ルノーのBセグメントSUV、キャプチャーが2025年夏にマイナーチェンジを受けたことを機に設定されたマイルドハイブリッド車(MHEV)。今回、あらためてジックリ乗る機会を得たので、その印象を報告しておこう。(写真:平野 陽)
ビッグマイナーチェンジで追加されたマイルドハイブリッド
初代が2013年に発表(日本仕様は2014年に発売)されたルノーのBセグメントSUV、キャプチャー。現行型は2019年に発表(日本仕様は2021年に発売)された2代目だが、2025年夏にルノー・ジャポンが「新型」と謳うほどのビッグマイナーチェンジが施された。
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基本のボディパネルこそ変わらないものの、多面的なグリル中央にルノーの新しいロゴ(ロサンジュ)を、またそれを囲むようにバンパー上部とグリルにブロック模様を配したことで、光の反射によりロサンジュから波模様が広がるような視覚効果をもたらしている。LEDヘッドライトは薄型となり、ブランドロゴをインスパイアした縦長のハーフダイヤモンド型デイタイムランニングランプ(DRL)も特徴的だ。
この変更は、新たにルノーのデザイン責任者となったジル・ヴィダルのデザインテイストが反映されている。ボディはそのままに大がかりなフェイスリフトを行うと全体のデザインが破綻する例をよく見てきたが、さすがはジル・ヴィダル、従来からのボディスタイルとのマッチングは悪くない。個性的だが、アクの強さを抑えた万人受けしそうなデザインだ。
今回の試乗車はマイルドハイブリッドの「エスプリ アルピーヌ」。インテリアはグレード名どおり「ALPINE」のロゴやトリコロールのステッチ&パイピングなどで、ルノーの、いやフランスを代表するスポーツカー ブランドであるアルピーヌのテイストをふんだんに用いて、雰囲気の良さを醸し出している。好きな人には、たまらないだろう。
ダッシュボード中央の縦型タッチスクリーンは10.4インチと従来型より大きくなった。スマートフォンとワイヤレスで接続可能だから、カーナビや音楽などはスマートフォンのアプリをそのまま使うことができる。
リアシートは前後に16cmもスライドし、ラゲッジスペースも536Lと欧州Bセグメントとしてはトップクラスの広さがある。これなら、おとな4人の宿泊旅行でも問題なく対応してくれるだろう。
先進運転支援システムでは、エマージェンシーレーンキープアシストやドアオープニングアラートなども新設定。快適装備でもスマートフォンのワイヤレスチャージャーやステアリングホイール&前席ヒーターなど、このクラスとしては必要十分なレベルにある。
パワートレーンは、従来からラインナップされている1.6L+2モーターのフルハイブリッド「Eテック」に加え、1.3Lターボは補助モーターのBSG(ベルト スターター ジェネレーター)を組み合わせたマイルドハイブリッド(以下、MHEV)のふたつ。今回は、後者のMHEVと付き合ってみることにした。
モーターのアシストを感じさせないのもいい
1.3L直4ターボエンジン+BSG+12V リチウムイオン バッテリー+6速EDC(DCT)によるマイルドハイブリッドシステムのパワーは、1300kgあまりのキャプチャー MHEVにとって十分なものだ。発進時にMT的な感触こそあるが、6速DCTはレスポンス良くポンポンとシフトアップして加速していく。
ターボエンジンらしい(とはいえ、かつてのドッカンターボのような段付き加速はしない)伸びやかな加速をモーターがアシストする。とはいえ、メーターのパワーフローを見ていればモーターがアシストしている様子も分かるのだが、見ていなければモーターのアシストには気づきにくい。もちろん、アイドリングストップ機能や安定走行時にエンジンを停止するクルージング機能も備わっているので、燃費向上も図っている。
7速DCTにはステアリングホイールにパドルシフトも備わっているので、マニュアルシフトも可能だ。普段づかいではDレンジに入れっぱなしでイージードライブでも、たまにワインディングロードを走る時などは、マニュアルシフトを駆使してターボエンジンの走りを楽しむのも悪くなさそうだ。
以前に試乗したフルハイブリッドのキャプチャー Eテックと比較すると、MHEVは車両重量で90kgも軽いこと、そしてターボエンジンならではの加速力もあり、走りっぷりは明らかに軽快だ。Eテックのほうが静粛性や燃費は優れているのだが、車両価格は45万円以上高い。
今回、約390km(高速走行が約7割、郊外路走行が約3割)を走って、車載の平均燃費計は17.0km/Lを記録した。高速走行が多かったとはいえ、エアコンを入れっぱなしでエコランもしていないのだから、WLTCモード燃費17.4km/Lということを考えれば実燃費はかなり良さそうだ。
適度なサイズに万人受けしやすそうなスタイル、安全&快適装備も充実したキャプチャーは、輸入車ビギナーにも乗りやすくオススメできるコンパクトSUVだ。EテックかMHEVかは、予算や使い方を考慮しながら乗り比べて、どちらが自分の好みかを確かめると良いだろう。
また、最近はプジョー 2008やシトロエン C3、アルファロメオ ジュニア、そしてフィアット 600など、ラテンのコンパクトSUVが続々と日本に導入されている。しかも、いずれもハイブリッドやBEVなど電動パワートレーンが主流だ。輸入車のコンパクトSUVを検討している人にとって、悩ましくも楽しいクルマ選びになるはずだ。
ルノー キャプチャー エスプリ アルピーヌ マイルドハイブリッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4240×1795×1590mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1330kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1333cc
●最高出力:116kw(158ps)/5500rpm
●最大トルク:270Nm(27.5kgm)/1800rpm
●モーター最高出力:3.6kW(5ps)/1800-2500rpm
●モーター最大トルク:19.2Nm(2.0kgm)/1800rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・48L
●WLTCモード燃費:17.4km/L
●タイヤサイズ:225/45R19
●車両価格(税込):414万円
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