この記事をまとめると
■アウディが新型ミッドシップスーパーカーのヌヴォラーリを発表した
オラ感のないスーパーカー「アウディR8」がついに消えた! 言い得て妙な「インテリジェントスーパーカー」の18年を振り返る
■V8ツインターボ+3モーターで1001馬力・最高速350km/h超を実現する
■ヌヴォラーリはアウディの歴史の1ページとして語り継がれる存在となる
アウディの新スーパーカーは1001馬力
アウディが再びスーパーカーの世界へ帰ってきた。2024年にR8の生産・販売を終了して以降、アウディのラインアップからスーパーカーは姿を消していた。しかし、2026年6月4日、アウディはブランド史上最強にして最速となる新型スーパーカー「ヌヴォラーリ(Nuvolari)」を発表した。長らく噂されてきた「R8の後継モデル」ともいえる存在が、ついにその姿を現したのである。
アウディ・ヌヴォラーリは、1930年代にアウトウニオンで活躍した伝説的レーシングドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリの名を冠したモデルだ。生産台数はわずか499台。2027年前半からデリバリーが開始される予定で、アウディの技術力とブランドの方向性を示すフラッグシップと位置付けられている。
とはいえ、多くのクルマ好きが気になるのは「R8との関係」だろう。
R8は2006年に登場したアウディ初の量産ミッドシップスーパーカーである。初代はランボルギーニ・ガヤルドとエンジンやコンポーネントの一部を共有し、2代目はウラカンと基本骨格を共有しながらも、アウディらしい実用性とクワトロによる安定した走りを両立。スーパーカーでありながら日常的にも扱いやすいモデルとして高い評価を受けた。
また、自然吸気V10エンジンを最後まで守り続けたことでも知られる。近年はターボ化や電動化が進むなか、「純エンジンスーパーカー」として独自の存在感を放っていたのである。
そんなR8が2024年3月に最終モデルをラインオフした際、アウディは後継モデルについて明言していなかった。そのため、多くのファンはR8の歴史の幕は閉じたものと考えていたことだろう。しかし、今回登場したヌヴォラーリは、名称こそR8を継承していないものの、その役割やコンセプトには共通点が多いスーパーマシンとなっている。
では、ヌヴォラーリはR8から何を継承したのだろうか。最大のエッセンスは、ミッドシップレイアウトのプロポーションだ。エンジンをキャビンの背後に配置するパッケージングは健在で、低くワイドで塊感のあるスタンスは、ひと目でアウディのフラッグシップスーパーカーだと分かる。
進化したクワトロシステムを搭載する
パワートレインは、4リッターV8ツインターボエンジン(588kW=800馬力)に、前軸2基+エンジンとトランスミッションの間に1基、合計3基のアキシャルフラックスモーターを組み合わせたハイブリッドシステムだ。システム総出力は736kW(1001馬力)に達し、0-100km/h加速2.6秒、最高速度350km/h超という現代のハイパーカーにも見劣りしないスペックをもつ。
確かにR8 V10が誇った自然吸気の高回転サウンドこそ消えたが、代わりにターボ+電動という新しい官能が用意されている。なお、このエンジンの最大回転数は1万rpmというから、レッドゾーンまで引っ張ったときの加速Gは想像を絶することだろう。
そしてもうひとつ、アウディのアイデンティティである「クワトロ」の思想も新しい形で受け継がれている。どんなに強大なパワーがあっても、それを路面に確実に伝えられなければ意味がない。R8が証明してきた「4輪で路面を徹底的に掴む」という哲学は、ヌヴォラーリにおいても基本コンセプトとして息づいている。
さらにこのクワトロに、アウディは秘密兵器を用意してきた。それが、次世代のシステムともいえる「クワトロ・プレディクティブ・ライド(予測型クワトロ)」だ。従来のクワトロはセンサー情報をもとにトルクを配分するシステムであったのに対し、ヌヴォラーリではステアリング角や加速度、ヨーレート、現在の路面グリップレベルなどのセンサーデータを高精度な車両状態モデルに基づいてリアルタイムで処理し、車両がコーナーでグリップを失う可能性を、滑る前に予測して制御する。滑りそうだとシステムが判断すると、フロントの2基のモーターによる可変トルクベクタリング、ブレーキ介入、さらにはアクティブエアロダイナミクスによるダウンフォースなどを統合制御し、車両の安定性と旋回性能を高いレベルで両立する。まさに「破綻しないスーパーカー」の究極形といえるだろう。
デザインも大きく変わった。ヌヴォラーリはアウディの新しいデザイン言語を採用する最初の量産モデルとなる。個性的な面構成やシームレスな空力パーツ、大胆なプロポーションによって、従来のアウディ車とは一線を画す存在感を放つ。カーボン製外板(ボディパネル)と新世代ASF(アウディスペースフレーム)の組み合わせ、軽量化と剛性向上を両立している。
ヌヴォラーリは499台限定の特別な存在であり、R8のような量産スーパーカーではない。だから厳密には「R8の後継車」とはいえないかもしれない。それでも、R8とヌヴォラーリはどちらも「アウディの本気のミッドシップマシン」という点では同じだ。R8がそうであったように、ヌヴォラーリもまたアウディの歴史の1ページとして語り継がれる存在となることは間違いないだろう。
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みんなのコメント
乗れば最高にいい車だったが、知らない人が見たらTTとたいして変わらない、目立たない車であったのが不人気の理由だったのかも。
この写真を見るとデザインの方向性もR8とは大きく違うように見える。
中国市場で人気が出そうなデザイン。
このデザインは?
ずんぐりむっくり。
早そうに全く見えない。
デザインが、終了だな