■落札金は若者の教育や研究奨学金の基金設立に充てられる
独メルセデス・ベンツは2022年5月19日、メルセデス・ベンツ・クラシックコレクションにある2台のオリジナルの「300SLR Uhlenhaut Coupe(300SLRウーレンハウトクーペ)」のうち1台が、オークションにおいて1億3500万ユーロ(日本円で約184億円)で落札されたと発表しました。
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300SLRウーレンハウトクーペは、1955年に製造されたプロトタイプモデルで、当時製造されたのはわずか2台。開発者兼チーフエンジニアのルドルフ・ウーレンハウト氏にちなんで名付けられたこのモデルは、自動車のエンジニアリングとデザイン性でもっとも優れた例のひとつといわれています。
そのデザインは、世界でもっとも重要な自動車アイコンのひとつとなっていて、とくに特徴的な「ガルウイング」ドアが印象的です。
さらに純血のレーシング技術がもたらす卓越したパフォーマンスで、300SLRウーレンハウトクーペはスポーツカーにおいての神話にもなっており、世界中のメルセデスファンの間で特別な存在となっています。
今回この貴重な2台のうち1台が、2022年5月5日にRMサザビーズの協力のもとメルセデス・ベンツ博物館にて開催されたオークションに出品されました。招待客はメルセデス・ベンツのオーナーや、国際的な自動車コレクター・美術品コレクターたちです。
オークションの結果、個人コレクターに1億3500万ユーロという史上最高額で落札されました。今回の収益金は、環境科学と脱炭素での分野で若者の教育および研究奨学金を提供する「メルセデス・ベンツ基金」の設立に充てられる予定だといいます。
メルセデス・ベンツグループAGのCEO、オラ・カレニウス氏は「300SLRウーレンハウトクーペは、スポーツカー開発におけるマイルストーンであり、我々のブランドを形成する重要な歴史的要素です。この2台のユニークなスポーツカーのうち1台を売却することを決定したのは、善意の活動に役立てるためです。
オークションの収益は世界的な奨学金プログラムであるメルセデス・ベンツ基金に充てられます。ルドルフ・ウーレンハウト氏の革新的な足跡をたどり、素晴らしい新技術、とくに脱炭素と資源保護という重要な目標を支える技術を開発する新しい世代を後押ししたいと考えています」とコメントしています。
また「同時に、自動車に支払われる落札価格が過去最高となったことは、身の引き締まる思いです。メルセデス・ベンツは、世界でもっとも価値のあるクルマなのです」とも付け加えています。
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