そもそもは50cc原付生産終了の救済措置
ついに販売が始まった「新基準原付」ですが、インターネットやSNS上などでは「元々の125ccのパワーに簡単の戻せるのでは?」「違法改造が増えるのでは?」という意見も少なくありません。
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まず大前提ですが、新基準原付に何らかの手を加えて、ベース車の排気量125ccまでのモデル(原付2種)と同等のパワーを引き出すことは違法改造であり、不正行為に当たります。
またそのような車両を原付免許で運転した場合は無免許運転として重い罰則を科せられる可能性もあります。
新基準原付が誕生した経緯を振り返ってみましょう。地球温暖化対策や大気汚染を防止する観点から、バイク(2輪自動車)においても日本国内では1998年から排出ガス規制が始まり、年を追うごとにたびたび強化されてきました。
そして2025年11月1日から適用された「第4次排出ガス規制(欧州のユーロ5相当)」においては、これまでの50cc原付(原付1種)では対応が困難になりました。
それは技術的に不可能というワケではなく、日本専用規格ともいえる50ccで、新規制に対応するために開発コストをかけると販売台数(生産台数)的に採算が取れなくなるため、国内バイクメーカーは50cc原付を生産終了する判断をしました。
とはいえ、50cc原付は容易に取得できる原付免許や、普通自動車の免許でも運転可能で、通勤や通学、配達などの業務にも使用され、日本の社会生活を支える重要な交通手段でもあるため、完全に廃止してしまうと影響は計り知れません。
そこで既存の排気量50cc超125cc以下のバイク(原付2種)をベースに、最高出力を4.0kW以下に制御したバイクを「新基準原付」として販売できるようにしたわけです。
簡単には行えず、コストもかかるのでは
そもそも新基準原付は、開発コストや生産コストを抑えつつ排出ガス基準に適合させるのが目的なので、ベース車両から大きく改編しているワケではありません。とはいえ最高出力の制御(もちろん内容は非公開)は、簡単に改変して元々のパワーに戻せないよう、国土交通省や警察庁からの通達があるようです。
ここから考えると、新基準原付の「パワーの復元」と言うか「リミッター解除」(どちらも表現が適切ではないかも)は、簡単な改造で行えるとは思えません。
たとえばエンジンを制御するECU(エンジンコントロールユニット)は、ベースモデルと新基準原付では異なる部品を使っていると考えられますが、コレをポンと取り替えたらフルパワーになる、みたいな簡単な話ではないでしょう。それにECUは相応に高額な部品なので、それだけでベースモデルと新基準原付の価格差を超えてしまいます。
もちろんコレは仮定の話で、出力制御をECUで行っているとは限りません。それに他の方法や複数の機構で制御しているのかもしれません。
いずれにしても、それらを解明して部品を揃えて改造する手間を考えると、車両コスト的には「最初からベースの125ccモデル(原付2種)を買った方が得」になるでしょう。
パワー復元、リミッター解除してもメリット無し!
新基準原付の話題性は大きく、バイク情報サイト以外のニュースサイトなどでも取り上げられ、なかには「原付免許で125ccに乗れる」のような安易な記事タイトルによって誤解を生じている部分もあるようです。
確かに原付免許で「125cc以下の新基準原付」に乗ることはできますが、交通ルールは従来の50cc原付とまったく変わりません。最高速度は30km/h以下、1人乗り、二段階右折、最大積載量30kgなどです。
なので、違法改造を行ってベースの125ccモデルと同等のパワーを得られたとしても、30km/h以上出せないので意味がありません(無法に飛ばすのは別の話)。
それよりも、新基準原付は最高出力が4.0kWに制御されるとはいえ、従来の50ccモデルより確実にパワーアップしています。そして注目すべきは最大トルクの値です。ベースモデル(原付2種)よりは低いですが、50ccモデルと比べたら2倍近いトルクを発揮しています。
なおかつ最大トルクの発生回転数は、ベースモデル(原付2種)や従来の50cc(原付1種)モデルよりグッと低くなっています。
すでにバイク専門誌やウェブメディアなどでは、ホンダの新基準原付のインプレッションや、ベースモデル(原付2種)や50cc原付との比較記事も掲載され始めていますが、総じて「新基準原付はスタートダッシュが良好」と書かれています。これは最大トルクの大きさと発生回転数の低さによるものです。
ホンダが発売した新基準原付「lite(ライト)」シリーズの4機種と、ベースとなった原付2種の110ccモデルおよび既存の50ccモデルの最大出力と最大トルクと車両価格(オマケで燃費も)などを比較してみてください。
新基準原付は、けっこう速い!?
繰り返しになりますが、新基準原付に手を加えてベースモデル(原付2種)の最高出力に戻す行為は違法改造になります。また実際に改造するには相応にコストがかかるので、車両価格的にはベースモデルを超える可能性が高いと言えます。仮に低コストで出来たとしても、違法改造であることに変わりありません。
そして新基準原付は交通ルールも従来の原付免許とまったく同じなので、スペックを高くしたところで発揮する機会はありません。また、その改造に起因する交通違反や事故などを起こした場合は、より厳しい罰則を受ける可能性もあります。
それらのリスクを考えたら、普通自動二輪免許(小型AT免許以上)を取得して原付2種のバイクに乗ることを強くオススメします。
とはいえ、免許を取るにはコストがかかるのも事実です(小型AT免許でも10万円以上)。諸々の理由で原付免許の人もいると思いますが、「原付免許で乗れるバイク」として考えたら、新基準原付はけっこう高性能と言えるのではないでしょうか。
巷でウワサの「新基準原付のリミッター解除」には、惑わされない方が良いでしょう。(伊藤康司)
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みんなのコメント
やる人はそんな事わかっててやるんだよ(笑)
高速プーリー…ボアアップ…
パーツの
説明書には「レース専用部品です公道での使用はできません」とか虚しい文字が並んでる。
今回も…そうなりそうだな。