新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界中のほとんどのモータースポーツが、シーズン中断もしくは開幕延期を余儀なくされた。ようやくそれも再開されつつあるものの、MotoGPもF1も、今季の日本GPは開催が中止されることとなった。
前回に引き続き、両グランプリを主催する予定だったモビリティランドの田中薫社長に話を訊く。今回はF1日本GPの開催中止についてだ……。
■前代未聞。MotoGPとF1の日本GPが中止に……その背景には何があったのか?(1) MotoGP日本GP中止の経緯
F1日本GPは、1987年以来ずっと日本国内で開催され続けてきた。しかし今年は中止になることが決まった。
「MotoGPと、基本的には理由は同じです。参加する人の安心と安全を確保しなければいけません。その上、人の移動、入国制限などを考慮し検討していくと、やっぱり難しいのではないかという結論に至りました」
田中社長は、そうF1日本GP中止の理由について説明する。
「FOM側が、アゼルバイジャン、シンガポール、日本のフライアウェイ3戦は、状況を見ると開催は難しいという判断を下しました。それで協議を行ない、決断したということです」
「F1は関わる人の数がものすごく多いです。例年であれば、2~3000人くらいでしょうか。それをマネジメントするのは、非常に難しいと考えました。地元の行政としても、この人数ではなかなか『OK』とは言いづらい感じではなかったかと思います」
中止が発表された際のプレスリリースには、日本GPの中止理由について「日本への渡航制限が厳しいこと」と記されていた。海外では、国の政府や自治体が、F1関係者の入国に際して多大な協力をしていると伝えられているが、日本ではどのようになっているのだろうか?
「地元の行政を通して相談をしていました」
「開催に向けた準備については、地元の行政と連携して進めています。国との関わりは、国土交通省とスポーツ庁に後援していただいています。そのため、国交大臣に表彰式においでいただくとか、そういうこともしています。そういう意味では、F1は世界選手権であり、自動車レースの中では最高峰だということを、中央官庁・政府にも認識していただいています」
海外のレースでは、他のチームなどとの接触を極力避けるべく、ソーシャルバブル(チームなど特定の集団を超えて他の集団と接触しないようにすること)を遵守することが義務付けられることになっている。ただ日本GPについては、そういう具体的な対策を話し合う前に、中止を決断することになったようだ。
「ヨーロッパラウンドではこういうことを考えているとか、そういう情報は知らされていました。しかし日本で開催する場合、それをどう落とし込むのか、そういう話になる前に中止が決まりました」
「無観客で開催する可能性もありませんでした。契約内容のことなのであまりお話しできませんが、フライアウェイ戦ではその可能性はないということでした。これは私の推測ですが、無観客で開催するとなれば、FOMが経費を全部払わなければいけません。ヨーロッパならばモーターホームで移動できますが、フライアウェイ戦は、輸送費や旅費が桁違いですからね」
ただ、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当初、FOMとは色々な話をしていたという。
「ヨーロッパも含め、なんとかF1を開催するためにどういう案があるのか、それについて話し合いをしました。2週連続開催の話もしました。そして2週連続開催をするならば、どんなことができるのか……例えば東コースだけでのレースだったり、逆回りだったり……そんなことってできるんだっけという話もありました。日本だけではなく、全てのグランプリについて、そういう確認をしていたようです」
「FOMは、日本がすごく大変な状況にあると考えていたようで、プロ野球や8耐、そしてスーパーGTはどうなっているのかということを、気にしてくれていました。8耐は延期になってしまいましたが、それについては残念がって、励ましてくれましたよ」
今季は開催中止になってしまったが、来季に向けて様々な施策を実施していきたいと、田中社長は語る。
「代替イベントの検討などは、まだまだこれからですね。社会状況を見ながら……という状況だと思います」
「でも、日本人のファンのみなさんからの、中止発表への反響は驚くべきモノでした。ツイッターだけでも、1万件以上お声をいただいた。皆さん『残念だけど。仕方がない』とご理解いただけたと思います。その分、来年に期待していただけるようにしたいですね」
「ホンダF1の山本雅史(マネージングディレクター)さんも、なんとか今年、鈴鹿で走らせたいと言っていました。ですから中止については、すごく残念がっています。その代わりとなるイベントを来年に向け、ホンダと一緒になって考えていかなきゃいけませんね」
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