日産は、2016年08月25日「GT-R NISMO」2017年モデルを、同日より全国一斉に発売すると発表した。また、7月11日発表の「Track edition engineered by nismo」も併せて発売を開始する。
「GT-R NISMO」は、日産のモータースポーツを担っているNISMOの数十年におよぶレーシングテクノロジーの蓄積をフィードバックし、レーシングカー譲りの究極のハイパフォーマンスを実現するためにファクトリーチューンを施したNISMOロードカーシリーズのフラッグシップモデルだ。
■専用のエクスリア&インテリアデザインとアイテム
2017年モデルの外観の大きな特徴としては、標準モデルのGT-Rと同様に新形状のフロントバンパーが採用された点が目を引く。NISMO専用のカーボンファイバー製フロントバンパーは、カーボンファイバーシートを幾層にも重ねて精巧に作り上げることで理想的な強度を実現。そしてカナード形状のデザインがもたらす空気の流れにより、ホイールハウス周辺の空気を吸引し、大きなダウンフォースを発生させている。
日産ブランドのデザインシグネチャーであるVモーションを採用し、ダーククローム仕上げを施した新デザインのグリルは、開口部の拡大によりエンジンの冷却性能を向上させながらも、バンパーサイドの形状を最適化することで、従来の空気抵抗及びダウンフォースの維持を可能にした。さらにエンジンフードは、剛性の向上により超高速域での変形を抑制する。これらの改良により、これまでの日産車の中で最大のダウンフォースと、超高速域での優れた安定性を実現している。
インテリアにも標準仕様モデルと同様に大きな改良が加えられた。安定感を演出する水平方向の流れを採用しつつも、メーターからセンターコンソールまでドライバーを包み込むようにレイアウトすることでドライバーオリエンテッドな空間を演出。ナビディスプレイは7インチから8インチに拡大し、併せて大型のアイコンを採用することで、操作性と視認性を向上させている。また、カーボン製のセンターコンソール上に配置したマルチファンクションスイッチにより、ナビの機能を手元で操作することが可能になった。
パドルシフトがステアリングホイール固定タイプに変更されたのも今回の変更点で、ドライバーが手を離すことなくシフトチェンジできる操舵角領域がより広くなっている。
NISMO専用装備としては新デザインのダッシュボードの上層部、ステアリングホイール、センターアームレストに高品質のアルカンターラレザーを使用。さらに赤のアルカンターラを中央部分に使用したNISMO専用のレザー仕様のレカロ製カーボンバケットシートも採用している。
■磨きをかけたシャシー&パワートレーン
新型「GT-R NISMO」は走行性能も向上している。まず標準モデルと同様、ボディ剛性が向上したことにより、ショックアブソーバー、スプリング、スタビライザーそれぞれの突き詰めたセットアップが可能になった。また複数の車両情報システムを活用することで、路面状況や走行条件に対して適切なサスペンションの減衰力と、様々なドライビングシーンに応じた高レベルのコントロールを可能にするモード設定型電子制御式のショックアブソーバー「Bilstein DampTronic」にもNISMO専用の特別なチューニングを施し、出力441kW(600PS)を誇る3.8L V6ツインターボエンジンのパワーを更にしっかりと路面に伝えることができるようになっている。
搭載されるVR38DETTエンジンは、GT3選手権で使用する高流量、大口径のターボチャージャーが採用されたNISMO専用仕様。6速デュアルクラッチトランスミッションとともに、熟練した匠が専用のクリーンルームで一台一台精巧に組み立てられ、エンジンのフロント部分にはその証として「匠」の名前が刻まれたアルミプレートが取り付けられている。
新型「GT-R NISMO」は全体のバランスを今までより更に向上させることで、コーナーの多い山道でも、サーキットでのレース走行と同じように力強い走りを楽しめるクルマへと進化を遂げている。
また、2014年11月に登場した「Track edition engineered by nismo」は、スタンダードモデルのスペックやフォルムはほぼそのままに、「GT-R NISMO」のボディ剛性と足回りを融合させた特別なグレード。2017年モデルでも継続設定されるこのグレードには、「GT-R NISMO」と同じサスペンションとホイールが搭載される。
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