1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、5代目ゴルフのバリエーションや兄弟車について語ろう。(タイトル写真は、左がゴルフ、右がゴルフ プラス)
ゴルフのバリエーションや兄弟車が増えた背景にあるもの
5代目のゴルフ(以下、ゴルフ5)でバリエーションや兄弟車が増えた理由としては、第一に乗用車のあり方が変化したことがある。とくに顕著なのは、ミニバンとSUVという新しい車形の台頭である。それに対応して新しい車種が誕生した。フォルクスワーゲンはフルラインメーカーであり(大元はビートル1車種だったが・・・)、大衆が求めるものは当然つくってしかるべきなのだった。
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第二の理由としては、とくに1993年にフェルディナント・ピエヒが会長に就任して以降に目立つ、フォルクスワーゲンの野心的な成長戦略の影響である。ピエヒの下で、フォルクスワーゲンは高級化を進めると同時に、水平方向の展開も進めた。グループ内の多ブランドでプラットフォームを共有することで、コストダウンと同時に高品質化して競争力を高めるという、強力な経営展開がなされた。
ゴルフ5とプラットフォームを共有した車種を挙げてみると、フォルクスワーゲン ブランドでは、ジェッタ、ゴルフ プラス、クロスゴルフ、ゴルフ トゥーラン、そしてティグアンがあり、このほか次世代のゴルフ6や、シロッコ、ザ・ビートルなども同じプラットフォームだった。ちなみにグループ全体では、アウディA3/TT、セアト レオン/アルテア/トレド、シュコダ オクタヴィアなどがあった。
個別に車種を見ていくと、まずワゴンボディのゴルフ ヴァリアントは、地域によってはジェッタのワゴンとして販売された。ジェッタはゴルフ1のときにゴルフの3BOXバージョンとして登場し、その後、日本を含めて、市場によってはヴェント→ボーラと名を変えていた。それがこの5代目モデルでまたジェッタという車名に統一された。
そのうえ、先代モデルまではフロントマスクが独自デザインだったのが、5代目ではゴルフと統一された顔つきになった。だからワゴンになると違いがなく、もうどちらでもOKになったというわけである。正確には、そのフロントマスクはゴルフ5のベーシックモデルとは異なり、上級モデルで採用したワッペングリルを付けており、ゴルフよりはやや上級の設定といえる。この頃にはジェッタの世界販売台数はゴルフに迫るほどになっていた。
ゴルフ ベースのミニバンやSUVも登場した
新しい車種としては、ゴルフ プラスが2004年に加わった。ゴルフに車高の高さをプラスしたようなクルマであり、全長や全幅は変わらず、全高だけが85mm高い1605mになっていた。ミニバンが世の中に増えるなか、ミニバンと同じように車高を高めることで室内スペースを拡大して、居住性を高めたのがポイントだった。車名に「ゴルフ」が入っているだけあって、スタイリングもゴルフらしさを継承している。ただ、車高の高いクルマが流行しても、やはり主役はゴルフで変わらない。そこがゴルフの求心力の強さである。ゴルフ プラスにはSUV風に仕立てたクロスゴルフも存在した。
3列シートの、ちゃんとしたミニバンといえるモデルが、ゴルフ トゥーランである。日本ではゴルフの名が付けられたが、ドイツ本国では単にトゥーランと呼ばれている。ホイールベースはゴルフより100mm長い2675mmだが、全長も全高もミニバンとしては比較的抑えめなので、3列目シートが狭いなど、居住性は日本のミニバンなどと比べれば劣っていた。ただ、このサイズのクルマとしては十分広く、なにより走りの良さや高品質感などゴルフの持ち味がそのまま受け継がれており、室内空間が広いことも含めて伝統的なゴルフの良さを受け継ぐクルマだった。
SUVとしてはティグアンが2007年に登場した。この頃はコンパクトなSUVはまだヨーロッパでは多くはなく、フォルクスワーゲンはフルラインメーカーだけあって、比較的早い対応だった。本格的なSUV仕立てで、大きさこそゴルフに近いが、さすがにゴルフの名前は冠していない。
カブリオレ モデルは、ゴルフ5ではつくられず、イオスという別モデルが2006年に登場した。ホイールベースはゴルフ5と同じだったが、正確にはパサートのプラットフォームに基づいており、やや上級の位置づけだった。ちなみに、6代目のゴルフではゴルフ カブリオレが復活する。
このほか、ゴルフそのもののグレードであるが、最上級モデルのR32が先代に続いて設定された。狭角V6エンジンや4WD機構などのメカニズムは先代と基本的に変わらなかったが、エンジンはやや出力が高められ、排気系などの改良でサウンドに気持ち良さが増し、パフォーマンスモデルとしての訴求力を高めていた。だが、V6エンジンは次のゴルフ6では消え去ることになる。(文:武田 隆)
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