ゴールデンウィークにテスラで東京~仙台間を往復した
ゴールデンウィーク、東京から仙台市内の親族の家まで行くことになった。距離にして400km弱。ジュニパーを手に入れてから初めての本格的な長距離遠征だ。
EVのリセールはやっぱり安かった……のにテスラを乗り継ぐってどういうこと? 【テスラ沼にはまった大学教授のEV生活・その1】
出発前に近くのスーパーチャージャー(SC)に立ち寄り、バッテリーを90%超まで充電してから自宅を出た。テスラのナビで試算すると「このまま走り続けても、仙台まで充電なしで到達できる」という計算になった。
だが、それはあくまでも試算の話。高速道路での走行は電費が悪化しやすい。GWの渋滞にハマれば話は変わってくるし、エアコンも電気を食う。電欠に怯えながら仙台まで走るのも精神衛生上よくない。念のため、途中で一度充電しておきたい。
<テスラのSCは高速の外にある>
そこで問題になるのが、テスラのスーパーチャージャーの配置だ。テスラ以外のほとんどのEVの急速充電器であるCHAdeMOは高速のサービスエリアにも設置されているが、テスラ専用のSCは高速道路施設のなかにはない。充電するには、いったん高速を降りて一般道まで出る必要がある。そのぶんだけ余分な高速料金が発生するのは避けられないが、これはテスラ乗りの”あるある”として受け入れるしかない。
地図を開いて、東北自動車道のインターからなるべく近いSCを探した。候補のなかで目を引いたのが、郡山インターからクルマで約5分の場所にある「郡山SC」だ。しかもここの充電スポットは、フルーツカフェレストラン「フルーツピークス」の駐車場に設置されている。充電中に家族がカフェでひと息つけるなら、文句も出まい。それどころか「フルーツサンドが食べたい!」と家族のテンションはむしろ上がった。
<設定速度95km/hで電費優先で走る>
目的地を設定して、さっそくナビゲート オン オートステアリングを作動させた。ナビゲート オン オートステアリングは、マニュアルによると以下のような動作をするという。
ナビゲート オン オートステアリングが作動すると、Model Yはドライバーの確認後に速度に応じた車線変更と経路に応じた車線変更の両方を行います。
速度に応じた車線変更:ナビゲート オン オートステアリング では車線を変更することで、目的地までの走行時間を短縮します。例えば、Model Yが設定した巡航速度よりも低い速度で走行する車両の後ろを走行している場合、ナビゲート オン オートステアリングによって、追い越し車線に移動して追い越します。速度に応じた車線変更はオプションです。
経路に応じた車線変更:ナビゲート オン オートステアリング は車線を変更して目的地までドライバーを誘導します。たとえば、Model Yがナビゲーション ルートで指定している出口に近づくと、ナビゲート オン オートステアリングによって出口車線に移動します。
マニュアルを読んだだけでは、その挙動がピンとこないが、とにかくEAP(エンハンスド・オートパイロット)を堪能することにしよう。東北自動車道では電費を節約するため、設定速度は95km/h。流れに乗り切れないもどかしさもあるが、バッテリー残量を気にしながら走るよりずっとマシだ。オートステアリングはステアリングを握る力を肩代わりしてくれるので、ステアリングには手を添えるだけでいい。これで長距離ドライブの疲労感は明らかに変わる。前走車との車間を自動で保ちながら車線中央を維持して走る。私は飛び石対策もあって、日ごろから車間距離の設定は最大の「7」にしている。
そうやって巡航速度で走っていると、右の車線に空きが出れば車線変更を促すサインが出る。そこでウインカーを出せば自動的に車線を変更する。
「疲れる前に疲れない」というのが、EAPのいちばんの価値かもしれない。途中のSAに一度立ち寄りトイレ休憩を取り、予定どおり郡山インターで高速を降りた。
あっけないほど何事もなく仙台往復
<充電20分、されど慌ただしい>
郡山SCに到着すると、充電中のテスラは一台もなく、即座に充電を開始できた。外出先での充電は100%まで入れるとコスパが落ちる。私のモデルY RWDはバッテリーがLEPのため比較的マシなほうだが、やはり90%以降は充電速度が遅くなるので、時間(≒費用)対効果が悪いのだ。目標を90%に設定してスタートすると、かかった時間は20分強。
「じゃあフルーツピークスに入ろう」──そう思って店まで行くとレストランコーナーはすでに閉まっていた。閉店時間の17時を過ぎていたのだ。「えー」という家族の落胆のつぶやきが聞こえはしたが、充電時間も短いので、今回はまだ営業していたフルーツのテイクアウトのみにした。
それにしても、20分という時間はおどろくほど早く過ぎる。家族がそれぞれトイレを済ませ、フルーツを買っていると、むしろ少し慌ただしいくらいのペースだった。
再び高速に乗り、無事に仙台市内の親族宅へ到着。休憩を挟んで約7時間の道のりだった。なお、郡山インターを一度降りて再入場したことで、高速料金は通しで走った場合より1010円追加でかかった計算になる(川口東~仙台南の通し料金:約9060円に対し、郡山で分割すると約1万70円)。充電のために途中下車すると、こういう追加コストも発生することは頭に入れておきたい。
<帰路はパフェをゲット>
数日後、帰りも同じルートを選び、郡山SCに立ち寄った。今度は午前中だったので、フルーツピークスのおいしそうなフルーツパフェをしっかり購入することができた。リベンジ成功。これで往路で沈んでいた家族の顔もようやく晴れた。充電は30分弱で90%程度まで回復し、そのまま東京へ向けて走り出した。帰路の所要時間も往路とほぼ同じ7時間弱。ルートも時間もほぼ再現できるあたりが、EVらしい安定感といえるかもしれない。
<EAPの恩恵は本物だけど宿題も残った>
今回の往復を振り返ると、EAPの恩恵は確かに感じた。オートステアリングによる車線維持と自動車線変更のおかげで、7時間後の身体の疲れがガソリン車で同じ距離を走ったときとは明らかに違う。
一方で、「ナビゲート オン オートステアリング」の機能のひとつ、「経路に応じた車線変更」は実感できなかった。なにか案内があったのだろうか? 自分で運転する意識が強すぎて、先まわりして自分でハンドルを切ったのかもしれない。次の機会では改めて、あえて”なにもしない”ことを優先して高速に乗りたいと思う。いろんな場面を経験しないとテスラの全貌はわからない。走りながらもその思いは深くなる一方である。
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