戦略的な価格で提供される中国の有能EV
電動化という世界的うねりの中で、上級サルーンの勢力図は書き換えられつつある。従来のクラスリーダー、BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスが優勢を保つことは、もはや簡単ではない。
【画像】最新EVサルーンの実力は? メルセデス・ベンツCLA テスラ・モデル3 MG IM5 全128枚
欧州を中心に、バッテリーEVの優遇税制や補助金は一般化。急速充電器の普及も進んでいる。収益性の高いクラスだけに、中国の新興ブランドの参入も積極的だ。
最近、グレートブリテン島に上陸したMG IM5も、そんな変化を追い風にする1台。ところが、ボディやインテリアを見回しても、八角形のMGロゴは見当たらない。親会社、SAIC社が手掛けるインテリジェンス・モーションL6の、OEMモデルだからだ。
駆動用バッテリーは96.5kWh。航続距離は709km。396kWの急速充電に対応し、後輪操舵システムも備わる。こんな高性能EVが、4万4995ポンド(約936万円)という戦略的な価格で提供されている。
満充電で779km走れるCLA モデル3は749km
当然、欧州勢も黙っていない。新しいメルセデス・ベンツCLAは、最新のMMAプラットフォームを採用。モーターとバッテリーだけでなく、エンジンにも障壁なく対応する。
今回のCLA 250+が搭載するのは、85kWhの駆動用バッテリーと、271psのモーター。高効率な、シリコンカーバイド基盤のインバーターも採用する。ポルシェ・タイカンのように2速ATを実装し、320kWで急速充電でき、満充電で779km走れる。
電動サルーンを牽引してきたテスラ・モデル3も、新たな競争へ備えている。シングルモーターのロングレンジ仕様の場合、航続距離は749km。ツインモーター版でも659kmが主張され、急速充電は250kWまで。ウインカーレバーも、新たに獲得した。
果たして今回の比較は、アメリカ、ドイツ、中国x英国という三つ巴。2026年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーも受賞した、CLAの善戦を期待したいところだ。
プレミアムな雰囲気を醸し出すIM5
3台を並べると、CLAが最も見慣れた雰囲気にあることがわかる。空気は通過しないが、明確なフロントグリルが存在し、先代の面影も重なる。同時に空気抵抗を示すCd値は0.21と小さく、滑らかな面構成が最新版であることを主張する。
ドアをアンロックすると、フロントに散りばめられたスリーポインテッド・スターがきらめく。通りがかりの人に、「カッコいいね!」と褒めてもらえた。
IM5にそんなギミックはないが、3台では最もお手頃な英国価格と、全長4931mmの立派な体格でアピールする。有機的なカーブが滑らかに繋がり、低いルーフラインと相まって、プレミアムな雰囲気を醸し出す。
モデル3は、ハイランドと呼ばれる最近のアップデートにより、スリムなヘッドライトを獲得。それでも見慣れたサルーンといえ、街なかで誘目度が高くないことは確かだ。
明るく開放的な車内 操作しやすいタッチモニター
他方、モデル3の車内は今でも新鮮。ミニマリスティックなデザインと、広いガラスエリアが相まって、ハッとするほど開放的で明るい。大きなガラスルーフも効いている。素材の質感は高く、組み立て品質も高く、上級なサルーンだと実感させる。
ダッシュボードには、巨大なタッチモニター。反応は素早く、メニュー構造は理解しやすく、3台の中で最も車載機能を操作しやすい。
CLAの車内は、鮮やかなアンビエントライトとブラック&ホワイトの内装で、クラブハウスのよう。大画面が仕込まれた、樹脂製パネルで覆われたダッシュボードは全体と若干調和しておらず、高級感は程々。しかし、タッチモニターの操作性はモデル3へ迫る。
4.9mの外寸から想像するほど広くない車内
IM5は、2台の中間。随所がソフトタッチ加工され、第一印象の高級感は明らかに高い。それでもデザインは一般的。メーター用モニターが一体のタッチモニターも、期待ほど扱いやすいわけではない。ステアリングホイール上のダイヤルも同様だ。
車内空間は、全長4.9m以上の外寸から想像するほど広くはない。後席側は、200mm短いCLAと同等。同じく約4.7mの長さを持つモデル3は、遥かに広い。
荷室容量は、前方のボンネット下の収納を含めて、IM5とCLAは約500Lで並ぶ。モデル3は700Lと大きく、実用性で差を付けている。
この続きは、EV 3台の実力を探る(2)にて。
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みんなのコメント
今後もっと伸びるのだろう。
まぁ倍近くまで伸びないと魅力ないけど。