この記事をまとめると
■スーパーカーブームは1975年の漫画「サーキットの狼」から始まり社会現象に発展
「スーパーカー」はわかるけど最近聞く「ハイパーカー」って何もの?
■スーパーカー撮影、グッズ、クイズ番組など多彩な展開で当時の少年たちを魅了
■バブル期を経て現在もその影響が残る稀有な自動車ブームだった
日本中を熱狂させたスーパーカーブームとは
スーパーカーブームとは、気がつくともう半世紀も前のできごとです。果たしてどんな現象だったのでしょうか。
■すべては「サーキットの狼」がはじまりだった
スーパーカーブームの火付け役といえば、いうまでもなく1975年に連載が開始された池沢さとし先生(現・池沢早人師)原作の「サーキットの狼」でしょう。1970年代後半の数年間は、まさに「スーパーカーブーム」まっただなかの時代です。
劇中に登場した、ロータス・ヨーロッパ、ポルシェ911カレラRS2.7、ポルシェ930ターボ、ランボルギーニ・ミウラP400S、ディーノ246GT、フェラーリ・デイトナ、ランチア・ストラトス、ランボルギーニ・カウンタックLP500、フェラーリ512BBなどなど。半世紀が経過した現代でもイベントなどで目にすることができる名車ばかりです。
劇用車のなかには、実際に池沢先生が所有したクルマも数多く含まれています。オーナーだからこそ語れるエピソード、再現できるディテールなど「架空の物語でありながら、リアルさも感じさせる」点が少年たちを惹きつけたのかもしれません。
少年たちに人気のモデルはランボルギーニ・カウンタックやミウラ、フェラーリBB。最高速はどちらが速いとか、本当に300km/h出るのかとか、どのモデルがいちばんカッコイイかなど、終わりのないクルマ談義を延々と繰り返していたものです(やってることは大人になっても同じ?)。ちなみにご近所のOくんは、自分の自転車で幻の多角形コーナリングを特訓していました(笑)。
■そして少年たちはカメラ片手に街へと繰り出した
都市部であればフェラーリやランボルギーニが当たり前に走っている現代とは異なり、半世紀前に街でスーパーカーを観るのは奇跡に近いこと。それでも少年たちはカメラを片手に街へと繰り出したのです。
運よく街なかでスーパーカーを見かけると、必死に撮影するものの、フィルムカメラですから当然枚数に制限があります。ところ構わず撮影していたらあっという間にフィルム切れ。そのため、一球入魂に近いほどベストショットを求めてシャッターを切っていたのです。
スーパーカーブームが過熱するあまり、盗難の被害も。ちなみに、筆者がお世話になった方がスーパーカーブームの時代にポルシェ924を所有しており、エンブレムを盗まれたそうです。
時代は変われど、神奈川県の某PAをはじめとするスポットには、日夜スーパーカーウォッチャーがスマートフォンを構え、撮影しています。当時と決定的に異なるのは、撮影した画像や動画をインターネット上に公開して、世界中の人が閲覧できるという点です。
当時の夢を叶えた「元スーパーカー少年」な大人たちは、行く先々で激写される自身の愛車を見るにつけ、当時を懐かしむと同時に、喜びをかみしめる瞬間なのかもしれません。
■スーパーカーショー、スーパーカークイズ、さまざまなスーパーカーグッズ
急激に過熱していく「スーパーカー」ブーム。まさしく超優良なコンテンツとして、スーパーカーを題材にした数々の企画、そしてグッズが開発されていきます。
全国各地でスーパーカーショーが開催され、憧れのスーパーカーが間近で観られるとあって大盛況に。さらに課金することで憧れのスーパーカーの助手席に座れるとあって、ランボルギーニ・カウンタックやミウラには長い行列ができたのです。
そして、スーパーカーにまつわる数多くのグッズが発売されます。スーパーカー消しゴム、メンコ、筆箱、下敷き、カード、ジュースの王冠。懐かしのレコード(ソノシート)。挙げればキリがありません。学校の休み時間にBOXYのボールペンでスーパーカー消しゴムを飛ばして遊んだ当時の少年も多かったはず(秘密裏にボールペンを改造したツワモノも)。
極めつけは、東京12チャンネル(現テレビ番組)で1977年7月から1978年10月にかけてオンエアされた「対決! スーパーカークイズ」かもしれません。オープニングテーマ「あこがれのスーパーカー」のイントロを聴いただけで当時の記憶がよみがえってくる人もいるはず。
司会者は笑点の「山田くーん」でもお馴染みの山田隆夫氏。スーパーカーの音の違いを当てるクイズなど、マニアックな問題が出題されたものです。余談ですが、笑点でたびたび登場する「圭子ちゃん」は、この番組の初代アシスタントであり、のちに山田氏と結婚することとなります。
いま振り返っても歴史に残る自動車カルチャー
■スーパーカーブームはやがて下火に
悲しいかな「ブーム」である以上、いつかは終焉を迎えます。1979年にサーキットの狼の連載が終了し、各地で開催されてきたスーパーカーショーもいつしかマンネリ化していきます。さらには少年たちの聖地でもあったシーサイドモータースの倒産など、潮が引くようにスーパーカーブームが沈静化していくのです。
それから約10年後、バブル期の日本経済の勢いに呼応するように、1980年代後半~1990年代前半にかけて、第2期ともいえるスーパーカーブームが起こります。しかし、このときの主役は、熱狂する少年たちではなくひと山当てた大人たち。スーパーカーをはじめとする多くの高級車が軒並みプレミア価格となり、新車価格4500万円だったフェラーリF40が、一時は2億4000万円とも、2億5000万円ともいわれた時代です(いまはそれ以上の価格で取り引きされていますが)。そしてバブル崩壊とともに、急激に値崩れを起こしていくこととなるのです。
■まとめ:スーパーカーブームって結局なんだった?
筆者の好きなテレビ番組のひとつに、NHKで2000~2008年にオンエアされていた「その時 歴史が動いた」があります。もしこの番組でスーパーカーブームをテーマに取り上げるとしたら。多くの日本の少年たちを熱狂させ、その後の人生を大きく変えた、「スーパーカー」というジャンルを日本に定着させた、まさしく「その時 歴史が動いた」瞬間だったと思えてなりません。
スーパーカーを実際に手に入れることができたのは、ほんのひと握りの人たちかもしれません。しかし、スーパーカーに憧れ、手に入れることを夢見て奮起し、やがて成功して現実のものとする。スーパーカーブームがなければ、いまの人生はなかったという人も多いのではないでしょうか。
そうなのです。日本における自動車史における「スーパーカーブーム」は、後世に語り継がれていくことになるであろう、一大事件であったことは間違いないのです。
■追記:当時の空気感が味わえる「池沢早人師・サーキットの狼ミュージアム」に行ってみるべし!
当時の空気感を味わえる施設が茨城県神栖市にあります。
その名も「池沢早人師・サーキットの狼ミュージアム」。開館日は土曜日・日曜日・祝祭日です。
劇中に登場したロータス・ヨーロッパやポルシェ911カレラRS2.7(いわゆる「ナナサンカレラ」)などをはじめ、池沢早人師先生にまつわるコーナーやスーパーカーグッズコレクションなど、当時を知る人にとってはまさに聖地巡礼。童心に帰る場所でもあります。
気の合う仲間とのツーリングを兼ねてぜひ足を運んでみてください。
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みんなのコメント
今だに車無しの生活は考えられない
三つ子の魂百までとはよく言ったもんだ
今の会社に転職する際、真っ先に条件にしたのは車通勤OKがどうか。1日1回はエンジンかけないと落ち着かない。運転している時は至福の一時。
いつまで運転できるか分からないけど、
後10年は頑張りたいね。
ただ、定年と同時に車の維持も頑張らないと、、
因みに、電気自動車は論外です
ずうとるびの山田隆夫がMCの
スーパーカークイズって番組もやってたね。