと直噴を組み合わせ最高出力は502馬力/6450rpm、最大トルク637N・m/5150rpmという強力なパワースペックを誇る。
トランスミッションンには8速のDCT(デュアルクラッチ)が採用されていることもトピックスである。
次は筑波サーキットでその実力のすべてを味わいたい
プッシュボタン式のレンジセレクターでDレンジを選択し走り始める。スムースかつ静かな市街地走行が可能で、このクルマがスーパースポーツカーであることを忘れさせるほど扱いやすい。
サスペンションは前後ダブルウイッシュボーンで、これも伝統だった横置きリーフスプリングを廃止し、一般的なコイルスプリングを採用。また、GM(ゼネラルモータース)が誇る磁性流体を封入したショックアブソーバーによるマグネティックライドコントロールが採用され、ドライブモードに応じて最適に制御されている。
ドライブモードは通常、ツーリングモードとなっているが、ステアリングセンター左に設置されている「Z」スイッチを操作すると、あらかじめ設定しておいた「マイモード」の設定に加えてエンジンやトランスミッションの調整も可能となり、ダンパーの固さやエンジンレスポンス、サウンド、シフトプログラムが変化する。
とくにエンジンサウンドはドラマティックに変化し、アメリカンマッスルカーとして相応しいサウンドを発するようになる。
フロントサスペンションには3秒以内に車高を40mm高められるフロントリフトハイトアジャスターも備わり、段差での底つき性を向上させているのも有り難い。
今回、タイヤはミシュランパイロットスポーツ4Sを採用するなど、走りに対しては欧州のスーパーカーを本気で凌駕する意気込みであることが伺えた。
MRとなったことでデザイナーが理想とする前後重量配分40:60を実現し、高い旋回限界と操縦バランスを実現している。前モデルがル・マン24時間レースで見せた驚異的な速さを上まわるハイパフォーマンスカーとなったことは疑う余地がない。
あとは国内の筑波サーキットや富士スピードウェイでどんなラップタイムを叩きだせるのかが興味の焦点となるだろう。ライバルであるホンダNSXを上まわる性能を引き出せれば、筑波サーキット1分切りも夢ではない。それを試す機会が訪れることを切望している。
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みんなのコメント
欲しくなっちゃうじゃないか!だがもし買えてもあの車幅ではドアが開かない!
○ フロント、日本のナンバープレートの似合わなぶりに驚いた
○ スナップショット、車両の傍に立つ記者さんのコルベット似合わなぶりに驚いた