この記事をまとめると
■クルマ好きは生活圏にある気になるクルマをチェックしてしまうことが多い
アメリカの倉庫から超お宝フェラーリが20台も発掘されるという大事件! 天文学的な価値の「納屋物件」に世界が驚いた
■納屋や工場に放置されたクルマは「バーンファインドカー」と呼ばれ近年注目されている
■人々に忘れ去られたクルマが再び注目されるのはクルマ好きとしては喜ばしいことだ
クルマ好きならついつい見てしまう放置されている車両
通勤の途中のある家のガレージにはハコスカGT-Rがある。角の家の敷地にはしばらく動いていないサバンナRX-7がある。いつも立ち寄るコンビニの駐車場にS2000が止まっているけどオーナーのクルマ? ……などなど。クルマ好きって意外と生活圏にある気になるクルマをチェックしていたりします。
そのなかには「古そうな家の敷地内にある納屋で埃をかぶったクルマが眠っている」ことも含まれていたりします。ものすごく気になるけれど、個人宅なので近寄れない……。しかし、そこにはお宝が眠っている可能性があります。そのようなクルマは「バーンファインドカー」と呼ばれ、近年注目されています。
●そもそも「バーンファインド」とは何?
クルマ好き界隈であっても、人によってはあまり馴染みのない「バーンファインド」という言葉。語源は「納屋(Barn)で見つかった掘り出しモノ(Find)」です。日本では「納屋物」「納屋物件」などといわれています。ほかにも、長年にわたって空き家になっている工場や自動車販売店などの敷地内に置かれているクルマもバーンファインドに該当します。
クルマに興味がない人からすれば、「なんで埃をかぶったクルマに価値があるの?」と思われても無理はありません。ひとつ例を挙げるとするならば、親族の古い家や蔵を整理していたとき、保存状態がよさそうな掛け軸が見つかり、価値はわからないけれどひとまず「なんでも鑑定団に出そう」などと盛りあがったりします。まさにこの感覚です。
長年にわたって埃を被って放置されている……。それはつまり「当時の状態のまま静態保存されている確率が高いこと」を意味します。一般的に、古いクルマはオリジナル度が高ければ高いほど価値があるとみなされます。レストアしてピカピカの状態よりも、内外装がボロボロでも、当時の部品や塗装が残っているほうが価値が高いのです。つまり、「バーンファインド」とは、長年ガレージや納屋、倉庫などに放置されていたクラシックカーや希少車を発見することであり、お宝探しの意味合いもあるのです。
●放置されていたクラシックカーや希少車をどうやって見つけるのか?
バーンファインドに該当するようなクルマは、カーセンサーやグーネットのような中古車検索サイトでは見つかりません。主な方法として、SNSやYouTubeなどを常にチェックしてアンテナを張る情報収集はもちろんのこと、「◯◯にそれっぽいクルマがあったよ」と知らせてくれる人脈作りも重要な鍵となります。また、日本ではYahoo!オークションに出品されることもあるなど、情報を得るルートはさまざまです。
とはいえ、これほど人々の暮らしにインターネットが深く根付いた現代においても、最強の情報源は「口コミ」です。人目につかないような場所に眠っている「バーンファインドに該当するようなクルマ」は、地元で豊富なネットワークをもつ人がこっそりと教えてくれたりします。「この人なら任せて安心」や「(契約が決まったら)一定のキャッシュバックを期待して」など、理由はさまざまですが、いずれにしても信頼してもらえなければこの手の情報は得られないので、良好な人間関係(信頼関係)を築くことは非常に重要です。
下手するとお宝を発見したあとのほうがずっと大変だ
●所有者との交渉がスムースにいくかはやらないとわからない
そして、いよいよここからが本題です。いくら放置されているとはいえ、勝手に運び出したら窃盗です。このクルマの所有者(本人がすでに他界している場合はその親族に)連絡を取り、譲ってもらえないかどうか交渉する必要があります。直接(あるいは電話や手紙などで)連絡がついた場合、処分に困っているか、本当は手放したいけれど想い入れがあって踏ん切りがつかないまま現在に至ってしまった……など、これまでの経緯に対してじっくり耳をかたむける必要があります。
「とにかく早く引き取ってくれ」という場合なら交渉はスムースです。しかし、想い入れがある場合、所有者を(表現としては好ましくありませんが)説得のうえ、納得してもらう必要があります。1度や2度の話し合いでは解決せず、年単位でじっくりと時間をかけて所有者の気持ちの変化を待つしかないケースも珍しくありません。ここで焦って話がこじれると、まず譲ってもらえなくなります。
●無事に交渉が成立したあとは?
所有者との交渉がまとまれば、書面でお互いに契約書を交わし、金額を支払ってクルマを引き上げます。エンジンがかかる確率は極めて低い(不動だった期間を考えるとかけるべきではない)ので、数人で手わけしてキャリアカーまで手押しすることになります。すんなり動けばまだいいほうで、まずはクルマの周辺を片付け、移動できる状態にします。次に固着しているブレーキやサイドブレーキをどうにか動かせるようにして、慎重に移動させなくてはなりません。
そして、日本国内においては「書類の有無」が重要になってきます。この「書類がない」とは、「クルマを公道で走らせるために必要な自動車の登録に関する書類が存在しない状態」を意味します。具体的には「車検証」「抹消登録証明書」「譲渡証明書および委任状」です。「書類がない=法的には誰のクルマかわからない状態」となってしまうため、次のオーナーに引き継ぐことができません。場合によっては機械として復活できたとしても、公道走行が可能なクルマとしては認められない状態になってしまうのです。そうなると、泣く泣く部品取り車という運命を辿ることにもなります。
●まとめ:バーンファインドはクルマ好きにとってひとつのロマン
日本国内だけでも納屋に眠っていたハコスカGT-R(KPGC10)やケンメリGT-R(KPGC110)、そしてフェアレディZ(S30系)、倉庫に眠っていたトヨタ2000GTなど、昭和の時代からタイムスリップしてきたクルマがいくつも存在します。そして、いま現在も眠り続けているクルマが数多くあるはずです(筆者もいくつか知っています)。2017年には岐阜県の納屋に眠っていたフェラーリ365GTB/4、通称「デイトナ」が発見されたあと、世界的にも有名なオークション「RMサザビーズ」に出品され、大きな話題となりました。
海外においても、ポルトガルのある倉庫からは200台以上のクラシックカーが発見されたり、イギリスの納屋では埃をかぶったランボルギーニ・ミウラが発見されたり、フランスではフェラーリ250GT SWB カリフォルニア・スパイダーが見つかっています。
ボロボロの状態からレストアされ、新車のような姿に復活を遂げたクルマもあれば、世界的に有名なオークションに出品されるほどの価値を見出されるクルマもあります(オリジナル度が高いことが証明され、現在の状態に価値があることを意味します)。また、個人レベルで引き取り、コツコツと修復していくケースももちろんあります。
いずれにしても、「バーンファインド」によってこの世からその存在を抹消されていた古いクルマに日の目が当たるのは喜ばしいことではないかと、個人的には考えます。
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みんなのコメント
ところが昨今の旧車ブームは、たとえそれが何の変哲もない車だったとしても、古いと言うだけでそこに価値を見い出しとんでもない高値で購入するニワカがいるからね、こういった連中の参入によって出来たろくでもないブームの中に、ことさらバーンファインドを珍重する傾向がある様に感じるが、いやいやそれってやっぱり車次第なのになぁ・・・って思う。